3月21日、茨城県天心記念五浦美術館で日本画を鑑賞した後、近くにある天心遺跡に回りました。
無料駐車場近くにあった黄門の井戸です。
天心遺跡は現在、茨城大学五浦美術文化研究所として公開されています。
岡倉天心は明治36(1903)年、40歳の時に五浦を訪れ、ここの風景がすっかり気に入って、明治38年に自ら設計した邸宅と六角堂を建築し、翌年には横山大観らをこの地に招きました。
遺跡の入り口になっている長屋門です(国登録有形文化財)。杉皮を竹で押さえた屋根が100年前の面影を伝えています。
長屋門のはす向かいには天心の墓所があります。天心は大正2(1913)年、赤倉温泉の別荘で没し、東京都の染井霊園に葬られましたが、遺言により五浦に分骨されました。
長屋門を入ると左手に天心記念館があり、資料展示やビデオが上映されています。
金色に塗られた天心のブロンズ像。装束は東京美術学校創立時に天心が定めたという制服。評判は良くなかったそうですが、天心は気に入っていたらしい。
天心は釣りが好きだったようで、その際使ったという船も展示されていました。
天心記念館の隣にあるウォーナー像と覆堂です。ウォーナーは天心に師事した米国人で、太平洋戦争時、爆撃対象から奈良や京都などを外すリストをアメリカ政府に提出したことで知られています。
記念館と覆堂の間で白梅が咲いていました。
海へ向かって降りて行きます。北側には、以前泊まったことがある五浦観光ホテル別館大観荘があります。太平洋を望む温泉露天風呂が心地よかった記憶があります。
天心邸と再建された六角堂を見に行きます。六角堂は下の写真の右手に建っています。
(つづく)
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水戸市植物公園の鑑賞大温室にて(2)
アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)
マメ科の落葉低木。和名はカイコウズ(海紅豆)
アストロフィツム・ミリオスティグマ
サボテン科。和 名,はランポウギョク (鸞鳳玉)
アロエ・ジュクンダ
ユリ科。ソマリア原産の小型アロエ
ルエリア・グラエキザンス
キツネノマゴ科。原産は南アフリカ
マメ科の落葉低木。和名はカイコウズ(海紅豆)
アストロフィツム・ミリオスティグマ
サボテン科。和 名,はランポウギョク (鸞鳳玉)
アロエ・ジュクンダ
ユリ科。ソマリア原産の小型アロエ
ルエリア・グラエキザンス
キツネノマゴ科。原産は南アフリカ
3月21日撮影。
(つつく)
この記事へのコメント
無門
遺言に残すほど
気にいっていた五浦
芸術に対する慧眼
如何に日本の芸術文化を
現代に残すことに貢献したことか
長さん
東京には西洋文化に飲み込まれてしまいそうな状況を感じて、この地に東洋美術の新境地を求めたようです。
nobara
東京芸大の天心さんの像のまわりにはカリンの大きな実がゴロゴロ転がっていましたが・・・
五浦のお墓は土饅頭みたいで素朴ですね~~
以前泊まられた大観荘。絶景ですね。
アロエは今頃咲くのでしたか?
我が家にも似たような花を付ける子がいます。
shuuter
日本の近代芸術の基礎を創った人ですね。
ウオーナーさん アメリカ政府に 奈良と京都を爆撃に対処から外すように進言した人ですか。
現在の奈良と京都が残ったのですね。
eko
ウォーナーさんのおかげで京都・奈良は爆撃されすに済んだのですね。話には聞いていましたが、名前は初めて知りました。
大観荘の見える太平洋、素敵な景色です。
アストロフィツム…は外観とは違い、黄色の可愛い花ですね。
黄昏龍
宿泊した頃のことを思いだしましたねぇ~
その時に感じた事は茨城の海は冷たいなぁ~
と感じた記憶があります。
ホテル近くの景色はあまり変化は
ないようですが・・・
六角堂が津波の被害を受けた時
は県内でも大きな話題となりましたねぇ~
天心はこの海岸線の何処が気に入ったのでしょうかね??
天国に出向いた時にでも訪ねてみたいものです。。」
長さん
五浦を案内された天心はこの地を一目惚れしたようです。
東京芸大の前身が東京美術学校ですよね。
染井霊園にある天心の墓地も土饅頭型だそうです。
アロエ・ジュクンダの花の画像はグーグルで検索しても殆ど出てきませんので、花は貴重かも知れません。
長さん
東京芸大の前身となる日本美術学校を創設した人ですね。日本画の復興という狭い枠ではなく、東洋文化を世界に発信した人でもあったようです。
古い日本文化が集中する京都・奈良が空襲から逃れた恩人がウォーナーさんだったのですね。
長さん
五浦の風景は天心の理想とする風景だったのかも知れませんね。
日本の古いお墓はこのような土饅頭だったそうですよ。
奈良・京都は日本の古い文化が凝縮された地ですから、それが残ったのはウォーナーさんのお陰ですね。
多肉植物やサボテンの花って、意外に綺麗なんですよ。
長さん
五浦の海は冷たく感じましたか。私たちが泊まったのは何月だったか忘れてしまいましたが、太陽がさんさんと降り注ぐ露天風呂だった記憶があります。
五浦と六角堂は北茨城の象徴みたいなものですから、六角堂の再建が1年ちょっとで復元されたのは良かったですね。
天心は一目惚れしたこの地を、これこそ日本画の風景と思ったようです。
行き当たりばったり
みっきい
京都・奈良への爆撃がなかったのが、天心に師事した米国人ウォーナーだったというのをしりました!
デイゴの花を初めて見た鹿児島で、「これは何の花?」と聞いたのが印象に残っています。
茨城、水戸と良い所ですね!!
ケン坊
長屋門も天心のお墓も...懐かしく見させて頂いております。まだ4年しか経ってないのに>笑<
五浦海岸の景色は太平洋を望むもホテルを望むも”絵(写真)”になりますよね~
長さん
今回は、天心記念美術館とここの天心遺跡で転身の偉業をあらためてがくしゅうしました。
温室の花、いつ行っても楽しいです。
長さん
天心が日本美術の発展に尽くしただけでなく、国際人だったことも学びました。奈良や京都の遺産を守ってくれたのもその成果の一つでしょう。
デイゴの花、面白い花です。
長さん
4年も経ったらもう懐かしいの範疇でしょうね。私なぞ、前回はいつ来たのか忘れていますから。
五浦の海は岩あり、砂浜ありで、天心が好きになるのもわかるような気がします。
mori-sanpo
鸞鳳玉というサボテン、珍しい質感をしており、花もなかなか良いですね。
長さん
風光明媚という点では他にも良いところがたくさんあると思うのですが、天心の心に響いた風景と言うことなんでしょうね。
鸞鳳玉の表面には白いぶつぶつがたくさん出来ています。空気中から水分を吸収する役目をしているのではないかと想像しています。
すーちん
奈良、京都に爆弾投下していたら
恥ずかしい事になっていたでしょう
アメリカデイゴ好きな花ですね
長さん
奈良・京都が爆撃を逃れたのを喜んでばかりはいられません。戦争を始めた日本帝国主義の罪は重いです。
アメリカデイゴの花の形は、とてもユニークですね。
ポン太
長屋門も端正な美しさがあります。またお墓の土饅頭はなんだかほのぼのとします。新しくきれいな花が供えられていますね。京都、奈良が爆撃を受けなかった話は聞いていましたが名前は初めて知りました。
長さん
天心は五浦の海岸をみて、これこそ日本画の風景と感動したようです。
長屋門は現在も補修しながら使われているそうで、その方が痛みが少ないのではないかと思います。
京都・奈良の文化財が守られたのはこの人のお陰だったんですね。