南イタリア旅行記(14) 9月29日(日) その6
ポンペイ遺跡の見学を続けます。
煉瓦の柱にレリーフがあります。細長いつぼを運ぶ姿で、運送屋さんのマークだそうです。ここは四つ角、立地条件が良く、繁盛したかも。
商店の扉は引き戸だったそうで、その証拠が間口に並んだ石に残るすり減った溝。
フォロの浴場とその天井です。一般の家の天井は木材が使われていたので、燃えてしまいましたが、ここは見事なレリーフが残っています。
フォロの浴場に残る噴水盤です。周りにはめこまれた文字は選挙用の宣伝文句だそうです。温浴部屋の壁は熱が逃げないよう二重になっていました。
居酒屋のカウンターだそうです。立ち飲みですね。テラコッタのつぼにワインや果物を貯蔵して販売していたそうです。
悲劇詩人の家と名付けられたこじんまりとした家の玄関には番犬のモザイクがあり、手前に「猛犬に注意」と書かれています。右下は本物の犬。野犬が住み着いているのだそうです。
中庭のある貴族の家です。中央に雨水を溜める池があります。
水道管は鉛製。鉛害など分からなかった時代です。車道は排水路を兼ねており、排水口も見られます。
荷車の轍の跡です。酷くすり減った場合は、舗装工事もされたのだそうで、溝の浅い敷石も見られます。
曲がり角には歩道をガードする石がはめこまれ、歩道際にも所々にガード用の石が。
水道は引かれていたものの、各戸に行き渡っていたわけではなく、生活用水はこうした水飲み場に頼っていたようです。水を飲むために手を置いたところがすり減っていました。蛇口は発掘後に付けたものでしょう。
パン屋さんだそうです。丸い挽き臼が残っており、奥にはパン焼窯がありました。
こういう遺跡には強い興味があるものですから、もう1回続けさせてください。
(つづく)
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この記事へのコメント
ポン太
長さん
2000年も前にこれほどの文明があり、反映した暮らしぶりが分かる遺跡があるとのは、一瞬にして火砕流と火山灰に埋まってしまったからなんですね。
なおさん
信徳
寿々木
すーちん
石材で作られていたのでこうして
発掘され、街並みや生活を垣間見る
事が出来、興味湧きますね
mori-sanpo
以前に、100年ほど前のメッシーナの大地震で、7万人もの死者が出たということを小説で読んだことがありましたが、石造建造物の文明にも、火山の爆発や地震による震災もあるんですね。
りりい
夏のイタリアは暑くて、作業も滞りがちだったことと思います。
轍の跡とか生活感を感じます。生活がそのまま残されていて、歴史を学ぶには最高の場所ですね。ますます行きたくなりました。
長さん
遺跡の発掘は18世紀中頃から始まり、今も続けられているらしいです。ですから、250年以上続いているんですね。
火砕流の速さは時速100km以上と言われており、住民は到底逃げられず、そのままの姿が残ったのでしょうね。
長さん
世界史的にも重要な遺跡とわかったので、発掘にも力が入ったことでしょうね。
長さん
当時ここはローマの植民地だったそうで、貴族の別荘も作られたようです。猛犬注意なんて今でもありますよね。
長さん
石造りの文化だったので、高熱の火砕流にも耐えられたのですが、2階の床や屋根は木造だったので、崩れてしまったのは残念です。
nobara
一瞬にして埋まってしまった事実に想像もできません。なんか~動きのある状態で残された人?とかも見ました。びっくりしてしまいます。
長さん
ポンペイの高度な文明には驚かされます。
メッシーナの地震は1908年のことで、津波も町を襲ったということです。イタリアも火山国なので、日本ほどではないものの、大地震があったようです。
長さん
発掘が始まったのは18世紀中頃からだそうですから、相当長期間ですよね。時間は十分、イタリア人でもOKでしょう。
ツアーで見るのはほんの一部分、全部見るには一日でも足りないとか。
長さん
海外でのポンペイ遺跡の展示は運べるものだけですから、現地で見るのと大違いだと思いました。この遺跡とナポリの国立考古学博物館の両方を見ると最高だそうです。逃げる途中の人、悶え苦しむ犬、子供をかばう親などの石膏も見られるそうですよ。
eko
長さん
日本でいえば弥生時代ですから、当時の文化の高さには驚きます。車道は下水道の役割もしていたので、横断歩道が必要だったのです。
無門
ポンペイで驚くのは
石の減り方ですね
数百年使われたのだろうかと
想像されます
長さん
道路の轍の後や、水飲み場で手をついた跡など、すり減り方は尋常ではありません。年月もそうでしょうが、いかに多くの人や車が通ったかでしょうね。
shuuter
パンの粉を挽く石臼や石窯興味ありますね。
石窯 今のピザを焼くのと同じスタイルですね。
長さん
石臼で粉を内をて、パン粉をこね、窯で焼く、今もそんなスタイルのパン屋さんがありますね。
行き当たりばったり
長さん
発掘は18世紀に始まったといいます。これだけの規模の遺跡ですから、掘れば掘るほど新たな発見があったことでしょうね。発掘者も高度な文明に驚いたことでしょう。