ナミキソウ、ガガイモ、ソナレマツムシソウ、トチカガミ、ニホンハッカなど

初秋のつくば植物園にて(4)
 今回は「W8:砂礫地植物(山地性・海岸性)区画」で見た花たちです。

ナミキソウ(波来草)
シソ科タツナミソウ属の多年草
日本、朝鮮、中国(東北部)、千島、樺太に分布
名の由来は、海岸の波打ちぎわに近い砂浜に生育することから
白い膨らみがあるところはハマウツボ科のママコナに似ている
画像
花の長さは2cmくらい
画像
花筒はS字にカーブする
画像

ガガイモ(蘿摩・蘿芋)
キョウチクトウ科(←ガガイモ科)ガガイモ属のつる性多年草
北海道~九州の日当たりが良い、やや乾いた原野に分布
根茎は伸びるが根塊は出来ないのに、芋と名が付いた理由は不明
画像
花径は1cm。白花種をシロバナガガイモとも言う
画像

ソナレマツムシソウ(磯馴松虫草)
スイカズラ科(←マツムシソウ科)マツムシソウ属の多年草
日本固有種。関東地方の海岸に分布。絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
マツムシソウは越年草だが、これは多年草
画像
花径は4cmほど。草丈は低い(10~25cm)が、葉は厚い
画像

マツムシソウ(松虫草)
スイカズラ科(←マツムシソウ科)マツムシソウ属の越年草
北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種
草丈は50~90cm。ソナレマツムシソウとは別の区画で
画像
ソナレマツムシソウと花は変わらない
画像

トチカガミ(鼈鏡)  初めて見た
トチカガミ科トチカガミ属の多年草。準絶滅危惧種(NT)
中国、朝鮮半島、東南アジア、オーストラリア、日本に分布
とち(鼈)はスッポンのことで、光沢のある丸い葉を鏡に見立てた
画像
雌雄異株。写真は雄花。花径15mmくらい
画像

ニホンハッカ(日本薄荷)
シソ科ハッカ属の多年草。通称、ワシュハッカ(和種薄荷)
ニホンハッカは、ヨウシュハッカよりやや葉が長く、
萼筒の裂片が鋭く尖っていることから区別される
画像
画像

 9月8日撮影。
 (つづく)


この記事へのコメント

  • 寿々木

    珍しい花を拝見しました。マツムシソウは涼しげな花ですが、これだけ咲くと賑やかですね。ソレナマツムシソウは初めてです。
    2018年09月13日 15:00
  • 目黒のおじいちゃん

    いつも素晴らしい花を見せて頂き、有難うございます。
    なかなかコメントできなくて失礼しています。
    2018年09月13日 15:01
  • 信徳

    ガガイモ、花は咲きますが鞘になるのは少なく晩秋の風に飛んで行く様は何とも言えない風情を感じます。
    ソレナマツムシソウは初見です。
    今春、軽井沢植物園から貰ったマツムシソウの種が発芽し育っていますが花が咲くのは来年でしょう。
    2018年09月13日 15:23
  • river

    ガガイモは菜園や庭に生えてきます。見つけ次第引き抜くのですが絶滅しません。鞘が出来ると長い綿毛の付いた種が飛びます。
    マツムシソウは今日も見てきましたがソナレマツムシソウは見たことがありません。
    2018年09月13日 17:01
  • 無門

    こんにちは

    トチカガミ
    鏡は納得ですが
    トチは何を指すのでしょう
    2018年09月13日 17:37
  • nobara

    ソナレマツムシソウは初めてです。
    ソナレってそなれまつ(磯馴れ松)を思い出します。
    海岸に這うような意味があるのでしょうか・・
    古語かなと思ってました。
    ニホンハッカは田舎の畑に群生してました。
    このごろ昔のことが色々思い起こされます。
    ガガイモはご近所で見かけたのですが
    この頃、見えなくなりました(-_-;)ゞ
    2018年09月13日 17:57
  • eko

    ナミキソウの花色綺麗ですね。S字にカーブした花筒はタツナミソウと同属だと分かりますね。
    ガガイモの白花が咲いていましたね。
    マツムシソウは涼しげな花ですね。ソナレマツムシソウは初見です。
    トチカガミも初見です。とちはすっぽんのことで、花を指しますか?
    2018年09月13日 17:58
  • なおさん

    ナミキソウはタツナミソウ同様に波頭のような形を連想させる花、という雰囲気ですよねえ。青い色が良いですね。
     ガガイモも面白い花ですよねえ。武蔵丘陵森林公園でも咲いているのを見てきました。実のさまも綿毛のさまも面白いですね。
     マツムシソウはこの間見てきましたが、高い山に生えるタカネマツムシソウの他にも海岸近くに生えるソナレマツムシソウというのがあるというのは面白いですね。神奈川の海岸あたりに生えるさまも見たいものです。
     トチカガミは武蔵丘陵森林公園の池でも咲いているのを見ました。清楚な白が良いですね。

     ニホンハッカも湿地で見たことがあります。これも可愛らしい花ですね。
    2018年09月13日 20:08
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウやソナレマツムシソウは珍しいと思います。
    マツムシソウは咲き終わったものもありますが、群落を作っていました。
    2018年09月13日 20:32
  • 長さん

    目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございます。
    体調はいかがですか。コメントを入れるのは大変なことがありますよね。気持ち玉だけで結構ですよ。
    2018年09月13日 20:32
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    ガガイモの花を見たのは2回目で、花しか見たことがないです。実鞘が割れるとフウセントウワタの種に似たようなものが風に乗って飛んでいくのですね。
    ソナレマツムシソウは風の強い海岸に生えるので草丈が低いようです。
    2018年09月13日 20:33
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    近くにガガイモが生えていると、羽毛が付いた種が飛んできて芽を出すのですね。
    ソナレマツムシソウは海の近くに行かないと見られませんから、植物園の良いところです。
    2018年09月13日 20:35
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    トチカガミの名の由来ですが、トチはスッポンのことだそうです。何故スッポンなのかは分かりません。
    2018年09月13日 20:40
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    ソナレは磯に慣れている植物といった意味らしいです。ソナレマツは高山植物だから、どんな由来で名が付いたのでしょうね。
    ニホンハッカ、いわゆるハッカですよね。今まで日本在来種も西洋種も一緒に見てきました。
    ガガイモは種が飛んで繁殖するらしいですが、見なくなりましたか。
    2018年09月13日 20:44
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    タツナミソウは筒部が長いですが、確かにナミキソウと同じS字型ですね。
    ガガイモ、茶色っぽい花もあるのですが、私は白しか見たことがありません。
    ソナレマツムシソウは草丈が低く、葉が厚いので、見分けは可能です。
    何故スッポンの名前がトチカガミに付いたのでしょうね。
    2018年09月13日 20:48
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    ここのナミキソウは丈が低かったり、茎が斜めになったりしていますが、本来は真っ直ぐ上に伸びる草らしいです。
    ガガイモというと毛むくじゃらの花がすぐイメージできますね。実鞘が割れたところを見たいものです。
    マツムシソウが高山にも海岸にも対応して進化していったのは面白いです。
    トチカガミ、初めて見たので、雌雄異花とは思わなかったので、もっと探せば良かったです。
    2018年09月13日 20:55
  • 月奏曲

    ナミキソウのS字が優雅でいいですね。

    ガガイモってお芋じゃなかったんだ(;´Д`)
    2018年09月13日 21:11
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウの横顔は、マーチングバンドの楽器にたとえるなら、オオ際は全く違うけれど、スーザフォン?
    イモでもないのに何故ガガイモと名前を付けたんでしょう、何か他書植物と間違えてつけたっぽい。
    2018年09月13日 21:51
  • shuuter

    面白い花が並びます。
    素敵な植物園ですね。

    ガガイモなどふつうにみられるの花を置いている植物園は少ないのではないですか。
    2018年09月13日 22:02
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    この植物園は絶滅危惧種の育成にも力を入れていますが、勿論、一般に見られる植物もあります。私らの住む住宅街ではガガイモは滅多に見られません。
    2018年09月13日 22:09
  • うふふ

    トチカガミという名前、お相撲さんに居そう。
    ガガイモは植物園で見ましたが、今年はもう終わってしまったようです。
    暑くても毛皮は脱がない花ですね(笑)
    2018年09月13日 22:23
  • ロシアンブルー

    こんばんは。
    ナミキソウは珍しい花ですね。
    花筒がs字カーブしていて、訳ありですね。
    ガガイモの花もあまりみかけませんね。
    植物園でしか見られないのでしょうか。
    2018年09月13日 23:02
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    トチカガミは力士の名前にありそうですね。調べてみたら、字は違いますが、序二段まで行った栃鏡がヒットしました。
    ガガイモの花、もう終わっていましたか。つくば植物園はちょっと北寄りですからまだ咲いているのでしょう。毛皮を脱いだら日焼けしたりして(笑)。
    2018年09月13日 23:06
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウ、珍しいでしょう。ここでしか見たことがありません。カーブの仕方はちょっと違いますが、タツナミソウもS字型ですね。
    ガガイモは日当たりが良い、やや乾いた原野に分布とされています。群馬にお住まいの信徳さんやriverさんはご覧になっているそうです。
    2018年09月13日 23:10
  • すーちん

    お早うございます
    ナミキソウ、花筒の
    くびれが面白いですね
    2018年09月14日 07:18
  • りりい

    ソナレマツムシソウ、小さいけれど複雑な造りをした花ですね。かわいいです。
    ナミキソウ、はじめてみました。一見したとき、トレニアかと思いました。
    2018年09月14日 09:11
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウは正面から見るとこのくびれが分からないので、横顔の写真を添えました。
    2018年09月14日 11:34
  • 長さん

    りりいさん、コメントありがとうございます。
    ソナレマツムシソウもマツムシソウも小さな花の固まりなのですが、一番外側の花弁が大きいのです。
    ナミキソウがトレニアに見えましたか。我が家の2階のバルコニーに置いたプランターにどこから飛んできたのかトレニアが咲き始めました。
    2018年09月14日 11:44
  • 小枝

    こんにちは。

    花筒がS字にカーブする波来草
    個性的で美しいです。
    お色も素敵ですね。
    2018年09月14日 12:20
  • 長さん

    小枝さん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウの花の形は正面からだけの写真では良さが分からないので、横顔も添えました。
    お孫さん、可愛いでしょう。まもなく2ヶ月ですね。元気で育っていますか?
    2018年09月14日 12:36
  • ジュン

    ナミキソウの花色綺麗ですね
    S字にカーブ面白いです
    2018年09月14日 15:45
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    ナミキソウの花色は良いですね。2つの白いラインがポイントです。
    2018年09月14日 21:13

この記事へのトラックバック