御巣鷹山慰霊登山ツアー(5)
10月29日に労組OB・OG会で御巣鷹の尾根に慰霊登山を行いましたが、翌日は下仁田町を中心とした観光としました。
朝、民宿旅館・不二野屋さんの畑で下仁田ネギの収穫体験を行い、ジャガイモや赤芋をお土産にいただいて、「下仁田ジオパーク」(HPはこちら)に向かいました。
下仁田は町の中心地を東西に中央構造線が横切り、地質学的にも重要な地域となっています。この地域特有の地形や地層から、大地の歴史や人との関わりを知ることが出来るので、ジオパークに指定されています。ジオパークを「地質公園」と訳すのは間違いで、「台地の公園」と言うそうです。
下仁田町では廃校となった小学校を利用して「下仁田町自然史館」を設けて、ジオパークに関する展示及び教育を行っています。
予め下仁田町自然史館に連絡し、町の職員から展示についてレクチャーをしていただきました。
左下、下仁田特産のこんにゃくの製法について説明を聞く。右下、富岡製糸場の関連で世界遺産登録された荒船風穴について説明を聞く。
左下、空から見た下仁田ジオパーク(ジオラマの写真)。右下、中央構造線。
下仁田町自然史館の近くには「跡倉クリッペ」があるので、その成り立ちや構造について説明を聞きました。クリッペとは根無し山という意味で、山を形成する地層(地質)がその下部の地層(地質)と異なるという珍しいもの。下の地層(約2億7千万年前、マグマが冷え固まったもの)の上に、別の地域にあった地層(約8000万年前の海の地層)が滑って移動して来て、上の地層が長い間に浸食を受け山になったという説明でした。この滑り面(断層)を後で見に行きました。
下仁田周辺で採集した岩石標本や化石標本、褶曲の写真などを見ることが出来ます。火成岩、堆積岩、変成岩など様々で、非常に激しい地質変動があったことが分ります。
左下、二枚貝の化石。右下、馬蹄形のアンモナイト化石。
植物についても学べます。左下、ムクロジの実。右下、アオギリの種子。
下仁田町自然史館の前の道(R172)を渡ると「跡倉クリッペのすべり面」の標識があります。ここから青倉川の河原に降ります。
左下から右上へと断層が確認できます。すべり面の露頭としては貴重な場所で、日本の地質百選に選ばれています。
斜線はすべり面(断層)。上の層が主に白亜紀(約8000万年前)の堆積岩、下の方がペルム紀(約2億7千万年前)のマグマが地下で冷え固まった石英閃緑岩。どこかの海で作られた堆積岩が、ほぼ水平に移動してきた。
下仁田町自然史館や近くの畑で見た花です。
10月30日撮影
(つづく)
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この記事へのコメント
コスモス
下仁田はネギだけじゃないんですね。
ムクロジの実とアオギリの種子はよく見るので、親しみを覚えます。
ベニバナインゲンの花はデイゴに似ていませんか。
長さん
地質学に興味があるので、ゆっくり見学したかったのですが、団体ではそうもいきません。
ムクロジとアオギリは持ち帰り自由だったのですが、今回は止めました。
ベニバナインゲンの花はいかにもマメ科らしい形をしています(立ち上がった旗弁と、前に突き出した翼弁)。デイゴはマメ科の中でもユニークな形ですね。
ミキ
子供の頃から馴染みで、花隠元と言ってました。
この赤い花の色が珍しいと思います。
莢は食べないで乾燥させ大きな花豆を収穫し
お正月などに煮て食べます。
高原にしか育たない豆で毎年故郷の友人が
送ってくれます。ちなみに私の故郷は草津です。
御巣鷹山慰霊登山、お疲れ様でした。(^^♪
無門
地層のすべり面
大迫力ですね
数億年前を夢想する
これもロマンですね
長さん
写真を撮ったときはベニバナインゲンとは分りませんで、随分赤い色の花が咲いているなと思いました、マメ科でこんな色の花は珍しいですよね。草津を始め、群馬県は花インゲンの栽培に適しているそうですね。昔、天皇が花インゲンの甘納豆を買い求めたときから有名になったのだとか。
長さん
かなり厚みのある地層が横に滑ってきたなんて、途方もない力が働いたんですね。
ののはな
eko
中央構造線が横切っているとは初めて知りました。
下仁田ジオパーク、いろいろ勉強になりますね。
地層のすべり面は迫力が凄いです。人間が小さく見えます。
ベニバナインゲンの花、久しぶりに見ました。莢の中の豆を煮豆にしますね。
river
なおさん
これからの寒い季節には、特産のコンニャクや下仁田葱が美味しくなることでしょうからイイですよね。
下仁田にもジオパークがありますか。埼玉の秩父のあちこちや長瀞も地質愛好家にはタマラナイところのようで、やはりジオパークがありますね。
長さん
6年前、労組OB・OG会で慰霊登山をしたときは、東京電力神流川揚水発電所の見学をしましたが、今回はちょっとアカデミックに地質学の学習です。ほんのさわりですけれど。地球のエネルギーのすさまじさを垣間見た思いです。断層面に斜線を書き入れましたが、そんな必要はないほどはっきりしていますね。
こんな地質だから、白い部分が短い下仁田ネギが特産になるんですって。
長さん
下仁田はネギの他にこんにゃくが特産です。
中部地方では中央構造線が太平洋側を走っていますが、静岡県から北上し、下仁田の真下を通っています。こういう場所では地層が複雑で色々面白いことが学べるようです。
ベニバナインゲン、ご存じでしたか。真っ赤な花でビックリしました。
長さん
ジオパークは日本に33もあるそうですが、見学したのはここが初めてです。下仁田を流れる南牧川の川岸が中心ですが、東は藤岡市との境近くにある稻含山から、西は荒船山までと広いですから、全部見学するとなると大変です。
nobara
すべり断層など、地球が生きていますね。
ハナマメ、初めてでしたか?
時期になると信州など綺麗な赤い花が見られます。
過日訪れた道東では白ハナマメが産地でした。
シバザクラもこの時期、勘違いして
お花を咲かせることがおおいですよね。
長さん
下ネタ、好きですが、ここで書く訳にもいきません(笑)。下仁田ネギは生では辛くて食べられないが、煮ると甘くなるそうで、すき焼きなどには最適だとか。こんにゃくの味噌田楽も良いですね。
秩父のジオパークも見どころが多いそうですね。
shuuter
果皮は石鹸代わりに使われますね。
長さん
ジオパークの見学はあちこち移動しないとならないので、ほんのさわりの勉強でした。
ハナマメの花は初めて見ました。食べる方なら経験があるのですが・・・。高原で作る野菜だそうですね。北海道では紫の花が咲く品種も栽培しているらしいですよ。
シバザクラ、こんな形で広がっていくんですね。
長さん
ムクロジの実は中に黒くて堅い種が入っており、数珠や羽根突きに使われるそうですね。ここではペットボトルに果皮と水を入れて泡が立つ実験をしていました。
寿々木
信徳
糸魚川ジオパークをみていますがこんな近くに有るとは知りませんでした。
紅葉見物を兼ねて一度見に行きたいです。孫が化石に興味を持っていますので連れてってみようかな(笑)。
りりい
廃校といっても、こんなに立派な学校の建物。人口の減少で廃校になったのでしょうが、信じられない思いです。
でも、上手に活用されていて、よかったですね。紅花インゲン、珍しいですね.ピンク色のなら我が家でも咲きますが(普通ですけど)。
群馬は見所満載ですね。
長さん
インゲン豆の花でこんな色があるとは知りませんでした。もともとは観賞用に持ち込まれたものだそうです。
長さん
下仁田町自然史館はお子さんでも理解できるような展示になっていましたから、喜ばれると思いますよ。勿論化石の展示もあります。
長さん
下仁田ネギは2度植え替えしないとならないので、長ネギより高価なんですってね。
どこも少子化の影響がおおきいですね。ここは校庭をお年寄りのグランドゴルフ場として活用していました。
ベニバナインゲンは高原の方が栽培に適しているんですって。
すーちん
マメ科の花はスイトピーの様な
可愛い花ですが
ベニバナインゲン、綺麗な
花が咲くんですね~
長さん
ベニバナインゲンの花はスイートピーと同じような構造ですが、花色がとても濃いのです。観賞用にアメリカから渡ってきたんですって。
みっきい
下仁田と聞くとネギしか思い出しません。
地球にはこんな大移動があったのですか!?
下仁田ジオパークの説明見学は良いですね!
「跡倉クリッペ」に残っているんですね。
>下の地層(約2億7千万年前、マグマが冷え固まったもの)の上に、別の地域にあった地層(約8000万年前の海の地層)が滑って移動して来て、上の地層が長い間に浸食を受け山になったという説明でした。
跡倉クリッペの滑り面(断層)の写真には白線が引いてあるんですね?2~3億年前の地球!?自然の力の大きさ!摩訶不思議、人間は謙虚にならなければと…おもいますね。
長さん
下仁田ねぎは有名ですね。
ジオパークの見学は初めてでいたが、地球の動きの驚異的なエネルギーを再確認することができました。私たちが生きているのは地球のれ色紙から見るとほんの瞬間ですから、これから日本列島がどんな変化を遂げるか想像すべくもありませんね。
はるる
河原で地質が見られるのですか。すごいですね。
ネギがおいしそうです。お蕎麦の葉は食べられるのですか。
ベニバナインゲン、これも食べるために植えられているのですか。
長さん
ジオパークの一端を垣間見て、下仁田はネギやこんにゃくだけでないのがよく分りましたよ。ネギは加熱すると甘みが出てきます。ソバの若い葉はサラダにぴったり。
ベニバナインゲンは正月料理に使われるそうですよ。