雪国植物園にて(2) カタクリ、トキワイカリソウ、アラゲヒョウタンボクなど

2015雪割草街道の旅(9) (4月9日)

 「雪国植物園」で、ボランティアガイドのたじまさんに案内をしてもらっています。
 雪国植物園は雪国越後の里山をそのまま利用し、高山植物・外来植物・園芸植物等を一切入れず、自然植生を大切にして造り上げた自然植物園です。
 今日までの20数年の永きにわたるひたむきなボランティア活動で山道を復活させ、そこに根付いてきた野草がのびのびと育ち広がるように、そして蝶や鳥、とんぼやホタル等が自由に羽ばたけるよう環境を整えてまいりました。 (雪国植物園のパンフレットより)

ショウジョウバカマ (猩々袴)
ユリ科ショウジョウバカマ属の多年草。カンザシバナと呼ぶ地域もある
画像
実生から2年で花芽を付け、3年目の雪解け後に花が咲く
葉の先に子株を付ける。この方が、実生より確実に増えるという
画像

オオウバユリ (大姥百合)
ユリ科ウバユリ属の多年草。花茎が伸びるのはまだまだ先のこと
画像

ヤマザクラ (山桜)
バラ科サクラ属の落葉高木。日本の野生の桜の代表種
画像

オオヤマザクラ (大山桜)
バラ科サクラ属の落葉高木。東北地方に多い野生の桜
山桜より葉が大きい
別名ベニヤマザクラ(紅山桜)、エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)
画像

カタクリ (片栗)
ユリ科カタクリ属の多年草。園内には4,5カ所に群落がある
画像
画像

コシノカンアオイ (越の寒葵)
ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草。山形県から福井県に分布
画像
ギフチョウはこの葉裏に産卵し、幼虫が葉をえさにして成長する

運良くギフチョウが飛来し、ご婦人の帽子に止まった
画像

ウスバサイシン (薄葉細辛)
ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草。山地のやや多湿な場所に生える
雪国植物園のものは見本に植栽されたもの
画像
ヒメギフチョウはウスバサイシンを主に食しているらしい

イワウチワ (岩団扇)
イワウメ科イワウチワ属の多年草。雪国植物園では雑木林の
樹陰になるところで4月上旬に咲く。結構繁殖力が強く群落をつくる
画像

トキワイカリソウ (常盤碇草)
メギ科イカリソウ属の常緑多年草
北陸、山陰の日本海側の多雪地に多く、ほとんどが白花
画像

アラゲヒョウタンボク (粗毛瓢箪木)
スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。宮城県、新潟県以西に分布
葉裏に産毛のような毛がある。別名オオバヒョウタンボク(大葉瓢箪木)
画像
画像

 4月9日撮影。
 雪国植物園(1)からの植物掲載数累計 20。
 (つづく)


この記事へのコメント

  • コスモス

    市民運動で誕生し、ボランティア活動で運営されている植物園って素晴らしいですね。
    ちょうどギフチョウが飛来したところをよく撮れましたね。
    そんなに遠くへ移動しないんでしょうか。
    2015年04月21日 13:44
  • みっきい

    雪山越後の里山を保存しようと20年は、素晴らしいことですね。園芸種は入れないのですね!
    ショウジョウバカマの葉の先に子株を付けているのはびっくり、この方が、実生より確実に増えるのですか。
    コシノカンアオイに岐阜蝶が産卵するのですね!
    ちょうど岐阜蝶が飛んできて…、帽子にとまったところをきれいに写真が撮れましたね!素敵!
    2回で植物の掲載が20にもなるのですね!
    長さん、大忙しですね。
    2015年04月21日 15:24
  • 寿々木

    亜高山帯、高山帯に生える花たちが出て来ましたね。懐かしいです。
    2015年04月21日 15:28
  • shuuter

    寿々木さんのところでヒョウタンボクをみました。
    アラゲヒョウタンボクというのがあるのですね。
    これも関西では見れませんね。
    2015年04月21日 16:32
  • 無門

    こんにちは

    ショウジョウバカマ
    葉先に小株を付ける
    面白いけど
    これも神様の知恵だろうか
    2015年04月21日 16:42
  • 信徳

    葉先に小株をもって増えるとはショウジョウバカマは凄いですね。70年間ショウジョウバカマを見てきたとは言えませんね(笑)。
    子供の頃、理科の先生もこれは教えてくれませんでした。
    2015年04月21日 17:18
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    かなり広い公園で、ボランティアが入る前は荒れ果てたところだったと聞きますから、大変なご苦労があったようです。
    このギフチョウ、ガイドさんの話だと、羽化したばかりではないかとのことです。1分以上、帽子に止まっていました。
    2015年04月21日 17:49
  • 長さん

    みっきいさん、コメントありがとうございます。
    2年前のことですが、入り口近くにナニワズ(園芸種)の鉢植えがあったのですが、ガイドさんが怒っていました。今回は見当たらなかったので、撤去されたのでしょう。
    ショウジョウバカマの子株は、親から栄養をもらって成長し、後は根を生やすだけです。
    ギフチョウが飛来してきてラッキーでした。
    2015年04月21日 17:55
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    ショウジョウバカマやイワウチワは高山帯にも分布域を広げていますね。
    2015年04月21日 17:56
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    アラゲヒョウタンボクは宮城県、新潟県以西となっており、HPによっては北海道、本州、四国の山地の林内に分布としてあるところもあり、関西でも発見できるのではないでしょうか。
    2015年04月21日 18:02
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    葉先に子株を付けるのは、ハカラメとはマザーリーフと呼ばれるセイロンベンケイソウがよく知られています。
    2015年04月21日 18:05
  • nobara

    ギフチョウ、グッドタイミングでしたね~
    近くにウスバサイシンもあって・・
    そういう環境なんですね~
    これはサプライズでしたね。
    オオバヒョウタンボクもどなたかの手で
    大きさがよくわかりますね~
    薄いクリーム色なんですね(*^-゚)⌒☆
    2015年04月21日 18:07
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    ショウジョウバカマの子株は「不定芽」と言い、2年葉の先端に出来るそうです。↓のHPに詳しいことが書かれていますので、紹介しておきます。
    http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/123syoujyoubakama.htm
    2015年04月21日 18:12
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    ギフチョウは偶然、ご婦人の帽子に止まりました。私たちは嬉しかったのですが、このご婦人は動くことが出来ず、迷惑だったでしょうね。
    ウスバサイシンはこちらには分布がなく、コシノカンアオイとの比較で植えられたそうです。
    アラゲヒョウタンボクの花を持ってくれたのはガイドさんです。
    2015年04月21日 18:17
  • eko

    越後の里山を保存しようと20年、ボランティア活動で運営されているとは素晴らしいですね。
    ギフチョウ、グッドタイミングで綺麗に撮れましたね。
    岐阜に名和昆虫博物館(岐阜公園内)にある世界の昆虫ばかりを集めた博物館で、ギフチョウが飼育されていて、3月になると羽化が話題になります。そばまで行ってまだ入ったことがないんです(苦笑)
    オオバヒョウタンボクの花の大きさも手と比べてよくわかります。
    2015年04月21日 20:20
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    例えば、杉の枝打ちとか、プロでなくては出来ないこともあるそうで、市民からの浄財も力になっているそうです。
    ギフチョウは岐阜県が本場ですものね。初めて見ましたが、綺麗な蝶でした。ぜひ近くでご覧になってください。
    2015年04月21日 20:51
  • なおさん

    いいですねえ。僕が行ったときは、あまり長い時間いられませんでしたが、ここだけ1日かけてじっくり見て回っても楽しいことでしょう。

     他のものでも茎や葉が地面に接したところから芽や根が出ることはありますね。僕はしたことがないのですが、ショウジョウバカマは葉挿しでも増やせるそうですね。

     武蔵丘陵森林公園の野草コースにはトキワイカリソウが植えてあるのですが、白も紅いのも見られます。

     イワカガミやカタクリも咲いていましたか。可憐な花はだれからも好まれます。オオイワカガミも楽しみですね。
     
     ギフチョウやヒメギフチョウを見たいものだと思うのですが、なかなか山に行けないので見る機会がありません。ご覧になったとは、裏山椎??ことです。
    2015年04月21日 21:33
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    2時間ちょっとで園内を見て回りましたが、どの植物も3枚くらい写すのがやっとという状態でした。今年は雪解けが早かったのが幸いして、花が多かったようです。じっくり見て回るには3,4時間かかりそうです。
    不定芽はセイロンベンケイとかコモチシダなんかもそうですね。
    園内のオオイワカガミはこれから咲く花のリストに入っていました。
    ギフチョウに出会えたのはラッキーでした。この後、別の場所でもう一度撮影する機会がありました。
    2015年04月21日 22:05
  • 小梨

    アラゲヒョウタンボク、ヒョウタンボクの花とは全然似てないんですね。ギフチョウに出会えたなんて、なんとラッキーなんでしょう!
    2015年04月22日 00:04
  • すーちん

    お早うございます
    ショウジョウバカマ、葉の先に
    可愛らしい芽が出てるんですね~
    初めて見ました
    2015年04月22日 07:03
  • 長さん

    小梨さん、コメントありがとうございます。
    アラゲヒョウタンボクはヒョウタンボクの花に似ていません。赤い実が二つづつつきますが、合着しないようです。
    ギフチョウは羽化したてで動きが鈍かったのです。
    2015年04月22日 07:49
  • 行き当たりばったり

    おはようございます。
    この時期見逃したお花をたくさん見せて頂きました。
    先週カタクリの花を見にいったら、みごとにみんな終わっていました。立派なカタクリの花です。ショウジョウバカマも同じ時期に咲きますね。
    2015年04月22日 07:52
  • 長さん

    すーちんさん、コメントありがとうございます。
    ショウジョウバカマの子孫の残し方は面白いですね。
    セイロンベンケイソウなども葉に子株をつけます。
    2015年04月22日 07:52
  • 長さん

    行き当たりばったりさん、コメントありがとうございます。
    今年初めて雪が少なく、この植物園でも2年前よりずっと多くの花に出会うことができました。
    今年初めてカタクリに会えませんでしたか。それは残念。
    2015年04月22日 08:54
  • GG

    長さんはポンポンとよく名前が出てきますね。
    まず、そのことに驚かされます。
    好きこそものの~とありますが、それにしてもポンポンと名前が出てきますね。
    感心します・・水仙とクロッカスの違いも分からぬ私は近寄りがたい神様のような存在と敬拝しています。
    2015年04月22日 09:52
  • 長さん

    GGさん、コメントありがとうございます。
    記憶力が衰えていますから、すぐ名前が出るのはごくわずかです。
    今回はガイドの言う名前を妻に控えてもらいました。
    そのほかは、ネットの図鑑で調べるのですよ。
    神様のように名前がすぐに出てきたらどんなに素晴らしいことか!!
    2015年04月22日 10:54
  • はるる

    ギフチョウですか。
    いいものが見られましたね。
    もう蝶も飛ぶ季節ですから。
    カンアオイうちにもありますが、これも種類があるんですね。
    2015年04月22日 20:50
  • 長さん

    はるるさん、コメントありがとうございます。
    ギフチョウに出会えたのはラッキーでした。羽化まもなくだったので、動きがスローだったからでしょうか。
    カンアオイ属の植物は世界で80種類、日本だけで50種類確認されている層ですよ。
    2015年04月22日 21:51

この記事へのトラックバック