松岡美術館 絵画の旅(2) 西洋の風景②

 松岡美術館で展示されていた「松岡コレクションでめぐる旅」(2013/10/3~12/23)の「絵画の旅 西洋の風景・東洋の風景」で見た絵画を紹介しています。   (解説は美術館の案内板から)

旅愁 大國章夫(大正12年~平成18年)

昭和57年(59歳)、第46回新制作展、油彩・カンバス、130.0×194.0cm
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私はパリの庶民街に住み、窓の映り動く空の映像に。その日その日の感情を
整理しつつ、絵を描き、古きシャンソンを口ずさみながらフライパンに油をたらし、
馬鹿の一つ覚えのポークソテーを焼いた。
床に並んだワインの空瓶はその時々の日記であった。そのボトルのなかにふと、ブルターニュの
夕陽が映り、ノルマンディーの港町で見た美しい娘さんの瞳が見え、枕辺で聞いた遠い海の
潮騒が聞こえたり、枯れ葉の舞う林の径を想起したりした。
古典図録より 本作に寄せられた作者の言葉



河沿いの村 大國章夫(大正12年~平成18年)

昭和60年(62歳)、第49回新制作展、油彩・カンバス、130.0×194.0cm
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ここに描かれているのは、ブルターニュ半島の内湾に面したオレー(オーレイ)という港町。
全景のサン=グスタン橋は13世紀創建で、現在のものは15世紀に再建されたもの。
橋を渡った奥に見えるのは、二つの教会の尖塔です。
作者は、日本人をあまり見かけないこと地を大変気に入っていて、
何度も訪ねて描いたと語っています。



トレドの裏通り 志水破魔雄(大正3年~平成24年)

昭和47年(58歳)、第4回日展、油彩・カンバス、162.0×131.0cm
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マドリードから日帰りで観光できるトレドは、一年中観光客でにぎわう町。
エル・グレコの美術館や壮麗なトレド大聖堂、そして、伊里君が露地が人々を魅了します。
まだ人影のないのは早朝だからでしょうか。ラフなタッチで仕上げた趣のある
古びた外壁には、鉄の窓格子としゃれた灯り。裏通りを歩いていても、
大聖堂の高い尖塔が旅人を案内してくれます。



サン=ベルナール(アン県)の教会 モーリス・ユトリロ(1883~1955)

1930年頃(47歳頃)、油彩・紙(カンヴァス上)、51.0×44.5cm
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ユトリロは1925年からの10年間を、この教会近くのサン=ベルナールの城館で過ごしました。
アルコール依存症の治療として始めた絵画制作で人気作家となったユトリロは、作品の売上で
購入されたサン=ベルナールの城館で絵を描き、完成した作品は、パリに住む母ジュザンヌ・
ヴァラドンと、ユトリロの親友で今や継父となったユッテルのもとへ送られました。
ユトリロは、この地でキリスト教の信仰を深め、祈りを捧げる
かのように教会を繰り返し描いています。



 今年の更新は今回で最後になります。続きは新年3日から始めます。
 一年間、多くの方々にお訪ねいただき、また、コメントや気持玉をたくさん頂戴し、誠にありがとうございました。
 皆様、よいお年をお迎えください。


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