グラン・パラディーゾ国立公園へ(コーニュ・ジミリアン)・・・北イタリア旅行記8日目④

2015年・北イタリアの旅(その46)
 8日目(6/24) アオスタラ・パリュー → エルブロンネ展望台ラ・パリュークールマイヨールアオスタ → コーニュ(グランパラディーソ国立公園)アオスタ(泊)   (太字が今回の記事です)

 午後のオプショナルツアーは14時5分にアオスタのホテルから出発しました。目指すはアオスタの南側にあるグラン・パラディーゾ国立公園で、2時間ほどのハイキングを楽しむのです。
画像 アオスタから>グラン・パラディーゾ国立公園に入るには4つのルートがありますが、今回私たちが訪れたのは、一番東側のコーニュという町から入るルートです(右図の赤矢印)。
 グラン・パラディーゾ国立公園は、グラン・パラディーゾ山(標高4061m)の周辺一帯で、1922年にイタリアで最初の国立公園に指定されました。70万ヘクタールの大自然と、たくさんの野生動物が棲息しています。
 グラン・パラディーゾに広大な自然が残ったのは、イタリア王国最後の王ウンベルト2世のサヴォイア家直轄の狩場だったためです。王家の狩場として狩猟に使われる以外に人の手が入らなかったため自然が残り、その後、国立公園になったため、リゾート開発で荒らされることもありませんでした。アルプス特有の野生の鹿や山羊、カモシカ、マーモット、きつね、イヌワシなどが住み、高山植物が保護されています。

 アオスタ周辺には100以上もの砦や城があるそうです。下は、ツアーバスから見たものです。
画像画像

 谷筋を遡り、高度を上げていき、コーニュには1時間弱で到着しました。
画像画像

 下は、コーニュのジミリアンという地区からコーニュの町と国立公園を展望した写真です。広い草原が広がっていますが、冬はクロスカントリーの会場になるそうで、昔から、ワールドカップや国際競技大会も開かれてきたようです。
 写真中央の下端に1本の木が見えますが、その左手に見える駐車場でトイレ休憩となりましたが、ここで問題が発生しました(後述)。
画像

標高3000m以上の山が連なる(グラン・パラディーゾ山は見えない)
画像

現地ガイド(赤い上着の女性)の話(通訳)を聞く、ツアー一行
画像

付近で見た花たちです。

     セイヨウオダマキ            ヤナギタンポポ?
画像画像

    カンパニュラ・ロンボイタリス       セイヨウヒルガオ
画像画像

 左下、セダム・ルペストレ(=ミヤママンネングサ)
 右下、アンティリス・ブルネラリア(和名クマノアシツメクサ)
画像画像

 シロツメクサとムラサキツメクサ(色が薄い)        ??
画像画像

 時計塔の近くにある駐車場でトイレ休憩。
画像

 無料トイレはここだけと言うのですが、男性用1つに女性用が1つ、しかも男性用が故障らしくドアに施錠されていました。やむなく、女性と男性が交互に使ったのですが、20人ほどだったので、予定時間より30分近くロスしました。

駐車場で見た花です

メディカゴ・サティバ(マメ科シャジクソウ属)
=ムラサキウマゴヤシ、アルファルファ
画像

エキウム・ブルガレ(ムラサキ科シャゼンムラサキ属)
=シベナガムラサキ
画像

ロトゥス・アルピヌス(マメ科ミヤコグサ属)
≒セイヨウミヤコグサ
画像

 コーニュの町から更に奥へと向かいます。
 (つづく)


8月25日に投稿予定の記事が手違いで21日に出てしましました。
次回は、観光8日目の朝に当たる6月24日の記事に戻ります(8月23日投稿予定)。

この記事へのコメント

  • なおさん

    イタリア初の国立公園をハイキングされましたか。お天気も良く眺望も素晴らしく良いですねえ。いろいろな花も咲いて楽しまれたことでしょう。
     トラベルにはトラブルはつきもの?ですが、トイレひとつしかありませんでしたか。でもまあひとつでもあれば良いですよねえ。国立公園内ではそのへんで済ませるという訳にもいかないのでしょうし、森も近くにないと隠れて、というワケにもいかないでしょう。それも良い??思い出になりますね。
    2015年08月22日 06:28
  • 信徳

    海、湖の写真は多く出て来ましたが清流の画像を初めて見たような記憶です。
    イタリア北部には清流がないのかな?とも…(笑)
    バスの車窓からも綺麗な水、冷たい水なんでしょうね。
    冷たい水を見るともよおして来ます(笑)
    台湾・高雄で夜散歩中もよおしてきて間に合わず大きな家の片隅に駆け込んで行ったら街灯が急についてビックリしました。
    2015年08月22日 06:40
  • 寿々木

    ウマゴヤシはコメツブツメクサに似た草ですね。ムラサキ色があるとは知りませんでした。
    2015年08月22日 07:10
  • tomi

    長さん;お元気で。 そうですね ヨーロッパは本当に トイレ事情が悪いです、アメリカですとこの様な事は皆無で。
    渡海の真ん中ではお金を払えばよいのですがね。

    さて 北イタリアも終盤ですか、この景色は私が行きました
    レーク マジョーレ に似て居ます、花も沢山咲いて 楽しい旅で、旅行は雨が降らなければ それで80%は満足ですね。
    下記にリンクを貼り付けました モスクワで見た ロシアンダンスしょーの スライドです、彼らのダンスも歌の声も素晴らしかったです、私達300人の為のパーテイです。

    https://youtu.be/ferR7f4AlS0
    2015年08月22日 13:24
  • river

    コーニュ(コーニェ)には高山植物1000種類以上を紹介する「パラディシア植物園」があるそうですね。植物好きには堪らないところですがツアーに植物園は組み込まれないでしょうね。
    2015年08月22日 13:53
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    この日は朝から快晴で、花を見ながらの快適なハイキングになりました、ただ、トイレのトラブルが無ければもう少し先まで行けたんですがねー。ツアー会社が分らなくとも、現地ガイドはトイレ事情をチェックしておくべきです。事実、ハイキングのために駐車した村には無料トイレがあったのですから。
    2015年08月22日 14:51
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    北イタリアは雪が降る地方ですから、雪解け水を集めて流れる川は勿論ありましたよ(笑)。
    私もトイレが近い方ですから、ハイキングの途中、一行に分らぬよう森の中に入りました。
    2015年08月22日 14:56
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    コメツブグサに似たウマゴヤシというと、コメツブウマゴヤシというのがありますね。ウマゴヤシはミヤコグサに似た黄色い花で、ムラサキウマゴヤシは青紫の花が穂状に咲いていました。
    2015年08月22日 14:59
  • 長さん

    tomiさん、コメントありがとうございます。
    ヨーロッパ人でもトイレが近い人がいると思うのですが、トイレ事情は悪いです、しかも無料トイレが少ない。トイレ事情が悪いのは、中国なんかも同様です。
    マッジョーレ湖も氷河の跡だけに両側から山が迫って、湖畔には花が咲いているという風景だったでしょう。
    ロシアに行かれたときは300名ものツアーだったんですか。
    2015年08月22日 15:05
  • 長さん

    riverさん、コメントありがとうございます。
    この記事の続きで、「バラディシア植物園」について触れる予定にしていますが、高山植物1000種以上が集められているそうです。かなり奥まったところにあるので、コーニュから往復5時間は見ないと行けません。この日、あるご夫妻がコーニュまで路線バスで入って、訪ねてきたそうです。
    2015年08月22日 15:11
  • shizuo

    そうですね、なおさんの仰る通り、「…トラブルはつきもの?」。
    想定範囲、ホントです、トイレはひとつあったのですから^^。
    グラン・パラディーゾ国立公園、
    70万ヘクタールの大自然、たくさんの野生動物、
    イタリア王国の狩場だったんですね。
    広大な自然をひとり占め、凄いですね~。
    こういう景色の中へ行くと、外国って感じしますよね。
    長さん、足下に咲くちっちゃな花も見逃さず、たくさん撮られましたね。
    それぞれの名前もちゃんと明記しアップ。
    さすがです!
    2015年08月22日 16:04
  • みっきい

    王家の狩場が国立公園になったので、野生動物や高山植物が保護されている広大な公園なのですね。
    標高3000m以上の山が連なる山々が見えて、外国の、ここはイタリアのアルプスの素晴らしい景観ですね。
    今日あたり、モンテ・ビアンコが見えるか!?と期待していたのですが、残念でした。
    トイレ事情はお国柄もありますね。
    日本のトイレはきれいになりました!
    2015年08月22日 17:56
  • 黄昏龍

    今晩は~
    本日は書き込みのお時間が早かったようで・・・
    お出かけでしたか??
    昔の欧州の王族の狩場と言うのは
    実にスケールが大きいものなんでしょうね・・・
    家康様がこの事実を知っていたら、
    日本の狩場ももっとスケールが大きいものに
    なっていたのでは?と思いますが・・・
    2015年08月22日 18:29
  • 無門

    こんにちは

    貴重な旅の時間
    30分ロスは
    もったいないですね
    それでも風景、花を堪能
    さすがです
    2015年08月22日 20:26
  • 月奏曲

    欧州の噴水と時計塔と教会の尖塔はいつ見てもいいなぁ…

    日本にはないですからねぇ…いあ近現代のはあるんだけどさw

    撮りでなんかもやはり文化・習俗の違いでて見てて楽しいですね。
    2015年08月22日 20:40
  • 長さん

    shizuoさん、コメントありがとうございます。
    人間、生理現象には勝てないところがありますから、トイレのトラブルは困ったことです。日本なら「故障中」とか、必ず表示しますが、イタリアという国もいい加減なところがあるんです。
    この国立公園は広大ですから、ほんのさわりの分分をハイキングしましたが、花はしっかり観察してきましたよ。
    2015年08月22日 21:23
  • 長さん

    みっきいさん、コメントありがとうございます。
    お受けの猟場だったお陰で、手つかずの自然が残されている場所なので、この国立公園は世界遺産に登録されても良いくらいなのだそうです。
    記事投稿の手違いが生じ、モンテ・ビアンコのご紹介は明日にしました。申し訳ありません。
    2015年08月22日 21:26
  • 長さん

    黄昏龍さん、コメントありがとうございます。
    実はこの記事、昨晩、予約投稿したつもりだったのですが、そのボタンをクリックし忘れたため、先に投稿されてしまいました。やむを得ず、今日の00:01付けになっています。
    これだけ広大な場所を猟場にして一般人を立ち入り禁止にしたなんて、かなり権力を持った王族だったのですね。
    2015年08月22日 21:30
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    往復4時間ほどのオプショナルツアーですから、そのうちの30分はとても貴重な時間ですよ。その分、じっくり写真が撮れましたけれどね。
    2015年08月22日 21:33
  • 長さん

    月奏曲さん、コメントありがとうございます。
    ヨーロッパの噴水や時計塔、尖塔がお好きですか。歴史ある古いものが多いですからね。この教会?は比較的新しいように感じましたが、良い雰囲気ですよね。
    2015年08月22日 21:36
  • mori-sanpo

    グランパラディーソ国立公園の面積は、約70万haの大自然が残されているのは素晴らしいですね。
     日本では、北アルプスを中心とする中部山岳国立公園の17万haと対比しても驚くばかりです。
     標高3000mの山々が連なる山岳景観は素晴らしいですね。
    2015年08月22日 21:46
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。
    日本の国立公園の広さを調べてみたら、28公園、合計約205万ヘクタールなんだそうです。グラン・パラディーゾはその1/3以上の面積ですから、広いですね。ちなみに、国定公園は、55公園、合計約134万ヘクタールだそうです。
    2015年08月22日 22:04
  • nobara

    100モノ、砦やお城があるなんて・・・
    京都・奈良の仏閣みたいな感じなのかしら?
    黄色のお花はキオン属の
    セネキオ・ルペストリスみたいです。
    なんだか日本の春菊みたいな葉っぱだと思いました。
    イタリーだって国土はそんなに広いとは思えないのに?その公園はかなり力を入れているのですね。
    トイレのトラブルは身につまされます((+_+))
    ご婦人方のストレスたるや大変でしたね。
    2015年08月22日 23:06
  • eko

    グランパラディーゾ国立公園は広い敷地なんですね。王家の狩猟場から国立公園になって開発の手が入らず自然がそのまま残っているとは素晴らしいですね。4000m以上の高地にあるようですね。周りの景観が素敵です。
    トイレ一つを20人で使うのは大変、無いよりはましですが…。
    高山植物がたくさん見られましたね。セイヨウオダマキが清楚な色で、可愛いです。
    2015年08月22日 23:20
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    100もの砦や城があるそうですが、写真のものは大きい方じゃないかと思います。
    やはり、セネキオ・ルペストリスと思われましたか。和文のHPがひとつしかないので、保留にしていました。学名の原文で検索したら正解のようですね。
    2000年の資料ですが、イタリアには20の国立公園あり、その総面積は150万ヘクタールで、国土面積の5%だそうです。グラン・パラディーゾ国立公園がいかに広いかが分りますね。
    2015年08月22日 23:52
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    イタリア王国の王様の専用猟場ですから、開発業者が立ち入ることすら出来なかったのでしょうね。最高峰は4061mですから、殆どが3000m以上と言うことでなのでしょう。
    この辺りの標高は1600m位なので、民家の敷地で咲く花も高山植物があったりします。
    2015年08月22日 23:59
  • はるる

    山々に草原、やはり外国ですね。
    駐車場から時計塔もいい被写体になります。
    トイレがひとつですか。ひとつでもあったのはよかったと言うべきなのかはわかりませんが、ツアーのお客さんはどなたも使用するでしょうから時間はかかります。ちょっと残念ですね。
    2015年08月23日 19:31
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ここもヨーロッパアルプスのひとつですから、被写体には事欠きません。結果論ですが、ここから1.5Km、わずか数分移動したところに無料のトイレがあっただけに、現地ガイドの情報不足が災いした感じです。
    2015年08月23日 22:20

この記事へのトラックバック