AOJS秋の洋らん展2017にて(7) & 日本人のお名前(4)

 11月9日~12日に開催された、AOJS(全日本蘭協会)晴海トリトン秋の洋らん展2017で見たランの中から、ちょっと気になったランを紹介しています。

色が付いているのは唇弁だけで、その形も珍しい
C. dormaniana
カトレヤ ドーマニアナ
笠小富江氏
画像
ブラジル原産。背萼片や側花弁が緑なので、カトレヤらしからぬラン


花はスリムでも甘い香りがする
Eria javanica 'Pinky’
エリア ジャワニカ
櫻井 一氏
画像
東南アジアなどに広く分布し、マングローブに着生する


大きな葉に隠れて咲いています
Max. sanderiana
マキシラリア サンデリアナ
菊池秀樹氏
画像
中南米熱帯の山地(ペルー、エクアドル)に自生する着生ラン

 11月9日撮影。
 (つづく)


~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~


日本人のお名前(4)
 海老坂、栢森、立古、髙宇知、神酒

 ウォーキング中に出会った珍しい名字について記録しています。ご興味がなければ、スルーしてください。

 私の母方の姓は浅利(あさり)です。母からは源氏ゆかりの姓だと聞いたことがあります。
 「名字由来net」では、【読み】 あさり、あさとし、あさと、【全国順位】 1,647位、【全国人数】 およそ9,700人。現山梨県である甲斐国八代郡浅利が起源である、清和天皇の子孫で源姓を賜った氏(清和源氏)武田氏流、現山形県、秋田県である出羽に同族。秋田県、青森県、北海道に多数みられる。とあります。甲斐国八代郡浅利は現山梨県中央市浅利です。
 母が生まれたのは、浅利地区から西北西に10キロあまり、現南アルプス市飯野新田になります。「日本姓氏語源辞典」によると、飯野新田に約100人おられるそうです。子供の頃、夏休みに遊んでもらった従兄弟の和男さん、お元気でしょうか。

画像 海老坂さんです。ありがちな名字かと思ったらレア名字でした。
【読み】 えびさか、えびざか、【全国順位】 30,629位、【全国人数】 およそ110人。現富山県である越中国射水郡海老坂邑発祥ともいわれるが、伝統的な名字である。近年、富山県に多数みられる。「坂」は坂の地形を表す。
 「日本姓氏語源辞典」では、約90人、順位 32,476位。富山県、東京都・千葉県。富山県高岡市東海老坂・西海老坂発祥。江戸時代から記録のある地名。

画像 栢森さんです。読み方がたくさんありました。
 「名字由来net」では、【読み】 かやもり、かしわもり、かしもり、はくもり、はくしん、【全国順位】 10,013位、【全国人数】 およそ730人。現奈良県である大和国高市郡栢森村起源とも言われる。近年、新潟県に多く特に加茂市に多数みられる。「森」は森の意味や、神社森に関連して守るという意味。
 「日本姓氏語源辞典」では、約800人、順位 9,654位。新潟県、静岡県、奈良県。地形。榧森(かやもり)の異形。奈良県高市郡明日香村栢森は戦国時代に「カエノモリ」の表記で記録のある地名。

画像 立古さんです。松戸市内に10人ほどおられるようです。
 「名字由来net」では、【読み】 りゅうこ、たちふる、たてふる、【全国順位】 24,735位、【全国人数】 およそ150人。同名字は、岡山県、千葉県、神奈川県などにみられる。
 「日本姓氏語源辞典」では、約200人、順位 23,672位。①岡山県岡山市北区御津伊田が本拠。②熊本県葦北郡芦北町ではタテフル。熊本県葦北郡芦北町立川(タチカワ)発祥。江戸時代から記録のある地名。立川の「立」を使用。

画像 髙宇知さんです。髙は高の異字で「はしごだか」のほうです。たかうちとローマ字で読みが書かれています。
 「名字由来net」には収録されておらず、高宇知でも調査中でした。
 「日本姓氏語源辞典」でも、髙宇知では収録がなく、高宇知で、ごく少数、ランク外。山口県山陽小野田市・千葉県。高内姓あり。とでてきました。高内は室町時代に既にあったとされています。
 従って、極めて珍しい名字だと言うこ、とが分かりました。想像ですが、明治8年の登録の際、高内さんが「髙宇知」で登録してしまったのかもしれません。いつか拙ブログで取り上げた綺麗なバラを栽培しているお宅です。お主人にお会いする機会があったら由来を聞いてみたいです。

画像 神酒さんです。これはどなたもお読みになれるでしょうが、名字になっているのは珍しい。
 「名字由来net」では、【読み】 みき、【全国順位】 36,064位、【全国人数】 およそ80人。熊本県にみられる。関連姓は三木氏、造酒氏など。酒造りにまつわる職業からくるともいわれる。
 「日本姓氏語源辞典」では、約80人、順位 34,139位。熊本県。職業。造酒の異形。
 と言うことで、お酒を造る家柄だったのですね。ご先祖は芋焼酎を神社に奉納していたのでしょうか。

(つづく)

出典など:
「名字由来net」(こちら) 日本人の名字(苗字)99%を掲載する。
「日本姓氏語源辞典」(こちら) 日本最大級の姓氏辞典サイト。110,027個の姓氏を解説。


この記事へのコメント

  • なおさん

    初めのは、こんなカトレヤもあるのかとびっくりですねえ。見慣れているカトレヤとはだいぶ趣が異なりますが、進化の窮みともいうランですので、さまざまなものがあるのでしょうね。そこがまた面白いです。

     自分の姓から、いろいろご先祖様の事を調べてみるというのもまた興味深いことでしょう。
    2017年11月25日 15:32
  • 無門

    こんにちは

    11万個の氏姓
    さすが3000位代では
    百人を切ってしまうのですね
    2017年11月25日 16:18
  • 信徳

    いろんな名字が有るものですね。
    ご近所ばかりではないと思いますが
    門柱の撮影、少し違和感が出ませんか?
    私は知らない家の花もカメラを向けるのを
    躊躇ってしまいます。
    別に悪い事をしている訳では有りませんが(笑)。
    2017年11月25日 16:26
  • river

    カトレヤ ドーマニアナはおよそカトレアらしからぬ色ですがよく見ればやはりカトレアですね。
    日本人の姓は29万1129種類あると言いますがお隣の韓国では約260種類しかないとか。不思議ですね。
    2017年11月25日 16:41
  • 乙女ヶ丘

    こんにちは
    お母様の旧姓が浅利姓との事、直ぐに頭に浅利慶太の名前が浮かび調べたら東京生まれとの事、でも大叔父に歌舞伎の市川家ゆかりの役者が居ました。市川家の先祖は甲斐の国、浅利慶太も先祖は甲斐の国かも…名前一つで色んなロマンが…(笑)
    2017年11月25日 17:38
  • 寿々木

    トップ画像がカトレアですか、花がつぼんだようで、とてもカトレアとは思えません。
    2017年11月25日 18:41
  • 目黒のおじいちゃん

    限られたエリアでも珍しい姓があるようですね。
    お知らせ頂いた件、明日の処理を予定しています。
    2017年11月25日 19:32
  • nobara

    カトレアとお聞きしてもピンときませんね~
    ウツボグサの仲間のような???
    エリア ジャワニカは東洋ランみたい・・
    神酒さんですか?
    これはやはりお酒がらみなんですね(笑)
    2017年11月25日 20:21
  • すーちん

    こんばんは
    毎回、使いで通る道すがら
    如何しても読めないお宅が
    有りますー^^
    2017年11月25日 20:59
  • 月奏曲

    海老坂さんは意外ですね~。

    あ、一見ありがちで意外とないっぽいの名字をば…

    『立野』さんで(たての・たちの・たつの・りゅうの)という読みはあるんですが知り合いは(りつの)さんなんだよなぁw
    2017年11月25日 21:05
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    出展カードに書いてあるカトレアは間違いかと思ったのですが。そうではなさそうです。
    母方の姓は、母が言っていたように源氏の血筋で、嘘じゃないことが分かりました。
    2017年11月25日 21:23
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    全国順位3万台くらいから人口は100人を切るようです。30万の中にはもうその人が亡くなったら耐えてしまう名字もあるそうです。
    2017年11月25日 21:26
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    表札ですから、誰にでも見られるもので、写真を撮ってはいけないということはないですが、やはり通行人がいるときは写真を撮るのに躊躇しますね。こつは撮る前後に、塀の中を覗いたりしないことです。
    2017年11月25日 21:30
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    韓国には、2000年現在、名字が286種類あるそうで、五大姓といわれる金、李、朴、崔、鄭で人口の54%に及ぶそうです。名字の数が少ない理由は、韓国の身分制度とのかかわりだとか。昔は両班という一握りの特権階級しか名字を持っておらず、名字の種類も少なかった。時代が下って、下層階級が名字を持った際、こぞって両班の名字にしたから少ないそうです。
    2017年11月25日 21:34
  • 長さん

    乙女ヶ丘さん、コメントありがとうございます。
    浅利慶太さんがいらっしゃいますね。浅利姓は秋田県、青森県、北海道にも多いそうですが、ルーツは同じとか。人数が多いですから、東京に住まいを移した人も多いのでしょうね。
    2017年11月25日 21:41
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    カトレアというと華やかな花を思い浮かべますが、これはそんなイメージが皆無で、変わり者ですね。
    2017年11月25日 21:43
  • 長さん

    目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございます。
    我が家から徒歩で往復2時間以内の場所ですが、新興住宅街ですからあちこちから人が集まってきた結果でしょうね。
    2017年11月25日 21:45
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    カトレヤ・ドーマニアナは原種なので、DNA分析などの結果でカトレアと判断されたんでしょう。エリア・ジャワニカの方は垂直に信田は菜穂に小さな花が咲いて、東洋欄的な雰囲気があります。
    神酒さん、これはお酒関係で間違いようがありませんね。
    2017年11月25日 21:51
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    お読みになれない名字がありますか。出展に示したサイトで調べてみると意外なことが分かるかもしれませんよ。
    2017年11月25日 21:52
  • イッシー

    カトレアなんですか!
    ビックリしますね。
    お名前調べ面白いですね。
    2017年11月25日 22:09
  • 長さん

    イッシーさん、コメントありがとうございます。
    カトレアらしからぬカトレア、面白いものがありますね。変わったランばかりを栽培している方もいらっしゃるとか。
    2017年11月25日 23:06
  • mori-sanpo

    洋ラン展では、いろいろな目新しいものが出展されているんですね。
     出展される人たちは毎年のように、原種や珍しいランを探しに各国に出かけていると聞いたことがあります。
    2017年11月25日 23:23
  • 長さん

    mori-Sanonoさん、コメントありがとうございます。
    蘭展に行くとほとんどと言って良いほど、初めて見る品種が展示されています。珍しい蘭を扱う業者もいますが、愛好家が国外で探してくるものもあるかもしれません。
    2017年11月26日 09:22
  • ジュン

    これもカトレアと
    驚きますね
    本当に種類が多いのですね
    名前調べると面白いですね
    我が家はシンプル
    でも調べてみようかしら
    2017年11月26日 10:22
  • 長さん

    ジュンさん、コメントありがとうございます。
    変わったカトレアがあるものですね。カトレアと書いてあっても信じられないくらいです。
    我が家の姓も全国順位10位以内に入るありふれたものです。先祖は農民ですが、調べてみると由緒正しい家系もあるようです。
    2017年11月26日 13:32
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    レスが前後になって申し訳ありません。書いたと思ったのですが、今日チェックしたら、何故か反映されていませんでした。
    立野さんが「りつの」と読ませるのですか、それは珍しいです。
    戸籍は読み方まで登録されているわけではないので、あるお宅がこう読ませたいと宣言したらそれが通る世界があるのでしょうね。離れた土地に転居した場合なんかに使えるかも。
    2017年11月26日 13:41
  • うふふ

    こんにちは!
    蘭の種類があまりに多いので毎回びっくりしています。
    エリア ジャワニカは良い香りがするのですか。
    'Pinky’という名前に目が留まりました。
    我が家に私が作った編みぐるみの猫がいるのですが、ピンキーと名付けて、毎朝「おはよう~」と声をかけているものですから…(笑)
    あまり見かけない字の名前の方がいると、読めるようになるので得をした気がしますね。
    でも、ご本人は100円ショップで印鑑を売っていないと嘆いていました。
    2017年11月26日 14:13
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    ランの種類、多いですよね。一つの科でこんなに種類の多いのは他にありません。私がランにはまった理由の一つがこの種類の多さなんです。縫いぐるみの猫がピンキーちゃんですか。可愛いでしょうね。
    100円ショップの判子は多くても1,000種類くらいだそうですよ。
    2017年11月26日 14:33
  • 降魔成道

    確かによく見るカトレアとは随分と雰囲気が異なりますね。
    面白いものです。
    2017年11月26日 15:51
  • 長さん

    降魔成道さん、コメントありがとうございます。
    カトレアとは思えないカトレアが存在するんですね。これもランの世界が奥深いことの表れでしょう。
    2017年11月26日 16:40

この記事へのトラックバック