2月15日の午後、東京ドームで開催中の「世界らん展日本大賞2016」に行ってきました。
今回は、特別企画「ランの家系図をみてみよう!~ラン研究家フレデリック・サンダーの偉業~」の報告、後編です。
前編で、カトレア系交配種が、年を追うごとに美しくなってきてることを紹介しましたが、今回はその完成形と行っても良さそうなカトレア系交配種の紹介です。
カトレア ボナンザ (1967年)
Cattleya Bonanza(Bracey) (C. Trinette x C. intermedia)
往年の銘花、交配親としても有名

カトレア ドラムビート (1967年)
Cattleya Drumbeat (C. Bonanza x C. Horace)
銘交配親同士の交配から生まれた“超”が付くほどの
有名品種だそうです (これも交配親品種として有名)

リンコレリオカトレア バレスピン (1971年)
Rhyncholaeliocattleya Vallespin (Rlc. Memoria Crispin Rosales x C. Vallezac)
登録者は日本人で、高橋さんという方

リンコレリオカトレア
トゥエンティファーストセンチュリー (1998年)
Rhyncholaeliocattleya Twenty First Century
(Rlc. Memoria Ichie Ejiri x C. Drumbeat)
登録者は須和田農園

パフィオペディラム属、往年の銘交配種
パフィオペディラム ブルーノ (1896年)
Paphiopedilum Bruno (Paph. Leeanum x spicerianum)
古典の銘品受賞種。極整型花として有名

パフィオペディラム クロエ (1925年)
Paphiopedilum Chloe (Paph. Baron Schroder x Mrs. Willeam Mostyn)

交配してもあまり進化がないランもある
セロジネ クリスタータ (1824年に発見)
Coelogyne cristata
ヒマラヤ~バングラディシュにかけて分布する着生ラン
花形が清楚で、花数も多く、芳香もある
下の交配種に比べ、原種の方が大輪で美しい

セロジネ コスモクリスタ (1996年)
Coelogyne Cosmo-Crista (Coel. cristata x Intermedia)

Cattleya Bonanza(Bracey) (C. Trinette x C. intermedia)
往年の銘花、交配親としても有名
カトレア ドラムビート (1967年)
Cattleya Drumbeat (C. Bonanza x C. Horace)
銘交配親同士の交配から生まれた“超”が付くほどの
有名品種だそうです (これも交配親品種として有名)
リンコレリオカトレア バレスピン (1971年)
Rhyncholaeliocattleya Vallespin (Rlc. Memoria Crispin Rosales x C. Vallezac)
登録者は日本人で、高橋さんという方
リンコレリオカトレア
トゥエンティファーストセンチュリー (1998年)
Rhyncholaeliocattleya Twenty First Century
(Rlc. Memoria Ichie Ejiri x C. Drumbeat)
登録者は須和田農園
パフィオペディラム属、往年の銘交配種
パフィオペディラム ブルーノ (1896年)
Paphiopedilum Bruno (Paph. Leeanum x spicerianum)
古典の銘品受賞種。極整型花として有名
パフィオペディラム クロエ (1925年)
Paphiopedilum Chloe (Paph. Baron Schroder x Mrs. Willeam Mostyn)
交配してもあまり進化がないランもある
セロジネ クリスタータ (1824年に発見)
Coelogyne cristata
ヒマラヤ~バングラディシュにかけて分布する着生ラン
花形が清楚で、花数も多く、芳香もある
下の交配種に比べ、原種の方が大輪で美しい
セロジネ コスモクリスタ (1996年)
Coelogyne Cosmo-Crista (Coel. cristata x Intermedia)
もう一つの特別企画「世界最大の蘭と極小の蘭」は行列が長く、観覧を断念しました。
しかし、囲いの外側に置いてあったランと、出口付近で外から見える「極小の蘭」が撮れました。いずれも、望遠ズームで撮って、トリミングしたものです。
ステリス オルナータ Stelis ornata
メキシコからグアテマラ、エルサルバドルに分布する着生ラン

こんな花が咲いているようです → こちら
左下、スペックリニア シュデリー Specklinia schudelii
エクアドルで発見された。花径は5mmほど → こちら
右下、プラティステレ ステノスタキヤ Platystele stenostachya
中米から南米北部に分布する。花径は3~4mm → こちら

メキシコからグアテマラ、エルサルバドルに分布する着生ラン
こんな花が咲いているようです → こちら
左下、スペックリニア シュデリー Specklinia schudelii
エクアドルで発見された。花径は5mmほど → こちら
右下、プラティステレ ステノスタキヤ Platystele stenostachya
中米から南米北部に分布する。花径は3~4mm → こちら
世界最大のランであるグラマトフィラム・スぺシオサム(グラマトフィルム・スペキオスム)は、見ることが出来ませんでしたが、以前、つくば植物園で見たことがあります。その時の記事はこちら。花は虎斑模様で「タイガーオーキッド」と呼ばれています。
2月15日撮影。
(つづく)
この記事へのコメント
goki
蘭の家系図を作り上げたとされる
フレデリック・サンダー氏の偉業は
素晴らしい事で此れからも更に綺麗な
系図が増える事でしょうね。
尽きない新種は愛好家に執っては
楽しいでしょうね。
river
私は行列に並んで最大のランと最小のランを観ました。最小のランはポルシエラ属モーディーというランで花を付けていました。
みっきい
最小のランでは、3~4ミリとは…驚きです。
最大のランは、タイガーオーキッド、18本の花茎が3mにも成っているのを見せていただきました。
世界らん展にはいろんなと特別企画があるのですね。
ほんとうに見ごたえがありますね。ありがとう!
なおさん
行列に並ぶのは、僕は普段は敬遠したいほうですが、こういう機会のときは仕方ないですかねえ。撮影するために粘ることはできませんから、素通りしてみるしかないですよねえ。
nobara
栽培や交配をなさってる人たちの熱意が感じられます。気の遠くなるような、作業ですよね。
クラクラしてきます。
蘭は何処まで追いかけても限りがないのでしょうね。
見せて戴くのはありがたいですね。
mori-sanpo
カトレア ドラムビート、“超”が付くほどの有名品種だけのことはありますね。
写真から想像するだけでも素晴らしいと思います。
すーちん
現在見られる立派な
蘭を仕上げるには苦労が
あったでしょうね
長さん
ラン育成家は今後とも未知の交配を色々試してみて、より美しいものを生み出していくでしょう。それもすぐには結果が出ない仕事ですから大変です。その間に他の人に先を越されて、サンダーリストに載ってしまうかも知れません。
長さん
フレデリック・サンダーは原寸大のランの豪華図版を作ったことでも知られていますよね。
ポルシエラ・モーディーは残念ながら、枠に蹴られて撮ることが出来ませんでした。
長さん
入場料が高い展示会ですから、色々な目玉企画を行っています。本当に全てを見るには朝から夕方まで時間がかかりますが、長くいても飽きない位なんです。
世界最大の蘭、ご覧いただけましたか。つくば植物園でも毎年咲くとは限らないようです。
長さん
カトレア・ボナンザやドラムビートはもう完成形と言って良いほどの美しさですよね。まさに女王の風格にふさわしい。
「世界最大の蘭と極小の蘭」は見て回る順番を間違えました。最初に並んでおけば良かったと思っています。ガードマンが立ち止まらないよう急かしていましたよ。
長さん
ラン、特にカトレア系は交配による新種作りが盛んなようです。普通の交配では失敗する可能性もあり、メリクロン交配と言って、組織培養で育てる手法も取り入れられているそうです。それにしても、結果が出るのに数年かかる訳ですから、大変ですよね。
長さん
家系図を作らなければならないほど、ランの交配種作りが盛んだと言うことでしょうね。これもランの多様性を示す現れと言って良いでしょう。
もっと大輪で美しいカトレアが出てきそうな気がします。
長さん
カトレア系は大きくて豪華な花が咲きますから、より美しい交配種を作る努力が行われるのでしょう。その陰には、多くの人のご苦労が積み重なっているのでしょうね。
ロシアンブルー
ランの家系図は興味深いコーナーですね。
世界極小蘭と最大蘭の花は凄いですね、一度実物を見たいと思いました。
eko
ランの家系図面白く拝見しました。
極小ランに巨大ランどこまでも興味が尽きませんね。
タイガーオーキッド思い出しました。
寿々木
長さん
世界最大の蘭はつくば植物園にあります。一階に植えてあるのですが、大きすぎるので、見るのは2階で、花が間近にあります。小さいランも時々展示されますよ。
長さん
壁面のラン家系図、文字お越ししようかと思ったのですが、大変だから止めました(笑)。その気になれば、ネットで探すことも出来るでしょう。
時間がなくて極小のランは見ることが出汽船でしたが、出口付近の展示だったので、ガードマンの体と手の間から撮りました。
長さん
カトレアの交配種名が分ると、交配親をたどることが出来ますね。この記事も、交配親を調べて書いておきました。ただ、遡るにはシノニムが出てきますので、容易ではないでしょう。
ミックン
無門
なるほど
こうして家系図を
管理されているのですね
納得しました
長さん
交配によってカトレアがどんどん美しくなってきた状況が分りますね。
家系図はラン科すべてに整備されているそうですから、すごいですね。
長さん
こうした家系図が出来ているのはラン以外にないのではないでしょうか、サンダーのお陰です。
はるる
でも前にご覧になったことがあるのですか。
これだけでも見に行く価値がありそうですが。
テレビで見ました。極小は本当に小さいのでびっくりしました。
長さん
最大のランは見たことがあるし、極小のランを見るのに30分ほど並ばなくてはいけないので、垣間見ただけで断念しました。一番小さいのは段の上にあり、望遠レンズでも覗けませんでした。
OZMA
先日「奇跡の星の植物館」の「驚異のラン展」へ行ってきて、色々なランがあるものだと感心してきたところです。
交配種となるとものすごい数になりますね。
世界最大と最小のラン見れなくて残念でしたね。
しかし、3mm~3mとはこれにも驚きです。
長さん
ランは交配種を含めると20数万種とも言われており、現在も増え続けています。交配による人工属も多数あります。この多彩さが、人々を惹き付け、ランに嵌まる人が多い理由でしょう。花の大きさにかなりの違いがあるのもランならではです。