AOJS秋の洋らん展2017にて(9) & 日本人のお名前(7)

 11月9日~12日に開催された、AOJS(全日本蘭協会)晴海トリトン秋の洋らん展2017で見たランの中から、ちょっと気になったランを紹介しています。今回は小さなランを集めてみました。

花径約0.7cmという、とても小さいランです
Ornithophora radicans
オルニトフォーラ ラディカンス
秋山恒雄氏
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ブラジル原生の着生種で1属1種。
10cm程度の花茎に、10程度の花を付ける。芳香あり。主に秋咲き


茶色の台に座って万歳している妖精?
Epi.porpax 'Mio'
エピデンドラム ポーパックス ‘ミオ’
糠本央子氏
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メキシコから南アメリカ北部原産の小型着生種。花径は2cm位
開花期は秋から冬。ユーモラスな花姿は童話のムーミンみたい


長さ3cm位のピンクの花が房咲きする
Isochilus linearis
イソキラス リネアリス
大月いち氏
画像
熱帯アメリカ(メキシコ~アルゼンチン)原産
低地では地生し、高地では着生する

 11月9日撮影。
 (つづく)


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日本人のお名前(7)
 岩ヶ谷、古生、𡈽肥、権平、日名地

 ウォーキング中に出会った珍しい名字について記録しています。ご興味がなければ、スルーしてください。

 名字について検索していたら、「絶滅寸前 日本に現在5世帯以下しかいない珍しい名字(苗字)20選」というHPを見つけました。()内の数字は2014年現在の世帯数だそうです。
 その20とは、雲母(5)、回り道(3)、凸守(1)、榮倉(1)、蓼丸(1)、小浮気(4)、東京(1)、辺銀(1)、蟋蟀(1)、猫屋敷(5)、鰻(2)、勘解由小路(1)、七五三田(2)、御薬袋(5)、秀吉(5)、獅子王(2)、降魔(3)、邪答院(1)、野ざらし(1)、奉日本(1)だそうです。あなたはいくつお読みになれますか?
 正解はこちら。こんな珍しい名字のの中に、2人の人気女優、浦和レッズの選手、漫才師の姓(旧姓を含む)が含まれています。

画像 岩ヶ谷さんです。由来は不明ですが、岩が多い谷の近くに住んでいた方かもしれません。
「名字由来net」:【読み】いわがや、【全国順位】15,821位、【全国人数】およそ340人。現静岡県である駿河起源とも言われるが、はっきりとした出自は不明。近年、静岡県に多く特に焼津市下江留に集中してみられる。「谷」は谷の地形を表す。「岩」は岩、硬い地盤を表す。
「日本姓氏語源辞典」:収録なし。

画像 古生さんです。長生きが褒められ、藩主から賜った名字らしいです。
「名字由来net」:【読み】ふるしょう、こしょう、【全国順位】45,846位、【全国人数】およそ50人。同名字は、福島県、埼玉県、千葉県などにみられる。
「日本姓氏語源辞典」:【人口】約40人、【順位】ランク外。広島県、埼玉県・福島県。コイケも含む分布。創賜。福島県河沼郡柳津町軽井沢御屋敷では江戸時代に松本氏が「古い生まれ」という意味で藩主から賜ったと伝える。推定では福島県会津若松市追手町が藩庁の会津藩主。発音はコショウ。

画像 𡈽肥さんです。土に点が付いています。2つの資料とも収録なしで、超レア名字です。ご先祖が、故意か間違いか、土に点を付けてしまったのではないでしょうか。
「名字由来net」:【読み】どい、【全国順位】調査中 、【全国人数】調査中。点が付かない土肥だったら、【読み】どい、とひ、どひ、とい、つちごえ、つちひ、つちこえ、つちこい、【全国順位】1,042位、【全国人数】およそ17,400人。現神奈川県である相模国足柄郡土肥郷が起源(ルーツ)である、桓武天皇の子孫で平の姓を賜った家系である平氏(桓武平氏)千葉氏流、現富山県である越中に同族、子孫は徳川家に仕える幕臣。との記載あり。
「日本姓氏語源辞典」:𡈽肥では収録なし。土肥の場合は、【人口】約17,800人、【順位】1,001位。富山県、兵庫県、広島県。神奈川県足柄下郡湯河原町土肥発祥。奈良時代から記録のある地名。熊本県八代市の五家荘では平家であることを隠すため源氏方の土肥姓を名乗ったと伝える。平タイラ参照。※静岡県伊豆市土肥(トイ)は江戸時代から記録のある地名。地名は戦国時代には神奈川県足柄下郡湯河原町土肥と区別して「西土肥」と呼称した。※兵庫県朝来市佐嚢土肥(トイ)に分布あり。江戸時代から記録のある地名。との記載あり。

画像 権平さんです。由来はよく分かりません。
「名字由来net」:【読み】ごんだいら、ごんたいら、ごんぺい、ごんべい、【全国順位】10,271位、【全国人数】およそ700人。現新潟県である越後起源とも言われる。近年、五泉市など新潟県に多数みられる。「平」は平らな地形を表す。
「日本姓氏語源辞典」:【人口】約700人、【順位】9,979位。新潟県五泉市、新潟県新潟市。新潟県五泉市に江戸時代にあった。同地では藤原氏の後裔と伝える。新潟県五泉市三本木が本拠。

画像 日名地さんです。地名から変化したようです。
「名字由来net」:【読み】ひなち、【全国順位】29,529位、【全国人数】およそ110人。現三重県北西部である伊賀国名張郡比奈知村起源とも言われる。近年、静岡県遠州地域に多数みられる。
「日本姓氏語源辞典」:【読み】ひなち、ひなじ、【人口】約130人、【順位】26,863位。静岡県浜松市、愛知県。三重県名張市上比奈知(ヒナチ)・下比奈知は平安時代から記録のある地名。

(つづく)

出典など:
「名字由来net」(こちら) 日本人の名字(苗字)99%を掲載する。
「日本姓氏語源辞典」(こちら) 日本最大級の姓氏辞典サイト。110,027個の姓氏を解説。


この記事へのコメント

  • river

    世界らん展日本大賞2016でポルシエラ属モーディー、株丈は数センチ、花は2~3mmが世界最小のランとして紹介されていました。花の大きさではオルニトフォーラ ラディカンスはもっと小さいのですね。
    2017年11月28日 16:08
  • nobara

    エピデンドラム ポーパックス ‘ミオ’って
    幼子がマント着てテープを切ってる感じ?
    どの子も同じ格好で面白かわいいですね。
    オルニトフォーラ ラディカンスも
    ちっちゃくてかわいらしいです。
    アスパラの花のようにも見えました。
    各地の名前って源平の名残みたいなのがありますね。
    奥能登に平家を隠すために名前を名字にした旧家がありました。皆、子孫代々に残す為のご苦労があったようですね。
    2017年11月28日 17:02
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    昨年の世界らん展日本大賞2016には巨大なランと極小のランが特別会場に展示されていましたね。私が行ったときは長蛇の列で、入場をあきらめました。その中に、世界最小のポルシエラ・モーディーが展示されていたのですね。今回紹介した、オルニトフォーラ・ラディカンスは花径7mmですから、ポルシエラ・モーディーの2~3mmよりは大きいです。
    2017年11月28日 17:02
  • 無門

    こんにちは

    岩ケ谷もレアなんですね
    さすがに焼津では
    メジャーな姓ですよ
    2017年11月28日 17:30
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    エピデンドラム・ポーパックスが「幼子がマント着てテープを切っている」…うまい表現ですね。
    オルニトフォーラ・ラディカンスは小さいのに一人前?のランの姿をしていますね。
    奥能登の時国家ですね。先祖である平時国の名前の「時国」を名字にしたそうです。こうした例は全国にあるそうで、比較的山陽地方に多くみられるそうです。
    2017年11月28日 17:45
  • 寿々木

    珍しい蘭ですね。なるほど蘭が万歳ですか、面白い。
    2017年11月28日 17:48
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    やはり焼津には岩ヶ谷さんが多いのですね。資料には、全国でおよそ340人と書かれていましたが、その殆どが焼津にお住まいなのかもね。
    2017年11月28日 17:49
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    ラン展に行く度にこうした珍しいランに出会います。それがラン展の楽しみの一つなんです。
    2017年11月28日 18:20
  • 信徳

    名字のルーツを辿って行くと自分の祖先が分かるのでしょうね。
    その昔を辿れば殆どの人が同じところからスタートしているんでしょう。
    2017年11月28日 19:17
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    名字は勝手につけたもの、途中で変えられたもの、などなど、たくさんあるようですから、どこまでルーツがたどれるか、分からない部分があるのではないでしょうか。
    2017年11月28日 19:26
  • mori-sanpo

    エピデンドラム ポーパックス ‘ミオ’、本当にユーモラスな花姿をしていますね。
    空中から地上に降りてきている妖精にも見えます。
    2017年11月28日 21:20
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。
    エピデンドラム・ポーパックス、可愛いランですよね。マントをなびかせ、手を上に向けて空へと飛んでいくようにも見えますよね。
    2017年11月28日 21:46
  • 月奏曲

    すみません、うっかり『宇宙怪獣バイラスみたい』と思っちゃって吹きだしましたw
    2017年11月28日 22:02
  • なおさん

    ランは大輪のものから極小輪のものまで、華やかなものから渋いものまでさまざまで、どんなマニアの嗜好にも叶うものがある、というのがハマる所以でしょうね。

     NHKの朝の連続TV小説の「ひよっこ」で「青天目」という難読姓が出てきましたが、珍しい名はさがすといろいろあるのですねえ。
    2017年11月28日 22:05
  • shuuter

    一度洋ランの現地でさう姿を見て見たいものです。
    暑い国で仕事していたことがあります。
    その頃が花に特別なかんしんがなかったです。
    熱帯のジャングルで咲く姿を見て見たいものです。
    無理なようですね。
    2017年11月28日 22:18
  • ロシアンブルー

    今晩は。
    ランの花の形も中々おもしろいですね。
    散歩中に出会う名字、結構珍しい名字が多いですね。
    古生って初めてみた名字です。
    2017年11月28日 22:43
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    宇宙怪獣バイラスを調べたら烏賊の化け物みたいなやつですよね、ランが可愛そう(笑)。
    2017年11月28日 22:57
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    バラエティ豊かな色、形、大きさ、他の科の植物とは比べものになりません。私もこれが嵌まった理由です。
    NHKひよっこで東北から出てきた娘の名字が青天目(なまたべ)でしたね。生田目と同様ともいわれ、近年、福島県いわき市に多数みられる名字だそうです。
    2017年11月28日 23:04
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    ランが原生する様子を見に行くのは大変ですが、シンガポール国立蘭園を見学するツアーに参加されたらいかがですか。
    2017年11月28日 23:07
  • 長さん

    ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
    ランの花はバラエティに富んでいて、年に何度もラン展を見に行っても飽きが来ません。
    ロシアンブルーさんのご近所にも、探せば珍しい名字が見つかるかもしれませんよ。
    2017年11月28日 23:09
  • イッシー

    変幻自在ですねー。環境に対する適応力が忍者並です。
    土に点をつけても通用するんだー。そういえばうちの親父わざと一角違えて自分の名前書いてたなー。
    2017年11月29日 07:38
  • すーちん

    お早うございます
    現地で着生してる姿
    見たくなりますね
    高尾山の大木にランが
    着生してますが
    2017年11月29日 07:52
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    ランは一番最後に植物界に出てきたので、住みやすい環境は殆ど残っておらず、劣悪な環境に適応せざるを得なかったのです。それが多様な進化をもたらすことになったのです。
    土に点、最初は誤字だったのでしょうが、名字にも使われているので、パソコンでも出てきます。
    2017年11月29日 09:06
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    高尾山にはセッコクが木に着生していますね。
    今も未踏のジャングルの中などで、未知のランがひっそりと着生して咲いているかもしれません。
    2017年11月29日 09:09
  • ジュン

    オルニトフォーラ ラディカンスは
    1番小さい蘭なんですね
    お散歩しながらキョロキョロ
    探していますがシンプルな姓が
    多く珍しのがありません
    お散歩も楽しくなります
    2017年11月29日 10:23
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    オルニトフォーラ・ラディカンスの花径は7mmくらいですが、長さもあります。もっと小さなランは、見るのにルーペが必要なくらいのものがありますよ。
    昔からお住まいの方が多いような地域には珍しい名字が少ないようです。
    2017年11月29日 11:24
  • 降魔成道

    エピデンドラム ポーパックス ‘ミオ’ですか。
    本当に\(^^)/している妖精さんに見えますね。
    2017年11月29日 21:12
  • 長さん

    降魔成道さん、コメントありがとうございます。
    ランの中にはエピデンドラム ポーパックスのように、妖精を思わせるものがあります。こんな可愛いものに出会えるのもラン展の楽しみの一つです。
    2017年11月29日 22:56

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