12月10日から18日まで開催されていた「つくば蘭展」の第2会場で見た、「筑波実験植物園の世界の野生ランコレクション」の中から紹介しています。
写真の下に記載したコラムは、つくば植物園による「見どころや育て方」の紹介文です。
ブルボフィルム バービゲルム
Bulbophyllum barbigerumu
熱帯アフリカ原産の着生ラン
空気の動きを感じて、細い毛がついた花弁が動きます
写真では動くかどうか分らないので、動画を撮りました
三脚禁止なので、カメラが動いていますが、ラン自体も揺れています
花があまり震えないので、手で煽ったり、息を吹きかけたりしてみました
拡大してみる場合、または、ご覧になれない場合は → こちらへ
Bulbophyllum barbigerumu
熱帯アフリカ原産の着生ラン
空気の動きを感じて、細い毛がついた花弁が動きます
写真では動くかどうか分らないので、動画を撮りました
三脚禁止なので、カメラが動いていますが、ラン自体も揺れています
花があまり震えないので、手で煽ったり、息を吹きかけたりしてみました
拡大してみる場合、または、ご覧になれない場合は → こちらへ
じっと眺めて下さい。花が震えます。植物なのに動いている?実は空気のわずかな流れを使って、何かを誘うように毛が震えます。さらに空気が大きく動くと、毛の付いた花弁全体が大きく動きます。
花弁の咲きのふわふわの毛と、花弁の付け根の蝶番の構造と、2つの形の進化で、不思議な動きを実現しているのです。
では、何のために動いているのでしょう?動くものに近づく性質のあるハエの仲間を誘い、花粉を運んでもらうためなのです。
アデノンコス バルヴィフロラ
Adenoncos parviflora
マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島(1300~3000m)に
原生する着生ラン。花径は7、8mm
バニラに似た強い香りを放つ。バンダの仲間と思われていたが・・・
Adenoncos parviflora
マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島(1300~3000m)に
原生する着生ラン。花径は7、8mm
バニラに似た強い香りを放つ。バンダの仲間と思われていたが・・・
花が咲いていることに気づかれたでしょうか。当園でDNAを使って進化の道筋を調べたところ、ムカデランやイリオモテランに縁が近いことが分っています。なるほど、ルーペで眺めるとちょっと似た雰囲気があります。顔を近づけるとどうでしょう。強烈な香りを感じませんか。この小さな花のどこに、こんなパワーがあるのか不思議です。
バンダ オーランティアカ
Vanda aurantiaca
フィリピン~スラウェシ島の高度1200m付近に分布する着生ラン
バンダ属というと網目模様の花弁を想像しますが・・・
ステノグロッティス ロンギフォリア
Stenoglottis longifolia
アフリカ原産の着生種で、‘群千鳥’は園芸用に交配されたもの
新宿御苑洋らん展で新宿御苑会長賞を獲得したランと同種
今回はトリミングして (唇弁の長さは15mmほど)
レナンテラ アングスティフォリア
Renanthera angustifolia
マレー半島、スマトラ島、ジャワ島に原生する着生ラン
長い花茎を伸ばす。 花径は6cm程度。唇弁はとても小さい
Vanda aurantiaca
フィリピン~スラウェシ島の高度1200m付近に分布する着生ラン
バンダ属というと網目模様の花弁を想像しますが・・・
ステノグロッティス ロンギフォリア
Stenoglottis longifolia
アフリカ原産の着生種で、‘群千鳥’は園芸用に交配されたもの
新宿御苑洋らん展で新宿御苑会長賞を獲得したランと同種
今回はトリミングして (唇弁の長さは15mmほど)
レナンテラ アングスティフォリア
Renanthera angustifolia
マレー半島、スマトラ島、ジャワ島に原生する着生ラン
長い花茎を伸ばす。 花径は6cm程度。唇弁はとても小さい
早くも、ロウバイ (蝋梅) や レンギョウ (連翹) が咲き出していました。
12月12日、16日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
イッシー
微妙に動いたりするんですね。
そんな花も有ったのかと改めて感動しますね。
バニラの匂いもいいなー。
ランは奥が深いですねー。
月奏曲
ステノグロッティス ロンギフォリアが派手で今回一番よかったです。
なおさん
ムカデランはずいぶん前に一度育てたことがありますが、すぐにダメになってしまいました。
ソシンロウバイはうちでも蕾が膨らみ、咲き始めてきました。
shuuter
蝋梅とレンギョウ 咲いているのですね、早いです。
長さん
不思議な進化を遂げたランがあるんですよ。毛のような花弁が風で揺れるのは分るんですが、花の付け根が蝶番のように首を振るとは想像の範囲を超えていますよね。
長さん
花弁に毛が生えたランは多いのですが、風で揺れるのは珍しいです。
ステノグロッティス ロンギフォリア、シソ科の花みたいでしょう?
eko
アデノンコス・バルヴィラフロラは小さな花なのにバニラの香りがするんですね。ランはユニークな花が多いですね。
バンダ・オーランティアカが綺麗ですね。
ロウバイこちらではまだ蕾です。
長さん
風に揺れるランなんかは進化の究極ですね。しかも、花弁の付け根がカクンと折れ曲がり、元に戻るなんて、不思議な構造ですよね。
ムカデラン、葉がムカデみたいに生えていますが、花は可愛いですよね。育てるのが難しいですか。
長さん
ロウバイを育てていらっしゃいますか。日当たりが良い場所に植えてあると開花が早いようです。
長さん
花の付け根がカクンと動く様子がご覧頂けましたか。短時間の動画で動いてもらうため、息を吹きかけましたが、お聞き苦しくて申し訳ありません。
アデノンコスの香りは10日ほど続くようです。2回目に行った時は殆ど匂いませんでした。
ロウバイはまだつぼみですか。伊吹おろしが冷たいのですね。
river
ロウバイはこちらでも花が開きだしました。
無門
動く蘭
これはもう動物ですね
mori-sanpo
もう、ソシンロウバイやレンギョウが咲き始めましたか。早いですね。
長さん
葉や花が就眠運動をする植物はありますが、わずかな風に反応する植物は極めて珍しいですね。
ロウバイが咲き始めましたか。緯度が低い関西ではまだだそうです。
長さん
ネムノキなどは葉に触れると動きますが、わずかな風でも動く花は不思議です。動物との差は僅かですね。
長さん
ある種のハエが花粉を媒介するそうですが、匂いでハエをおびき寄せるものが殆どです。風でも揺れておびき寄せるなんて、高等な進化ですよね。
ソシンロウバイやレンギョウ、寒い所の方が早く咲くんですかねー。
すーちん
ランも色々と知恵を絞って
生き抜いてるんですね~
感心しましたー
寿々木
ソシンロウバイもう開花しましたか、当方庭では例年より遅れていて、まだ1輪も開花してません。
nobara
ときどきピキーンと動くのは息がかかった時?
軽く眩暈を覚えました((((^Q^)/
ソシンロウバイ、早いですね。
どこぞやで梅の開花を放送していましたね。
な~んか、気ぜわしいですね。
長さん
花を震わせてハエを誘うなんて、高度な進化を遂げたランなのですね。
長さん
毛のようなものが風で震えるのは理解出来るとして、花弁の付け根がカクンと折れ曲がるのにはビックリです。
ロウバイがまだ咲きませんか。ロウバイが開花する条件は温度なのか日照時間なのか、調べてみたいと思います。
長さん
毛の部分はわずかな空気の揺らぎで動きますが、花弁の付け根がカクンと曲がる状態になるのは風が強い場合です。ですから、息を吹きかけてみました。
ソシンロウバイは埼玉県や群馬県でも咲き出したそうです。気温が低い方が早く開花するのかもね。
K.たじまん
寒いこの時期でも野生の蘭は屋外でも咲いているんですね!
逞しいもので感心しました。
はるる
ロウバイは咲き始めていますね。昭和記念公園でも咲いているようですが、先日はそこの場所まで行きませんでしたから撮れなかったのです。レンギョウもですか。花はいつ咲いても大歓迎です。
長さん
花弁の付け根がカクンと折れ曲がるのにはビックリされたでしょうね。
屋外で咲かせることが出来るランもありますが、写真で分ると思いますが、ランの展示は基本的に温室または屋内です。
長さん
野生ランはたくましくなければ生き残れないので、必死に進化してきたのでしょうね。
昭和記念公園でもロウバイが咲き出しましたか。我が家のあたりはレンギョウもまだです。