つくば蘭展の第三会場となった研修展示館の2階には、「ハチになった?ラン ビー・オーキッド」の展示がありました。
それは、世界らん展日本大賞2015の特別展示「ランの妖精・オルキス」と共に展示されていた、オルキスの近縁種「オフリス」です。
オフリスは、昆虫みたいな花だなと思ったのですが、実は「雌蜂に擬態」していたのです(詳しくは、末尾のコラム参照)。
① オフリス・フスカ (スペイン~アフリカ北部)
② オフリス・クレティカ・アリアドナエ (ギリシア)
③ オフリス・オメガイフェラ (ギリシア~トルコ)
④ オフリス・スフェゴデス・マモサ (モンテネグロ~イスラエル)
⑤ オフリス・フラビカンス(自然交雑種、マルタ島固有種)
⑥ オフリス・スペキュラム (地中海沿岸地域)
⑦ オリフス・クレティカ (ギリシア)
⑧ オフリス・ヴェルタ (自然交雑種、トルコ~ギリシア)
ラン科オフリス属
オフリス属はヨーロッパ地中海沿岸を中心とする草原に生え、約25種が知られています。蜂そっくりなので、、英語ではビー・オーキッド(Bee Orchid)と呼ばれています。なぜ蜂に似てしまったのでしょう。
雄蜂はオフリスの花を雌蜂と勘違いして交尾しようとし、その時、体に花粉がつきます。そして、花粉は雄蜂によって別の花に運ばれるのです。つまり、オフリスは雌蜂に似るほど子孫を残しやすくなるため、結果的に雌蜂そっくりに進化しました。オフリスは雌蜂に擬態しているのです。
だましのテクニック
① 花からアルカンと総称される物質を放つ。アルカンは、交尾前
の雌蜂が放つ性フェロモンと類似した物質です。
② 唇弁の形、色、光沢などが雌蜂とよく似ており、雄蜂を引きつ
ける要因になっている。
③ 唇弁に生えた毛も重要で、唇弁の毛の伸びる方向に雌蜂の
生殖器があると勘違いした雄蜂が交尾しようとする。
ちょっと気持ち悪かったですか?
最後に、同じ会場にあった、縞模様が美しいランの花を貼り付けておきます。
3月18日撮影。
(つづく)
旅行中につき、コメント欄を閉じています。
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