カエデガイドツアー(3) 綺麗な紅葉になる条件は?
11月21日、カエデのガイドツアーに参加し、「カエデ園」で元園長の山下英夫氏(森林公園マイスター)から説明を聞きました。
カジカエデ (梶楓)
本州(宮城県以南)~九州(中部)の山地に分布。日本固有種
和名は、葉がクワノキ(カジノキ)に似ることによる
黒くなった翼果が残っていた
葉は大きくなり、別名はオニモミジ。カナダのメープルカエデにも似る
ヒトツバカエデ (一葉楓)
日本固有種。本州(秋田県・岩手県以南)~紀伊半島東部に分布
別名:マルバカエデ。 残念ながら、葉は殆ど落ちた後だった
色の悪いイロハモミジ
ガイドの山下英夫氏によれば、イロハモミジは葉が薄いため乾燥しやすく、また、日当たりが良い場所では綺麗に紅葉する前にちりちりになってしまうという。
ほどよく紅葉するには、適度な日当たりと湿度が条件だそうです。武蔵丘陵森林公園ではカエデ園の周囲に赤松を植栽し、綺麗に紅葉する条件を作り出しています。
薄めた砂糖水を葉に散布して綺麗な紅葉を作り出すことがあったとか。かなりお金のかかる道楽だったのですね。
下は、条件が良い場所の、綺麗なカエデ。
カエデ園には約50種類の園芸品種が植えられています
ガイドツアーで見て回ったものから紹介します
置霜(おきしも)
イロハモミジの園芸品種。紅葉し始め。葉の切れ込みが内側にカールする
切錦(きれにしき)
ヤマモミジの園芸種。名前のように、葉にたくさんの切れ込みがある
名月(めいげつ)
ハウチワカエデの園芸種。もっと赤くなりそうだ
10月20日撮影。
(つづく)
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つくば植物園にて(4) 11月13日撮影
スタンホペア・エコルヌタ
ラン科スタンホペア属の着生種。スタンホペア属は中南米に55種ほどある
これはグアテマラ原産と表示されていた
大きな葉が生えた根から偽鱗茎が出て、2つの花を咲かせる
花の大きさは5cm。オレンジの部分が唇弁。強い香りがある
ワシントン条約で輸出入が禁止されており、つくば植物園
と府立京都植物園以外では育成していないと思われる
(熱帯資源植物温室にて)
ラン科スタンホペア属の着生種。スタンホペア属は中南米に55種ほどある
これはグアテマラ原産と表示されていた
大きな葉が生えた根から偽鱗茎が出て、2つの花を咲かせる
花の大きさは5cm。オレンジの部分が唇弁。強い香りがある
ワシントン条約で輸出入が禁止されており、つくば植物園
と府立京都植物園以外では育成していないと思われる
(熱帯資源植物温室にて)
(つづく)
この記事へのコメント
river
その他、トウカエデ系、イタヤカエデ系、ウリハダカエデ系、ハウチワカエデ系、ネグンドカエデ系、ハナノキがあります。
ハウチワカエデの原種に付けられた園芸名に’明月’というのがあります。これは’板屋’とも呼ばれます。
寿々木
shuuter
前半暖かい日が続き 葉がちぢれるものがおおいです。
寒くなりましたので これから美しい紅葉が期待できるかもしれません。
長さん
カエデについてもお詳しいですね。園芸品種はイロハカエデ景が多いと思っていたのですが、そうでもなさそうですね。
ハウチワカエデ系園芸種の板屋はイタヤカエデ系と間違えられそう。
長さん
切錦にそっくりなカエデがありますか。切れ込みが多く、特徴的な葉の形をしているので間違いないでしょう。切錦は若葉の頃、葉の周囲が赤いようです。
長さん
府立植物園にもカジカエデがありましたか。
最近冷え込んできましたが、例年の秋より暖かいので、色が悪いですよね。
みっきい
イロハモミジは薄いので、すぐにカリカリになり易いのでしょうね。我が家のモミジは今年は未だ真っ赤にはなっていません。一部かりかりになって落葉してきています。
寒さに当たって紅葉してくれるのを期待していますが…。
今年は全体的に見事な紅葉は少ないような気がします。
なおさん
やはり、適度な陰は必要なのでしょう。
いろいろ勉強になる話で、たのしいひとときだったことでしょう。いいですねえ。
長さん
色が悪いモミジに出会ったら、日当たりが良すぎることと湿度不足と思えば良いですね。日当たりはコントロールすることは難しいですが、根もとに撒水することで綺麗な紅葉が楽しめるかも知れませんね。
今年はこれまであまり冷えなかったので、これからは紅葉が進むでしょう。
長さん
山下さんは適度な日当たりと湿度の二つをあげられましたが、無論、綺麗な紅葉になる条件はこれだけではありませんね。夏から秋への温度変化とか、樹種による違いとか、栄養状態とか、ね。
ガイドツアー、また行ってみたくなりましたよ。
月奏曲
湿度も関係あるのですね。勉強になりました。
長さん
よく谷筋の紅葉が綺麗とか、水際の紅葉が綺麗だとか言われますが、これも湿度との関係だったのですね。
nobara
渓の流れに散り浮くもみじ~♪ そんな歌が浮かびます。
関東もやっと紅葉が見ごろになったようですね。
eko
今年は外れ年(?)でしょうか。
切錦、ご近所に1本あります。いつもきれいなカエデだなと見ていました。名前が分かって良かったです。
スタンホペア・エコルヌタ、珍しい花を見せて頂きました。
長さん
カエデの園芸種については知識がないのでよく分りませんが、ネットによると、切錦は「又の名を枝垂もみじとも云う(=青枝垂)」と書いてありました。手向山については、「錦楓とも又は紅透しともいう(=赤枝垂)」とありました。
今朝のNHK天気予報で紅葉情報が流れ、武蔵丘陵森林公園に見頃マークが出ていました。
長さん
適度な日照と湿度は紅葉の条件の主たるもののようですが、気候変動(温度変化)も重要な要素ですね。この秋は暖かかったし、日照も不足気味なので外れ年と言っても良さそうですが、一昨日あたりから冷え込んできたので、これから良くなるかもね。
スタンホペア・エコルヌタは変わったランですね。
はるる
紅葉に条件が必要なことはわかります。みな一様に紅葉していないですから。
オキシモ、見てみたいです。キレニシキは名前は知りませんでしたが、見たことあります。メイゲツもいい感じですね。
もこ
ビックリです
長さん
さすがに国営公園ですね。植えるときから数十年先の未来を姿を考えているのですね。
置霜のような葉の形は初めて見ましたが、切錦のような葉は見たことがあります。勿論、名前は分りませんでしたが…。
ハウチワカエデは見るからに大きそうですよね。
長さん
モミジにこんなに多くの原種があるとは思いませんでした。園芸種も相当な数になるのでしょうね。
無門
砂糖水で育てるなんて
想像を絶する
過保護のようだね
長さん
砂糖水を掛けて紅葉を綺麗にさせるのは、昔のお大尽の道楽だったそうですよ。