今回は、つくば植物園の多目的温室に展示されていた、琉球と小笠原列島の植物から花が咲いていたものを投稿します。最初は、「さつまいもなり」と読んでしまった植物から・・・。
サツマイナモリ(薩摩稲森)
アカネ科サツマイナモリ属の多年草
本州(関東南部以西)・四国・九州・琉球に分布
林中の木陰でやや湿気の多いところに生える
三重県の稲森山で発見されたイナモリソウに似ているからか
花径は1cmほど。花弁に毛が生えている
雌しべの花柱が長く雄しべの花糸が短い花をつける株と、
花柱が短く花糸が長い花をつける株とがある(=異形花柱花)
オリヅルスミレ(折鶴董)
スミレ科スミレ属の常緑多年草。日本固有種。絶滅危惧種EW
ランナーを出す植物体が折り鶴に似ている事による命名
花径は1.5cmほど
発見は昭和57年(1982)。1988年に新種として発表された時点では、
自生地は既にダム建設により水没してしまった。その後、平成6年
(1994)に沖縄本島北部で新たな自生地が発見されているという
追記 この種については、咲くやこの花館の解説が詳しい(こちら)
オオシロショウジョウバカマ(大白猩々袴)
シュロソウ科ショウジョウバカマ属の多年草。絶滅危惧種VU
徳之島、沖縄本島北部、石垣島、西表島に分布
川沿いの湿った斜面に育成する。日本のショウジョウバカマ属の
中では花序が最も大きい。花の色や付き方に著しい種内変異が
見られる、個体数が少なく、特に徳之島では一産地に約10個だけ
が生き残っている。(説明板より)
ヤナギニガナ(柳苦菜)
キク科ニガナ属の多年草。絶滅危惧種VU
日本では九州南部から琉球列島に分布
葉は少々厚手で、波針形。別名アツバニガナ(厚葉苦菜)
花径は1.5cm。ハナニガナにそっくりだが、葉の形が全く違う
1月19日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
river
群馬で見られるスミレ類はおよそ100種類です。春になったらスミレを探して榛名山麓を歩こうと思っています。
無門
ブームで採りつくされて
消えるものと
環境変化で消えてゆくもの
絶滅危惧種には
哀れを感じますね
目黒のおじいちゃん
環境破壊で消えていくものも多いなか、嬉しい情報もあって
楽しく拝見しました。
降雪の予報、どうぞご留意ください。
夕焼け
今度はぜひゆっくりお出かけ下さい。
ジンギスカンでもご一緒に食べましょうね。
寒冷地仕様の服装で暖かくして楽しんでください。
奥様もご一緒ですか~・・
楽しんでくださいね。
信徳
花弁は薄紫の可愛い花でサツマイナモリと感じが違いました。
場所によって違うのでしょうね。
eko
オリヅルスミレ可愛いですね。新しい自生地が発見されて良かったです。
ショウジョウバカマの白花があるんですね。
ヤナギニガナはハナニガナとしか思えません。葉が違うんですね。
珍しい初見の花楽しませて頂きました。
乙女ヶ丘
○○苦菜と名前が付くくらいですから
相当苦い味のする葉っぱなんでしょうね
想像しただけでちょっと口の中が…
長さん
オリヅルスミレについては「咲くやこの花館」の解説が詳しいので、リンク先を追記しておきました。イチゴのようにランナーを伸ばして増えていくというのも面白い性質です。日本のスミレは250種くらいと言われていますから、群馬県に100種というのは多いですね。
長さん
環境が変わってくると生き延びることができない植物が多いですね。そうした植物を保存する役割としての植物園は重要です。増やすことができれば、自生地を復活させることもできますから。
長さん
サツマイナモリ、ご存じでしたか。nobaraさんが九州にお住まいの頃レポートされていましたので、ご記憶かもしれませんね。
明日の積雪はそれほどでもなさそうですね。
長さん
2月頃は、時々沖縄に行っていたのですが、たまには寒いところも良いかなと思って、格安のツアーを妻が探してくれました。
旭川は最高気温が氷点下で、かなり寒そうですね。
長さん
イナモリソウは見たことがないのですが、ネットの画像で見ると、同じアカネ科でも属が違うと、サツマイナモリとはかなりイメージが違いますね。命名者がそう思ったと言うことなんでしょうね。
長さん
カタカナで書いてあると、思い込みで読んでしまい、?と思うことがあります。
オリヅルスミレは昔は広範囲にあったのでしょうが、戦争で焼き尽くされてしまったのかもしれません。
オオシロショウジョウバカマは花茎がもっと伸びるんですよ。
ヤナギニガナですが、葉の形は柳に似ていませんね。
寿々木
長さん
ニガナの葉や茎を切ると白い乳液状のものが出てくるそうで、それがちょっと苦いらしいです。ただ、生の葉を噛んでも殆ど苦みを感じないので、食用になるんですね。
長さん
流石に国立科学博物館の付属組織だけに、名札はカタカナと学名、それに、科名、原産地が記されています。それがなければ名前を調べるのは困難でしょう。
小枝
ヤナギニガナ、
花弁もですが葉がとてもユニークですね。
いつも貴記事では植物の勉強を
させていただいております。
長さん
ニガナの仲間の葉がどうしてこんな形に進化したんでしょうね。
今後も美しい花と共に、珍しい植物を取り上げていきたいと思います。
イッシー
私はイモショウチュウかと・・・。
月奏曲
長さん
離島に生息する植物は特異な進化を遂げたものが多いようです。
芋焼酎ね、やはり酒好き。
長さん
本格焼酎、黒霧島ですね。薩摩稲森も焼酎の銘柄にありそうな名前ですね。
うふふ
今回も珍しいお花が並びましたね。
スミレは本当に種類が多くて驚きます。
オリヅルスミレは姿も名前も可愛らしいですね。
長さん
スミレ属には400種ほどあり、そのうち、日本には地域変種を含めて250種あると言われています。オリヅルスミレはランナーを出して増える点が他の品種と違っていて面白いです。
ロシアンブルー
オリズルスミレ、可愛い花姿がいいですね。
ニガナの葉、確かに違いますね。
ニガナは乳白色の汁が出て、ベタベタするのが嫌ですね。
なおさん
nobara
サツマイナモリ、思い出します。
肉厚のお花が、結構魅力的でした♡♡
オリヅルスミレはツタスミレ(パンダスミレ)同様にランナーを出すんですね~♪
パンダより清楚な感じがいいですね。
これも欲しい~~~~です🎶
植物園でご当地?モノがあるのが面白いです。
こういうお花たちが大好きです。
すーちん
ニガナは聞いたこと有ります
絶滅危惧種になってるんですね
長さん
オリヅルスミレは清楚な感じですね。ツタスミレ同様、ランナーで増えるそうです。
ニガナを手折ったことがないので知りませんでしたが、茎から出る乳液はベタベタするのですか。苦みの成分のためですかね。
長さん
離島の植物は特異な進化を遂げたものが多く、その殆どが説滅危惧種ですから、植物園で保存育成するのは大大変意義があることですね。
長さん
サツマイナモリ、福岡でご覧になったのでしたね。確か、チャルメルソウの近くで咲いていたとか。
ランナーで増えるのはツタスミレぐらいかと思いきや、オリヅルスミレもそうだったんですよ。バイオ増殖されて流通しているそうですが、暑さにも寒さにも弱いそうです。
長さん
本土のニガナやその仲間はどこでも見られますが、ヤナギニガナは絶滅が危惧されています。
ジュン
ただただ眺め驚いています
長さん
植物園にはこうした珍しい植物が展示されているので、楽しい所なのです。ネタ切れ時はありがたい。
はるる
そういうのは科が同じなんでしょうね。
スミレも小さいのにけなげに見えます。
植物園ならではのものですね。
長さん
植物は、同じ属・種でも生息地域が遠く離れていると、進化の段階で異なった形状を身につけたりすることが知られています。スミレも地域変種が出やすい植物なんです。