今回から、20日に訪れた水戸市植物公園の「植物館」で開催されていた「水戸徳川家の蘭」展(1月6日~21日)の様子を投稿します。
水戸徳川家の蘭 ~限りなく白い花をめざして~
水戸徳川家の14代当主圀斉(くになり)氏(明治45年~昭和61年)は洋ランのパフィオペディルムの育種家です。
限りなく白い花を理想とされたので、残されたランは白い花が中心です。白い寒水石が採れる真弓山にちなみ‘Mayumi ’と名付けられた名花も誕生し、英国王立園芸協会のオーキッドリストには氏が交配した数多い品種が登録されました。
咲いた花は」パステル画や油絵で描かれ、細かな観察記録も残されています。
水戸市植物公園では平成13年度から栽培管理を引き継ぎ、観梅期を含めた開花期に公開をしています。
マユミ Mayumi(Denehurst x F.C.Puddle)
1968年登録。「マユミ」という名前は阿武隈山系から
続く常陸五山の一つ「真弓山」が由来と思われる
咲き進むと全体的に白くなる

マユミ‘カンスイ’ Mayumi 'Kansui'(Denehurst x F.C.Puddle)
マユミの兄弟。個体名を、真弓山で採れる白い
石で有名な寒水石に由来して付けたと思われる

1968年登録。「マユミ」という名前は阿武隈山系から
続く常陸五山の一つ「真弓山」が由来と思われる
咲き進むと全体的に白くなる

マユミ‘カンスイ’ Mayumi 'Kansui'(Denehurst x F.C.Puddle)
マユミの兄弟。個体名を、真弓山で採れる白い
石で有名な寒水石に由来して付けたと思われる

会場には、新春の企画にふさわしく、ランをあしらったフラワーディスプレイが飾られていました、その素晴らしさに感動すら覚えました。
ユキチドリ Yukichidori
(Kashima x F>C>Puddle) 1991年登録

ボタンユキ Botan Yuki
(Borburn x F.C.Puddle) 1971年登録

カスミ Kasumi
(April x F.C.Puddle) 1991年登録



エフ シー パッドル F.C.Puddle
(Acteaus x Astarte)
白花系の古典名花。圀斉氏も交配親として栽培していた

(Kashima x F>C>Puddle) 1991年登録

ボタンユキ Botan Yuki
(Borburn x F.C.Puddle) 1971年登録

カスミ Kasumi
(April x F.C.Puddle) 1991年登録



エフ シー パッドル F.C.Puddle
(Acteaus x Astarte)
白花系の古典名花。圀斉氏も交配親として栽培していた

1月20日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
river
夕焼け
綺麗ですね・・
欄を見るだけで、春が来たようです。
ラン、欄、ラン~
乙女ヶ丘
帯等和装の小物をあしらった
ディスプレイが斬新ですね
信徳
先代の黄門様も喜んだ事でしょう。水戸では偕楽園と西山荘しか行った事が有りません。
寿々木
nobara
和風なインテリアや錦紗の帯などもあしらってあるのですね。これは蘭ならずともそちらも楽しめますね。
蘭の名前も、水戸徳川家に縁があるのですね。
まだそれらを脈々と引き継いでらして凄いです。
無門
さすが徳川家の蘭
気品のある白ですね
正に白い宝石
eko
水戸徳川家の蘭さすがに気品がありますね。
帯などの和装品と飾られていて華やかで落ち着いた雰囲気が素敵です。
shuuter
そこまでやると面白いでしょうね。
長さん
圀斉氏はラン科協会という愛好会を設立し、その後、水戸植物公園の洋ラン教室と一緒になり、「水戸市植物公園蘭科協会」が誕生、初代会長になりました。白いパフィオ作りはそれ以前からの課題として取り組んでいたそうです。
長さん
寒い帯広ではランを育てている人は少ないでしょうね。
私は全ての花の中でランが一番好きなので、蘭展は楽しいです。
長さん
正月の最初のイベントですから、植物園側も気合いを入れてそれにふさわしいディスプレイを発注したのでしょうね。
長さん
圀斉氏は限りなく白いパフィオ作りを課題にしていたようです。
西山荘は黄門さんが引退してから住んだところですね。行ったことはないのですが、紅葉の頃が良いとか。
長さん
純白のパフィオは蘭展でも少ないです。圀斉氏は人のできないことに取り組んだのでしょう。
新春の企画らしい飾り付けで良い雰囲気でした。
長さん
この徳川家の蘭展は20数年続いているようです。新春企画らしい和の雰囲気たっぷりのディスプレイの中で、パフィオもかすみそうな雰囲気でした。
水戸徳川家の当主として、水戸藩にちなんだ名前を付けたのですね。
長さん
この企画を知るまで、圀斉氏がランの育成家とは知りませんでしたよ。お殿様としては良い趣味ですよね。
長さん
白いパフィオ、少ないですよね。圀斉氏は希少なパフィオ作りを目指したのでしょう。高貴な色でお殿様に似合います。
このディスプレイはフラワーディスプレイの先生クラスの方が手がけたのではないかと想像しています。
長さん
パフィオの原種や交配種を求めて、ご自身で交配に取り組まれたようです。お殿様ですから、時間はたっぷりあったのでしょう。
mori-sanpo
限りなく白い花を目指した「マユミ」は高雅な雰囲気を感じます。
月奏曲
自分で何言ってるかワカンネw
ニュアンスはつたわってるんじゃないかとwww
長さん
お殿様の趣味としては優雅ですよね。白花を目指したというのは、他の人があまりやらない分野だからと言う可能性もありますね。
長さん
正月の企画だからこそのディスプレイだと思います。素晴らしいですが、和の雰囲気が強すぎて、パフィオペディラムの名花や洋ランが埋没しかねません。
なおさん
和を意識した飾りつけもまたお正月らしい雰囲気ですね。
イッシー
和のテイストたっぷりですばらしいです。
名家のご当主ってどんな生活なんだろう。。
すーちん
真っ白な蘭そういえば
余り目にしたこと無いですねー
長さん
この植物園は水戸徳川家の薬草園を引き継いだことで知られていますが、圀斉氏のパフィオペディラムも引き継いでいたのは初めて知りました。
新年のディスプレイが華やかですね。
長さん
真っ白なパフィオペディラムもなかなか良いものですね。ディスプレイの方がちょっと華やかすぎた嫌いはありますが・・・。
将軍家の末裔とはいえ、昭和まで生きた方ですから、生活ぶりは一般の人と変わらなかったのではないでしょうか。
長さん
高貴な家に生まれた方は、高貴な雰囲気の白いパフィオに魅せられたのかもね。
ジュン
限りなく白いお花
白は高貴な雰囲気で素晴らしく
新年のディスプレイも素晴らしいです
ロシアンブルー
徳川家のラン展、14代当主のお好きな色は白いラン、白にもいろいろあって魅力的ですね。
和のデイスプレイとのランも新春に合わせて華やかですね。
長さん
水戸徳川家のお殿様がランの交配にに取り組んでいたなんて以外なんですが、白いパフィオの作出が目標だったとは素敵ですね。ディスプレイも豪華で、新年にふさわしいイベントでした。
長さん
白い色のパフィオペディラム作出はあまり盛んでないような分野ですから、そこに目を付けた圀斉氏は余程ランに造詣が深かったのでしょうね。ディスプレイが凄すぎて、ランが負けそう。