10時10分頃、強い風が残る須川高原温泉を出発し、国道342号線を一関IC方面に走り始めると、5分ほどの所に木柱が立つ広場がありました。
木柱には「平成の名水百選 須川岳秘水 ぶなの恵み」と書かれており、立派な水汲み場が作られていました。大変美味しい水で、ペットボトルに汲んで行動中の飲用にもしました。
地元のNPO「須川の自然を考える会」が言い伝えを基に発見した湧水で、平成13(2001)年に駐車場と共に整備したのだそうです。その後、平成20(2008)年に環境大臣から「平成の名水百選認定書」が交付されています。
更に数分走ると、落下した橋が目に入ります。展望台が設けられているので立ち寄りました。
磐井川支流の鬼越沢にかかるこの橋は祭畤大橋(まつるべおおはし)と言い、2008年に発生した岩手・宮城内陸地震(M7.2、最大震度6強)の時、約10mの地滑りが発生して倒壊したもので、2代目となる新橋(右下)が完成した後も災害遺構として保存されています。
国道342号線は、渓谷美で知られる「厳美渓」の近くを通ります。立ち寄ってみましたが、紅葉にはまだ早く、昨夜の爆弾低気圧による降雨で水が濁っており、写真は断念しました。
トイレ休憩で立ち寄った「道の駅厳美渓」です。もうすっかり晴れ渡っているのがお分かりかと思います。4年前の東北旅行の際、栗駒山の湿原などを散策した後、昼食で立ち寄ったところです。
敷地の一角に一本の木が植えられており、下に実が落ちています。
エゴノキの実に似ていますが、それより大きいので、ハクウンボク(白雲木、エゴノキ科)でしょうね。少し紅葉が始まっていました。
道の駅の売店で「イガナス」と名札が貼られた、イガイガの実が売られていました。なんじゃこりゃ、と思って写真を撮りました。
同行のTADAOさんの奥様はご存じでしたが、生け花の花材として使われるそうです。調べてみたら、アメリカチョウセンアサガオ(亜米利加朝鮮朝顔、ナス科) の実なんだそうです。別名ヨウシュチョウセンアサガオ、ケチョウセンアサガオ。チョウセンアサガオの実も形が似ていますが、トゲが短く、本数も多いようです。

長者原SAには「ラムサール条約湿地 化女沼展望広場」があったので、行ってみました。化女沼はけじょぬまと読みます。
化女沼は、宮城県庁所在地仙台市より約35㎞北に位置する大崎市にある洪水調整,灌漑用水に利用されている治水ダム湖で、亜種ヒシクイ、マガン、オオハクチョウなどのガンカモ類の重要な越冬地として、2008年10月にラムサール条約湿地に登録(登録面積は湖面部分の34ヘクタール)されました。
化女沼とその周辺の植物は種類数も多く、700種を超え,絶滅危惧種の該当するオオトリゲモ、タチモ、ナガエミクリなども見られます。夏には沼の広い範囲がハスの花で彩られ、水面はヒシで覆われます。沼の周囲にはノハナショウブやミソハギ、ニッコウキスゲなどの花も見られます。また、チョウトンボをはじめ、多くのトンボ類が見られるほか、魚類は15種類確認されています。冬には希少なガンである、亜種ヒシクイの最大の生息地となり、日本へ飛来する群れのほぼ全数が、化女沼で越冬します。その他にもマガン、トモエガモ、オオハクチョウやオジロワシなどが生息し、これまで112種の鳥類が確認されています。(大崎市役所のHPから)
宮城県北部には、非常に近い距離に3ヵ所のラムサール条約湿地があり、その位置関係から「ラムサールトライアングル」と呼ばれています。このような例は世界的にも珍しく、ここが野生動物にとって重要な地域であることを物語っています(説明板より)。
3泊目は福島の高湯温泉にしました。4年前の東北旅行で好評だった玉子湯に宿泊します。
(つづく)
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「2015つくば蘭展ミニ」(9/20~27)の出品作品から(9)
カトレア・ビカラー
Cattleya bicolor
ブラジル東海岸沿いの山脈に自生する(原種)

出展者:斉藤正博会長
ミルタシア・オルメック‘サチ’
Miltassia Olmec 'Sachi'
ブラシア属とミルトニア属の属間交配種

出展者:橋本明美さん
9月22日撮影
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
道の駅ではイガイガのイガナスの実が売られていましたか。この頃はいろいろ面白い実が売られていることがありますね。ツノナスやらフウセントウワタなど見かけることもあります。
宮城の方の沼では、これからいろいろな冬鳥が飛来してにぎやかになるのでしょう。ヒシクイやハクチョウなどは大型ですので写真撮影も楽しいことでしょうね。
長さん
岩を噛む渓流が見どころですから、濁った水の厳美渓では写真になりません。
アメリカチョウセンアサガオの実を見たことがなかったので、ちょっとビックリしました。フォックスフェイスやフウセントウワタは可愛いですがねー。
沼の傍まで行ってみたかったですが、高速道路を下りるわけにも行きません。
行き当たりばったり
おいしい水とともにかなりの距離を走りました。とにかくアクテブです。素晴らしい観光案内にも匹敵です
ランのお花、限りがありませんね。
もこ
ほんにょ(杭干し)初めて知りました。
当地方ではハゼ掛け(はざがけ)をしていました。
最近ではほとんど見かけませんが・・・
信徳
ミックン
地震で橋脚がこんなになったとは知りませんでした。恐るべし地震災害
旅の楽しみの一つに、道の駅がありますね。ハクウンボクの実、こんなに大きいのでしたか温泉にゆっくりつかり、楽しんでください
長さん
我が家から高崎のTADAOさん宅経由で、総走行距離は1,500キロを上回りました。東北は遠いですね。
ランってバラエティ豊かな花でしょう?
長さん
天気は自然現象なので仕方がないですね。宿の変更が出来れば良いのですが、直前ではキャンセル料が発生しますものね。
昔は稲を干す風景がありましたが、今はコンバインで脱穀まで済ませてしまうので、稲を干す必要がないんですって。
長さん
天気が荒れても、日程変更などが出来たので、それはそれで楽しむことが出来ました。紅葉も良い時期が垣間見えましたしね。
ハクウンボクやチョウセンアサガオの実は初めて見ましたよ。
長さん
岩手・宮城内陸地震の震源地はこの辺りだったので、揺れが大きい上に、大きな地滑りが発生したので、耐震設計の計算外だったようです。
3泊目の温泉は開放感あふれる露天風呂が楽しみなんです。
月奏曲
言い伝えを基に発見…ということは一度はロストしてたのですねぇ。
伝承が残る国民性で助かりましたねぇ…他の民族だと結構そのまんま彼方に消え去りますからねぇ…
shuuter
エゴノキ科で 花はエゴノキに似ていますね。
果実は少し大きいのですか。
長さん
爆弾低気圧が過ぎた後は、台風一過のように青空が広がっていました。
言い伝えといってもそれほど昔のことではなさそうですが、森の中から小川となって流れているのを発見したのではないか、そんな気がします。
長さん
ハクウンボクはエゴノキより花付きが良く、下から見上げると雲のように見えるというのが名の由来です。果実はエゴノキより少し大きい感じがしました。
nobara
ラムサール・・というとクジュウのタデ原湿原を思い出しました。ケジョヌマ(化女沼)って凄い地名ですね。
eko
橋脚を落ちたまま地震遺構として残しているのですね。自然の破壊力には改めて驚きです。
アメリカチョウセンアサガオの実イガイガで面白いですね。
ランの花、尽きることがありませんね。珍しい花ばかりで見応えがあります。
寿々木
長さん
橋を見ると地震の恐ろしさが分りますね。
ハクウンボクの実の中に茶色い種があり、それを乾燥させて飾りにするんでしょうか。発芽率が良いので、そのまま植えても良いかもね。
化女沼の名は、悲恋が適わず入水した長者の娘が、生前沼の水面を鏡に化粧したり、水で化粧していたという伝説に基づくものだそうですよ。
長さん
泥水が流れる厳美渓では幻滅ですよ。
橋の辺りは大地震の震央に近く、揺れは勿論地滑りも起きたので、橋はひとたまりもなかったのでしょう。
アメリカチョウセンアサガオの実がこんな姿だったとはビックリです。
長さん
爆弾低気圧は宿泊した夜、中心が通過しました。山を下ってきたら風も弱くなり、青空が広がりました。一日遅く通過してくれれば良かったのですがねー。
ヒマの実もトゲだらけですね。
ロシアンブルー
須川岳秘水ぶなの恵み、冷たくておいしかったでしょうね。
地震で落ちた橋、そのままにしてあるんですか、地震の恐ろしさを伝えるにはそのままにしておくのも大事ですね。
化女沼って名前が凄いですね。足を捕られそうな・・・。
すーちん
震災で落下した橋を
残して置くのも
忘れ無い為には
必要ですね
紅葉もう少し先でしたか
しおん
エゴノキは散歩道にもありますが 確かにそれより大きな実ですね。
長さん
須川岳の秘水、軟らかい水で美味しかったですよ。
崩落した橋は橋桁が黄色いのでドライブ中でも目立ちます。
化女沼には伝説があるのですが、沼の水を鏡代りにしてお化粧をしたと言うことで、妖しい名前じゃありません(笑)。
長さん
日本は地震大国ですから、災難はいつやってくるか分りません。
震災遺構を見て地震を忘れないようにしなければいけませんね。
長さん
岩手・宮城内陸地震は2008年、それから3年も経たずに東日本大震災ですから、東北の皆さんは苦労されていますね。
エゴノキは花も実も可愛いですよね。
はるる
落下した橋はすごいですね。こういうもの初めて見ました。恐ろしいことです。
いがいがの実、おもしろいですね。道の駅、こういうものが売っているんですよね。
長さん
栗駒山の伏流水ですから、美味しかったですよ。
地震を忘れないための遺構、こういうのもありなんですね。
イガイガの実、面白いものを売っていました。昔懐かしいツバメのマークが印刷されたマッチも売られていました(若い方はご存じではないですが・・・)。
無門
名水百選
山歩きしていたころ
湧水のありがたさは
身に沁みました
地元の人たちが大切に
しているのがよくわかります
長さん
この名水、美味しいので、飲食店や地ビールの仕込み水としても利用されているそうですよ。