鳥海山麓・獅子ヶ鼻湿原(3) 奇形ブナ「あがりこ大王」

夏の東北バスツアー(14) 第2日目(7月24日、その6)
 鳥海山麓にある中島台レクリェーションの森を歩いています。
 奇形ブナが散在する中を歩いていると炭焼き窯がありました。
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炭焼き窯
 ブナの森を利用した炭焼きは、江戸時代末期より行われてきました。
 現在、中島台レクリェーションの森では、炭焼窯跡が26コ発見されていますが、中でもこの釜は今でも使用で来るほど完全な形で残っています。
 この地域では、一度伐採したブナが萌芽し成長すると再び伐採(90年位のサイクルで)しましたが、再度萌芽するように何本かは残して切ったことが明らかになっており、炭焼がブナの奇形の原因との説がもっとも有力になっています。(森林官署書の立て札より)

 やがて小高いところに1本の巨大な奇形ブナが見えてきました。あがりこ大王です。
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あがりこ大王
 全国の数ある巨樹・巨木の中から「森の巨人たち百選」に選定された“あがりこ大王”は、中島台レクリェーションの森の主とも言える樹形を誇り、幹周りは7.62メートルで奇形ブナとしては日本一の太さです。
 “あがりこ大王”の命名は、幹が上がったところで、子に分かれている形から名づけられました。(案内板より)

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 近くで見たエゾアジサイ(蝦夷紫陽花、アジサイ科)です。
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 奇形ブナを見ながら同じ道を分岐まで戻ります。次は、鳥海マリモを見学します。
 (つづく)

この記事へのコメント

  • ポン太

    隅や木がブナの奇形の原因だったのですね。でもすべての枝を切ってしまうのでなくいくらかは残しておくというのは昔の人の知恵だったのですね。
    あがりこ大王、すご~い貫禄です。まさしく森の巨人ですね。また「あがりこ大王」という名前がいいですね。
    2013年08月09日 23:32
  • 長さん

    ポン太さん、コメントありがとうございます。
    積もった雪の上に出たブナの枝を伐採し、残った切り口から芽が出る、とう繰り返しで奇形ブナが出来たのでしょう。根こそぎ切り取らずに幹を残したのは先人の知恵なんでしょうね。
    2013年08月09日 23:53
  • 春夏冬

    Bonsoir
    見る価値のある樹
    素晴らしい(⌒-⌒)ニコニコ...
    大樹 (^ー^)ノ☆*.。
    2013年08月10日 01:21
  • なおさん

    伐採した雑木林の萌芽更新や北山杉の台木仕立てと同じような仕組みで、このような形になったというのは興味深く面白いですよね。雪国では、積雪の圧力で枝も曲がることがありますので、人の手と雪とブナの共同作品ですね。

     ハワイの大王様も貫禄がありますが、こちらも大王様とお呼びっっっ!というにふさわしい貫禄がありますよねえ。
    2013年08月10日 05:42
  • 長さん

    春夏冬さん、コメントありがとうございます。
    奇形ブナはこのあたりにたくさんありましたが、やはりあがりこ大王の迫力は凄いものでした。
    2013年08月10日 07:57
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    幹が上がったところで枝分かれしているのは、そのあたりまで雪が積もっていて、雪から出た部分を伐採したということなんだそうです。そのうちの何本かを切らずに残しておいたら、こんな奇形ができたのですが、若いうちに積雪で曲げられることもあったのでしょうね。
    それ、女王様とお呼びの間違いでは(笑)。
    2013年08月10日 08:05
  • 寿々木

    ブナの奇形ですか、面白い格好です。炭焼きの釜とは縁の無いところで育ちましたが、何だか懐かしい気がします。
    2013年08月10日 08:18
  • mori-sanpo

    あがりこ大王の樹形と炭焼き窯を見て、奇形の原因は納得しました。
     ミズナラなどですとすぐに納得できる現象ですが、ブナの大木の萌芽は珍しい現象だと思います。自然の要因と人為的な要因が複合して、このような奇形の巨樹ができたのでしょうね。
    2013年08月10日 08:47
  • Tatehiko

    坦々と戸外の花写真風景をアップされる元気に敬服します。
    日が落ちてからでないと戸外に出られない日が続きます。
    昨夜など友人宅に出向きますと・・・要件よりも「暑いなぁ~」と口を突いて出てしまいます(大笑い)
    2013年08月10日 09:12
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    炭焼と奇形ブナが関係していたとは意外な感じを受けました。炭を大漁に作るのではなく、こうした小さな窯で必要な分だけ作っていたのでしょうね。
    2013年08月10日 09:28
  • 長さん

    mori-sanpoさん、コメントありがとうございます。
    この地方は春遅くまで残雪があるので、雪を掘ってまで伐採することはなかったのでしょう。その後、雪解けと共に切り口から芽生えたのでしょうね。
    2013年08月10日 09:31
  • 長さん

    Tatehikoさん、コメントありがとうございます。
    まだまだ続きますから、坦々とというより、延々とと言った方が良いかも(笑)。
    東北地方の気温は蒸し暑い今にして思うと、天国でしたよ。
    2013年08月10日 09:33
  • shuuter

    「あがりこ大王」見事なブナの木ですね。

    一度四国のオオヤマレンゲの花を見に連れて行ってもらったことがあります。
    案内人 の名刺の裏に「森の巨人たち百選」のイヌザクラとトチノキ 高知県物部村 が記載されていました。

    蝦夷紫陽花 いい趣があります。
    2013年08月10日 10:28
  • ビデオ楽し

    自然の営みの中での奇形ブナ「あがりこ大王」のブログアップ紹介、実に感動的です。 いつも楽しみに拝見させて戴いています。
    2013年08月10日 10:30
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    森の巨人たち百選に興味があったので調べてみたら、高知県にはご紹介の2本の他に3本、四国全体では7本登録されていましたよ。
    2013年08月10日 10:54
  • 長さん

    ビデオ楽しさん、コメントありがとうございます。
    当時の炭焼の人たちはこうした奇形ブナを目的にしたわけではありませんが、ブナの木を大切にしたからこそ生まれたものだったのですね。
    2013年08月10日 10:56
  • りりい

    奇形ブナは本当に腰をかけて、炭焼きのおじいさんが、一休みするのにいい感じです。
    南アルプスの外れの山に登った時、樵さんの小屋や炭焼き小屋を見かけたことがあります。
    でも、こんなに古い炭焼き釜が、よく残っていたものですね。
    2013年08月10日 11:15
  • 長さん

    りりいさん、コメントありがとうございます。
    あがりこ大王には樵のおじさんがたくさん休憩できますね。
    この炭焼竈は石がしっかり組まれていて、完全なドーム型をしているので、風雪に絶えたのでしょうね。
    2013年08月10日 13:41
  • 無門

    こんにちは

    人と自然との共生が
    こんな不思議な森を作り上げ
    無言の教えを後世に残していますね
    感動を覚えます
    自然と人との
    コラボ彫刻のようです
    2013年08月10日 15:26
  • ケン坊

    こんにちは。
    ぅわ~暑い! 茹だるような暑さに今日は何処にも行けず! 山の写真を整理してます...
    ところでこの”炭焼窯”は使用時そのままって感じがします。保存状況が良いですね~

    奇形ブナという分類があるんですか? 初めて知りました...その分類で日本最大! あがりこ大王という大王の文字に笑っちゃいます。
    90年サイクルで(根元から)伐採するので、炭焼きが原因とする説に何となく納得です。
    2013年08月10日 16:32
  • nobara

    あがりこって名前を冠したブナ、凄いです。
    何か、色々なものが憑りついてるような?
    目に見えるものも、見えないものも含めて・・
    木立の木漏れ日さえも神々しい・・・
    エゾアジサイもしっとりとしています。
    山の中に楚々と咲くいいお花ですね。
    2013年08月10日 17:27
  • eko

    炭焼きが奇形ブナの原因だったのですね。
    江戸末期の炭焼き窯跡がそのまま残されているのにも驚きました。
    あがりこ大王、さすが見事な巨木ですね。周辺に神々しい空気が流れているようです。
    エゾアジサイ、何度見ても素敵ですね。
    2013年08月10日 19:41
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    自然から恵みをもらった人たちが自然に恩返しをした記念碑ですね。
    後世までも伝えてもらいたいと思います。
    2013年08月10日 22:12
  • 長さん

    ケン坊さん、コメントありがとうございます。
    今日は暑かったですね。町内会のお祭りで、16時頃から4時間ほど立ちっぱなし。その間、水分を1リットルほど補給しましたが、全部汗になって出た感じです。
    立て札には書かれていませんでしたが、残雪の残るブナ林で残雪の上を伐採して、少し刈り残したとする説もネットで見つかりました。これも頷ける話です。
    2013年08月10日 22:16
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    あがりこ大王が立つ所は周囲から少し小高いところです。この木を選んで切り残したのではないかと思われ、炭焼の人たちは昔からこの木に敬意を表していたのかもしれませんね。
    周囲が薄暗いので、このエゾアジサイは輝いているように見えました。
    2013年08月10日 22:21
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    この炭焼窯は作り方が丁寧だったのでしょうね。傍らにブナの大木が立っており、風雪から守ってくれたような気もします。
    あがりこ大王、周囲を圧倒していましたよ。
    2013年08月10日 22:23
  • 小梨

    あがりこ大王っていうんですか、すごいですね~。
    2013年08月11日 21:34
  • 長さん

    小梨さん、コメントありがとうございます。
    凄いブナの木でしょう。森の巨人にふさわしいと思います。
    2013年08月11日 23:15

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