栗駒山の東南・中腹にある「いわかがみ平」を後にして、一旦山を下り、北側の中腹にある須川高原温泉に向かいました。
途中の田園風景ですが、刈り取られた稲の干し方が関東とは異なっていることに気付きました。
関東で見かける干し方は、横にした棒に稲束を挟む「稲架がけ」(はさがけ)と呼ばれるスタイルですが、こちらで多く見られるのは、ご覧のような「杭干し」または「棒掛け」と呼ばれる方式で、岩手県南部に多いそうです。
宮城県北部では「ほにょ」「ほにょかけ」「ほんにょ」などと言い、「穂仁王」という字を充てるとか。田んぼの中に稲穂が仁王立ちしているように見えたのでしょうか。
須川高原温泉は、栗駒山を中心にした場合、いわかがみ平とは丁度半谷側にあります。右図の右下、つづら折れの先端がいわががみ平、左上、栗駒山荘と書かれた辺りが須川高原温泉です(栗駒山荘=秋田県と須川高原温泉=岩手県は徒歩5分ほど)。
須川高原温泉の標高は1,126m、近づくに従いガスが出てきて来ましたが、紅葉は良い具合です。
しかし、須川高原温泉に到着すると、かなり強い西風が吹いていました。既に、爆弾低気圧の圏内に入ったようです。
下は、須川高原温泉の駐車場から撮った写真(3枚を合成)ですが、栗駒山はガスの中です。左手の大きな岩は「大日岩」でここのシンボル的な存在です。
視界が良ければ栗駒山が望めます(左下、須川高原温泉のHPから)。赤い屋根の建物が今回泊まった須川高原温泉です。右下は、この日の夕食です。
須川温泉
須川温泉は含硫黄硫酸塩泉のほか、希少な明礬泉、綠ばん泉などを源泉とするph2.1の強酸性温泉です。源泉は摂氏47~49度の湯が毎分6,000L(ドラム缶換算で30本位)湧出しており、1,126mもの高山での湧出量でも全国屈指です。
希少な泉質を有する須川温泉にはかつて東北大学医学部の先生方が滞在し、温泉医療研究の傍ら多くの湯治客の治療法や療法相談などにも応じていただくなどしたことから療養温泉としても広く知られるようになりました。(須川高原温泉のHPから)
10月2日(金) 強風の残る須川高原
爆弾低気圧は1日の夜から2日の朝に掛けて通過しました。かなりの強風と雨で、建て付けが悪くなった宿のサッシからヒューヒューゴウゴウという音が絶え間なく続きました。
翌朝も強風が収まらず、宿の出発は10時としました。山の中でスマホは圏外。受信アンテナが風で揺れ、時折画面がかたまってしまうTVを見ながら、時間をつぶしました。
朝6時50分頃、部屋から写した大日岩です。強風は画像からは分りません。
8時50分、一瞬光が当りました。これが一番綺麗な紅葉だったとは皮肉なものです。
9時25分、強風が収まると予測したのか、登山を開始する二人。予定では、私とTADAOさんは朝8時頃、栗駒山に向け登山を始めていた筈だったのですが・・・。
10時過ぎ、強い風が残る須川高原温泉から福島へ向け出発しました。
(つづく)
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「2015つくば蘭展ミニ」(9/20~27)の出品作品から(8)
ミルトニア・キャンディーダ
Miltonia candida
ブラジルの南東部、標高500~800mに自生する着生ラン。花期は夏
出展者:稲葉茂子さん
デンドロビューム・ウシタエ
Dendrobium usitae 自然交配種( D. bullenianum × D. goldschmidtianum )
フィリピン・バブヤン諸島の山中に自生する着生種。セッコクの仲間
出展者:冨田研二さん
9月22日撮影
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
須川高原温泉では強風が吹き荒れていましたか。画像からではその様子はわかりませんが、大変なことでしたね。
ほんのひとときだけ朝日に映える紅葉が見られましたか。なかなか思い通りにならないのが自然ですので、残念なことですが、まあ仕方ないのでしょうね。
長さん
稲干しといえば横に並べるものとおもっていたので、杭干しはちょっとしたカルチャーショックです。
爆弾低気圧の通過は夜2時か3時のことで、雨風の音で何度も目が覚めました。
何年後になるか分りませんが、リベンジしたいものです。
みっきい
須川高原温泉は秋田県と岩手県の県境ですか。標高は1,126mとかなり高いところですね。紅葉もしていますね!
大きな大日岩の向こうに、栗駒山が見えている写真がありますね!!一瞬でも見えてよかったですね!
予定変更になりましたか。自然現象には勝てませんね、いつかリベンジしてくださいね。
ロシアンブルー
稲穂の干し方、確かに仁王様に見えますね。地方によっていろいろ干し方があるんですね。
一瞬の晴れ間に、チャンスがあり、良かったですね。
river
早くから予定した旅行日程はなかなか変えられませんね。自然には勝てません。荒れた天気も後になれば旅の思い出の笑い話になるでしょう。
行き当たりばったり
お天気ばかりは、思うようにいきませんね。
そんな中、たくさんの写真を撮られて、様々な検討、分析--
頭もフル回転で---
蘭の花--魅力がつきません
ポン太
こちらでは関東と同じように横にした棒に架けていく「はさかけ」ですが、最近では器械で刈り取りと同時に脱穀もしてしまうのでそんな風景も少なくなりました。
紅葉進んでいますね。とてもきれいです。
こちらはまだもうすこし後になりそうです。
ランの花、目にしたことのない珍しい花を楽しませてもらっています。
nobara
このほんにょ干しはなんかざしきわらしのでるような昔話のような光景ですね@@
長さんはカメラワークがしっかりしてるから、外の強風はちっとも感じられませんね。
そのあたりはまだまし?だったのかしら。
道東が凄い事になっていましたよね~~
振り返れば私たちが出かけた辺りが一番、お天気に恵まれてその前後は惨憺たる状況でしたもんね。
本日のランはまた格別に美しいです。
赤のラインがあるのなんて堪りませんね~
長さん
稲の干し方も変わっているし、ほにょという方言も面白いです。先日、NHKニュースで、魚沼ではスキー場のリフトを使って稲を干していると報道されました。まさに所変われば、ですね。
紅葉は須川温泉の辺りまで下りてきていましたから、ちょうど良い具合だったのですが・・・。日が当ったときの写真は近くの山で、栗駒山は見えませんでした。
長さん
爆弾低気圧は北に行くほどひどい雨風でした。夜の通過だったのが不幸中の幸いですかね。
稲の干し方は所変わればで、面白いですね。ほにょは棒も少なくて良いし、作業がしやすいのだそうです。
長さん
大型コンパインだと、刈り取って籾だけ回収するようになっていますが、この辺りでは小型の機械ですから、こうした稲干しがあちこちで見られました。
予定を変更するとなると、3泊分ですからちょっと難しかったのですが、一応栗駒山の紅葉は見ることが出来たので、良しとしましょう。
長さん
5泊旅行の時は1回くらい雨に遭っても仕方ないですが、3泊なのに途中で雨に遭ったのは初めて。これまでがつきすぎていたのかもね。
今回は移動が長かったので、写真の枚数はちょっと少なかったです。
shuuter
紅葉を見るときが 朝日が当たるときが美しいと 植物園のガイドさんの 説明がありました。
一瞬の光 いい時間だったのですね。
長さん
最近の農作業機械は稲刈りと同時に脱穀までしてしまうのですね。そうすると稲を干す作業が必要ないですね。省力化になって良いのでしょうが、天日で干すことによる美味しさを犠牲にしているのかもね。
東北から近畿地方へと紅葉が進むのには一ヶ月以上かかるでしょうか。
長さん
最近は稲架がけもしないでよい機械が使われているようですが、東北ではこんな光景があちこちで見られました。
大日岩の写真、実は、風があることは手前の水槽に出来た波で分るのですが、説明が長くなるので止めました。
爆弾低気圧の通過が1日遅れてくれれば万歳だったのですが、こればかりは仕方がない。nobaraさんたちは良いときに北海道に行かれましたよ。
デンドロビューム・ウシタエ、nobaraさん好みの花弁ですね。
長さん
こんな形の稲の干し方、shuuterさんも初めてご覧になりましたか。
紅葉はやはり葉への光の当り具合で美しさが何倍にもなりますね。
天気が心配で窓の外を眺めていましたから、一瞬の光を見逃しませんでしたよ。
eko
須川温泉辺りも綺麗な紅葉が見られますね。爆弾低気圧は夜の通過で不幸中の幸いでしたね。
一瞬光が当たった紅葉がほんとに綺麗です。
長さん
ほんにょなんて、ほんにょに、いやほんとにおもしろいですね(笑)。
農家の方も年に一度しか使わない高価な農機具を買わざるを得なくなって大変ですね。TPPの締結で立ちゆかなく日が来なければ良いのですが。
須川温泉の部屋から一瞬光が当った紅葉を見ることが出来ただけでも良しとしなければ。
ミックン
栗駒山の紅葉が見事ですが、天気が心配の中、お2人の登山、大丈夫だったのでしょうか長さんたちの判断、賢明だと思います。
稲の干し方が面白いです。技術の進歩で、このような秋の風景が見られるのもあと何年かな長い竹をたくさん縦横に組んでそこに稲穂をかけていく方法が一般的なのでしょうか。この前、京都の親戚から新米が贈ってきました。
小梨
恨めしい爆弾低気圧! でも、何事もなくてよかったです。
イネの干し方は日本全国みな同じと思い込んでいました。
長さん
ガスがかかってきましたが、潅木のお陰で風は遮られました。山はやはり朝から登るのが正解ですね。
稲の干し方、ところ変わればで面白いですね。横に木を渡して干す、はさ掛けのほうが広い地域で採用されているようです。
長さん
午前中に登れればよかったのですが、出発を1時間早めたくらいではダメでした。
杭干しはちょっとしたカルチャーショックでした。その後、TVでスキーリストの背もたれを利用して稲を干していることを知り、これまたビックリでしたよ。
ミキ
この棒掛けの「ほにょ」は初めて見ました。
ユニークでまさに穂仁王ですね。
見ていて楽しいです。
前記事の霧の中の紅葉も素敵でした。(^^♪
寿々木
生まれた里ではでは、棒杭干しと両方有りました。
長さん
農家の稲刈りはバインダーからコンバインに変り、棒掛けの稲干しをするところが減ってきているのだそうです。棒掛けの文化を残そうと、ほんにょの復活を運動しているNPOもあるそうです。
長さん
故郷では稲架がけと棒かけが混在していましたか。
ハツカネズミは賢いですね。ここにいれば労せずして落ち穂が食べられる。ハツカネズミを探しに行った子供たちも賢いですね。
しおん
稲の干し方 地域で違い面白いですね。爆弾低気圧の影響がないうちの刈り取りで助かったのでしょう。
無門
近年は
稲刈り即脱穀ですので
刈田も風情がなくなりましたよね
故郷の風景も
少し寂しくなりました
長さん
本来なら、10月2日は栗駒山の紅葉を楽しむ日だったのですが、爆弾低気圧の関係で1日前倒しにしたのです。予定が空いてしまい、ゆっくり出発で福島へ向かいました。
まだ稲刈り前の田んぼもありましたから、爆弾低気圧の強風で倒れていなければ良いのですが・・・。
長さん
今はコンバインで脱穀まで済ませてしまう時代ですね。
この風景を残そうと努力しているNPOもあるそうです。
りりい
愛知県も横に棒を伸ばして、そこにイネを掛けて干します。
私の子どもだった頃、お盆ぐらいに、はざ(横棒と縦の杭)を用意し、8月下旬に鎌を使って稲刈りをして、そこに干しました。2週間ぐらいだったか、天日干しをして、脱穀機で脱穀していました。全て手仕事でした。
今の家に嫁いだときには、すでにコンバインが導入されていて、稲刈りや脱穀はやりません。コンバインで稲刈りと同時に脱穀もされて、籾を袋に入れてくれます。本当にら祈雨になった物です。
しかも、現在は全て、営農さんに預けてしまっています。あ~あ。
農家は機械貧乏で、トラクター、田植機、コンバインを揃えると1000万円では足らないからです。
爆弾低気圧を避けながらの旅行、常に気象情報をチェックでしたね。
長さん
昔は鎌で稲刈りをし、それを束ねたものを稲架がけにしていましたね。10日~2週間干したものを脱穀機に掛けましたが、子供の頃、どこかで手伝った記憶があります。
東北地方では干している間に雨が降ることがあり、こうした棒かけが考案されたらしいです。
今は農業も後継者が足りず、機械の力を借りないと稲が作れない時代ですね。
はるる
強い風、写真では全然わかりません。紅葉が本当にきれいですね。
長さん
稲の干し方も昔からの伝統的なやり方があるんですね。今はコンパインで脱穀まで終了しますから、こういう風景は貴重です。
風になびくものがあれば風の強さが分るのですが、水槽の波で分りますかね。
日が当った紅葉、不幸中の幸いという所です。