膵腫瘍摘出/入院の記(その6) エコノミー症候群対策

 手術後は、数日寝たきりになるので、静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症を併せた症状)の発生が危惧されます。この症状は、窮屈な飛行機の座席で動かないでいる時に起こるエコノミー症候群と同じ病気です。
 手術や長い間寝たきりの状態の時に両足の血の流れがゆっくりとなり、血の固まり、(血栓)が足の静脈にできやすくなります。
 歩行開始などにより血流が回復すると、血栓が飛び、肺の血管に詰まる病気(肺栓塞症)が発生します。多くの血栓が詰まると肺の機能が損なわれ、呼吸困難や胸の痛みが起こり、時には、心臓が止まってしまう場合があります。

 静脈血栓塞栓症対策のため、弾性ストッキング(写真)を履いて、手術室に入室しました。この費用は健康保険で負担されます。
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 手術後、病室に返されて意識が戻ると、両脚が間欠的に圧迫されているのに気づきました。
 写真は、布団をめくって、脚部を家族に撮ってもらったものですが、弾性ストッキングを包み込むように、空気式圧迫装置が付けられていたのです。
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 この弾性ストッキング、指の付け根に穴が開いています。何のためか考えたのですが、足の爪を切るのに便利なためではないかと思いました。
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 これはアルジョハントレー社のフロートロン・エクセルという装置で、左右、およそ1分の間隔で40mmHgの圧力をかけ続け、静脈血栓塞栓症の発生を予防します。
 私の場合は、術後2日目、リハビリのため強制的に歩かされるまで、2昼夜にわたって装着されました。

 見舞いに来てくれた孫たち。退院日が決まったので、元気が出てきました。
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 退院前日、病室から見た夕焼けが綺麗でした。
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 (つづく)

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