バニラ、カカオ、ヒメアリアケカズラ、ライティアなど

つくば植物園にて(15)
 5月11日に行ったつくば植物園です。今回から温室の中で見た花を数回にわたって紹介します。
 今回は全て、熱帯資源植物温室で撮影したものです。

 バニラという植物をご存じでしょうか。バニラの実鞘から抽出した香料がアイスクリームやお菓子などに使われていますね。バニラがラン科と言うことは以外に知られていません。
 年に何度か、ここに通っているのですが、今回初めてバニラ花を見ました。

バニラ・プラニフォリア
ラン科バニラ属の蔓性植物
原産はメキシコ、中央アメリカといわれている
画像
残念ながら、開花途中でした(14:33)。 一日花です
画像
植物園の説明板            バニラの実(2015.1.25撮影)
画像画像


 カカオもチョコレートやココアの原料とし有名です。この植物は幹生花といって、一度に100以上もの花を太い幹に直接つけますが、結実するのは1~数個程度です。
テオブロマ・カカオ
アオギリ科テオブロマ属の小低木。原産は中南米
「テオブロマ」はギリシャ語で「神様の食べ物」という意味
画像
画像



ヒメアリアケカズラ (姫有明葛)
キョウチクトウ科アリアケカズラ属の常緑小低木。原産はブラジル
画像
花径は3~5cm  (アリアケカズラはつる性植物で花径5cm以上)
画像


ライティアの一種
キョウチクトウ科ライティア属の常緑低木
花の様子から、スリランカ原産のライティア・ゼイラニカではないか
ライティア・ゼイラニカは「セイロンランティア」として流通している
画像
画像


ヒメハアザミ (姫葉薊、アカンサス・モンタヌス)
キツネノマゴ科ハアザミ属の多年草
原産は熱帯アフリカの西部。草丈は2mにも及ぶ
画像画像
公園などで見かけるアカンサス・モリスは耐寒性がある


ウラベニショウ
クズウコン科ストロマンテ属の常緑多年草。原産はブラジル
画像画像


クロッサンドラ
キツネノマゴ科ヘリトリオシベ属の常緑小低木
原産はインド、スリランカ。花には個体異変が多い
別名:ヘリトリオシベ、ジョウゴバナ、キツネノヒガサ
画像画像

 5月11日、熱帯資源植物温室で撮影。
 次回も、温室で見た花です。
 (つづく)



~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

アロハリリー

 先日、花屋さんの店頭で、パイナップルリリーを小型にしたような植物を見ました。
 名札には「アロハリリー」と記されていました。

画像

 早速、「アロハリリー」で検索したところ、やはりユーコミス(パイナップルリリー)を矮性化した園芸種と分りました。
 サカタのタネのHPには、「南アフリカ原産のユーコミスで、アメリカ ゴールデンステートバルブ社で育種された、わい性の品種です」と表示されていました。
 赤い色の花が咲く品種は「レイア」、ピンクの花は「ナニ」(以上、写真のもの)で、白い花が咲く「マウイ」もあるとのこと。昨年あたりから流通しているようです。


この記事へのコメント

  • しおん

    こんにちは!
    熱帯の花は珍しく 知らない花ばかりです。
    ヒメハアザミはアカンサスにそっくり!と思ったら そうなんですね。 今 近所でもスーッと伸びた茎に沢山の花を付けています。
    2016年05月31日 14:39
  • 長さん

    しおんさん、コメントありがとうございます。
    公園などで見かけるのは、ヒメアザミ(アカンサス・モンタヌス)の仲間でアカンサス・モリスという品種です。アカンサス・モンタヌスに比べ、耐寒性があるので、日本でも越冬ができるんですって。
    2016年05月31日 19:24
  • river

    バニラはラン科植物であることは知っています。ただあの香りを得るのは容易ではないようです。生では香りがなく発酵と乾燥を繰り返さないと得られないようです。天然物は大変高価なので今は人工のバニラも化学的に作り出されていますね。
     クロッサンドラは市販されていますので私も栽培していましたが昨年寒さに当ててしまい枯れてしまいました。
    2016年05月31日 19:30
  • なおさん 

    バニラアイスでも、ホンモノのバニラを使っているのはそうそうないようですねえ。ホンモノは黒い細かい粒があるのでわかるようですね。

     カカオは以前の新宿御苑の温室でもおなじみでしたが、今の温室であるかどうかは確認していません。幹生花は熱帯の木ですとしばしばあるようですね。

     温室の花はなじみがあまりないものもあり、見ていても面白いものが多いですよね。
    2016年05月31日 20:28
  • みっきい

    バニラがラン科とは知りませんでした。
    バニラのタネのさやを知ってますので、マメ科?ってありましたっけ?豆の仲間かと思っていました。
    1日花ですか?花はランの花ですね!
    バニラの香り好きです。
    「アロハリリー」はパイナップルリリーを矮性化した園芸種だそうですが、珍しい花も流通するようになるんですね。
    残念、新しい花にはついていけません…。
    2016年05月31日 20:35
  • shuuter

    アイスクリームはバニラに決めています。
    花はいい香りするのでしょうね。
    私下戸です、バニラアイスが食べたくなりました。
    2016年05月31日 20:36
  • すーちん

    今晩は
    バニラ、葉っぱなど
    よく見るとラン科の様な
    気もしますね
    2016年05月31日 20:39
  • nobara

    やっぱり@@
    ヒメハアザミなるものも出現しましたか?
    矮性種は狭い?日本に大流行?
    バニラって。実の殻も良い匂いが持続しますね~
    莢を見る限り?マメ科?かと思ってました。
    ユーコミスの矮性種もあるのですね@@
    2016年05月31日 20:55
  • eko

    香料に使うバニラは知っていますが、花は初めて見ました。ラン科なんですか。マメ科と思っていました。
    ココアは結実するのが100個の数個なんですか。出来た実は貴重ですね。
    パイナップルリリーの矮性種があるのですね。今は矮性種の方が好まれるのでしょうね。
    2016年05月31日 21:08
  • うふふ

    こんばんは!
    バニラの花、お初です。
    家でケーキを焼く時はバニラエッセンスを使っていますので、なんとなく心配になってきました。
    今は技術が進んで、なんでも本物らしく作れますものね。
    2016年05月31日 21:37
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    天然バニラから抽出された香料は高いので、化学合成されたものと区別するためにバニラ・エキストラクトと呼ばれているそうです。Wikipediaによるとバニラビーンズの産出量は2008年で980万トンですからまだまだ需要があるということですね。
    クロサンドラは我が家の近所でも見かけますが、皆鉢植えですから、花屋さんで買ってきたものでしょう。
    2016年05月31日 21:41
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    本物のバニラビーンズから作られた香料を使ったものは高価ですから、私たちの口には入りませんね。
    新宿御苑の新しい温室にカカオの木が植えられているそうですよ。
    幹生花はパパイヤやドリアンなどもそうですね。
    2016年05月31日 21:50
  • 長さん

    みっきいさん、コメントありがとうございます。
    バニラの実は細長いですから、ラン科の中では特異な存在です、マメ科と思われてしまうのは当然でしょうね。花が咲くと、いかにもラン科らしいリップが現われます。
    パイナップルリリーは国内で何回か見かけましたが、矮性種ができているのは知りませんでした。
    2016年05月31日 21:54
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    本物のバニラエッセンスを使ったバニラアイスを食べてみたいものです。
    下戸でいらっしゃいましたか。私もアルコール分解酵素が少ないので、直ぐ赤くなってしまいます。
    2016年05月31日 21:57
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    バニラの葉は幅広ですから、ある種のランの葉によく似ています。開花した花を見たことがないのですが、写真で見ると完全にランの顔をしていますね。
    2016年05月31日 21:59
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    和名はヒメハアザミですが、草丈は2mにもなるそうです。
    つくば植物園には時々乾燥した実鞘が展示されていますが、良い匂いがします。細長い実ですからマメ科と思われる方がいらっしゃるようです。
    ユーコミスの矮性種、可愛いです。値札がなかったですが、1鉢千数百円らしいです。
    2016年05月31日 22:07
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    バニラの花、中々開花しているものに出会えません。今回はあと少しだったんですがねー。
    ココアには小さい花が無数に付きますが、花はとても小さいのです。
    パイナップルリリーは草丈60cmくらいになりますが、アロハリリーは20cmくらいでした。
    2016年05月31日 22:12
  • 長さん

    うふふさん、コメントありがとうございます。
    私もバニラの花に出会えたのは初めてですが、まだ開花していなかったのは残念です。
    バニラエッセンスの本物(バニラエクストラクト)は合成のものと比べるとかなり高いそうですね。
    2016年05月31日 22:17
  • mori-sanpo

    初めて拝見する植物ばかりのようです。
     バニラとカカオの花と実については興味深く読ませてもらいました。
     カカオの幹生花が結実する歩留まりが良くないと、種子を収穫するには相当の労力を要するでしょうね。
    2016年05月31日 23:11
  • 長さん

    mori-Sanpoさん、コメントありがとうございます。
    カカオの受粉率は3%位なんだそうですが、花の数は半端ではありません。受粉率が悪いからたくさん花を咲かせるのだとも言えそうです。大きくなるまでは陰樹だそうで、大規模栽培には向かないとか。
    2016年05月31日 23:46
  • 寿々木

    バニラの花は緑色でしたね、当地東谷山フルーツパークで昨年5月見た記憶があります。バニラの芳香は豆果を熟成させないと出ないので、木の横に孔の開いたプラスチック容器にインゲン豆の枯れたようなのが展示されています。
    2016年06月01日 07:08
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    バニラの花、ご覧になりましたか。私はまだ、開花しているところに出会っていません。ここでも、手にとって香りが確認できるよう、乾燥させた実鞘が展示されていたのですが、今回は見当たりませんでした。
    2016年06月01日 09:18
  • 無門

    こんにちは

    カカオやジャックフルーツは
    太い幹にドーンと実がなっていて
    始めてみたときには
    驚きました
    でも何となくユーモラスですね
    2016年06月01日 10:49
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    カカオのほか、パパイヤやドリアン、ジャックフルーツも幹生花ですね。このうち、初めて見たのはパパイヤですが、無門さん同様、驚きましたよ。
    2016年06月01日 10:58
  • はるる

    バニラってこういう花だったんですね。
    なかなか見られないです。
    カカオはよく行く植物園にもありますが、花は覚えていません。これも咲く時期というのがあるのでしょうね。
    花はいいですね。こうして見せていただき楽しいです。
    アロハリリーですか。すぐお調べになって勉強家ですね。
    2016年06月01日 18:43
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    何度も通っているのに、バニラの花を初めて見ました。開花途中ですが…。
    カカオの花は、原産地では周年開花ですが、日本では5月頃咲くことが多いそうです。
    花の名前もそうですが、知らないことは直ぐ調べたくなるんです。好奇心が強いんです。
    2016年06月01日 21:36

この記事へのトラックバック