場所が分かりにくいとのことなので、成田市在住で何度も通われているというユザワさんに北総公団線の印旛医大前駅まで迎えに来て頂き、現場まで案内して頂きました。
1月初旬で1000羽を超え、現在では推定1300羽以上とのこと。何故こんなに増えたのか、その経緯を含めて毎日新聞の千葉版に記事が載ったので、興味のある方は記事末尾の囲みをご覧ください。
飛来するのは主としてコハクチョウ(下の写真の上、嘴の黒が目元まで続く)、続いてオオハクチョウ(同左下、コハクチョウよりやや大柄で、嘴の黒は先端だけ)。近年はアメリカハクチョウ(同右下、嘴が黒のみ)も見られ、ソデグロヅルも飛来するといいます。
私たちが訪れた15時過ぎは約4、500羽。4つのグループでした。左下は、水田に水を入れ、白鳥のねぐらとされている場所にいるグループ。他のグループは3つに分かれて田んぼで稲のひこばえを食べていました。右下はそのうちの一つ。
第1グループのムービーをYouTueにアップしました。白鳥の鳴き声があちこちから聞こえます。風の音も強いのが分かって頂けると思いますが、とにかく寒かったです。
WEB版はこちら → http://www.youtube.com/watch?v=oxEWUy9uLNE
あんぐる@千葉:印西、白鳥の郷/千葉
毎日新聞 2013年01月16日 地方版より
見渡す限り田園風景が広がる印西市笠神に、約1000羽もの白鳥が越冬する飛来地がある。日が傾く午後4時ごろには、水田を「ねぐら」とする白鳥が集まり、水が張られた約7000平方メートルの水田が、白鳥によって埋め尽くされる。
飛来地誕生のきっかけは、92年、地元の鳥獣保護員だった出山光男さんが6羽を確認、毎日3回、同じ時刻に同じ服装でえさを与え続けたことだ。
翌年には12羽が飛来し、餌付けは成功。38羽まで増加した95年には「本埜(もとの)の白鳥を守る会」が誕生し、出山さんが初代会長に就いた。
しかし、活動が軌道に乗り始めた99年、出山さんは81歳で亡くなる。野辺送りの時、葬列の上を6羽の白鳥が飛んだという。その後、活動を引き継いだ次男の輝夫さん(64)は「ボランティアの協力もあり、飛来数は05年には1000羽を超えるまでになりました」と振り返る。
輝夫さんが子供のころは、近くの印旛沼に通じる川には、フナ、タニシ、カエルなどが生息していたが、近年の農業近代化で排水路もコンクリートで固められた。白鳥の飛来は、そうした「失われた自然を取り戻す運動のきっかけになった」という。
たとえば、農家の協力で飛来地の周囲1キロで水田の減農薬が進められた。「1日2回まく180キロ程度のえさでは1000羽分はとてもまかなえないが、白鳥のフンが肥やしとなり、えさとなる生物が増えた。病虫害や雑草も少なく、コメ作りの有機栽培を支援する形にもなっているそうで、白鳥が増えて困るという声はなくなりました」(輝夫さん)
約500人の守る会会員を含め周辺住民の協力は、今も変わることなく続く。近くの小学校の児童からは、餌となるクズ米や義援金が贈られただけでなく、児童らの白鳥への思いが書かれた竹の棒が、飛来地を守るように立てられていた。
飛来する白鳥の多くは主にシベリアや中国大陸北部に生息し、冬には日本などに渡るコハクチョウ。来月下旬には、再び、大陸へ飛び立つ北帰行が始まる。【橋口正】
(つづく)
この記事へのコメント
なおさん
白鳥はいにしえから餅の的が変じた話やら、ヤマトタケルの話やら、神聖なものとされてきたようですね。
保護の甲斐あって、多く飛来するようになったとは良いですね。
埼玉でも川本町にハクチョウ飛来地がありますが、ここでは餌付けはやめたそうです。
長さん
ここも一頃は餌やりをやめたらしいですが、復活しているようです。午後4時すぎに餌をまくらしいとのことで、待っていたんですが、手が凍えて我慢できなくなりました。
nobara
それを維持、保護、大変なご苦労がうかがえます。
出水も相当、大変らしいですもんね~(実態は)
鳥インフルなど心配もありますが。
こうやって皆さんが訪れてくださると
街も活気が出て~プラスの面もありますね。
千葉とはいえ、お寒かったでしょう?
寿々木
長さん
最初は偶然の飛来だったようですが、ここまで多くの白鳥が来るようになるまでのご苦労は大変だったことでしょうね。着るものは防寒対策をしていったのですが、手袋越しではカメラの操作ができないので、手が凍えました。
長さん
ここは、普段は水田なのです。冬の間だけ水を張って、白鳥のねぐらにしている訳です。
湖だと深いので、白鳥は寄りつかないそうです。
eko
shuuter
共生関係にあると長く続きますね。
白鳥以外も増えてるようですね。
いつまでも白鳥が飛来してほしいですね。
あうら
YouTube拝見しました。白鳥の鳴き声も、そして風の音も!本当に寒い中大変さが伝わってきます。
白鳥の飛来する湖は守っていくのも大変な努力ですね。
ミックン
白鳥がやってくるなんて、素晴らしいことですね
画像を見てると一度も見たこと無いので
一度は行ってみたいですね
印西なら、蕎麦の花を見に行った事があるので
案外交通の便も良く行きやすいですよね
寒い中ご苦労様でした
ミックン
印西の白鳥飛来地、ビックリしました
秋に赤蕎麦の花を見に行ったことがあるので、その先かと思われます
一度は見ておきたいものです
寒さ厳しいとき、ご苦労様でした
ポン太
白鳥が美しいだけでなく、風景自体が美しくなる。
六羽の白鳥の餌付けから始まって何千という数の白鳥が毎年飛来するようになるまでいろいろ苦労があったのですね。
風のすごい音も良くわかりました。
いいものを見せていただきました。
信徳
長さん
餌付け開始から20年以上で200倍以上に増えた計算ですね。当初は個人の努力だったのですから大変だったことでしょうね。
長さん
付近の水田所有者にも理解と協力が広がったことは、白鳥たちにとって喜ばしい環境ですね。
長さん
農薬が多く使われている水田に降りてくる白鳥には多分害が及ぶことと思われます。そのてん、ここなら安心して降りてこられます。
長さん
コメントがダブって入っていますが、また、ビッグローブが不調なようですね。
印西市にそばの花を見に行かれましたか。北総花の丘公園でしょうか。
場所がちょっと分かりにくいので、次回の記事に地図を張り付けましょう。
長さん
白鳥が優雅に泳ぐ姿は美しいものです。但し、鳴き声が聞こえるとちょっと幻滅しますけれど。
守る会の会員がふてくれると良いですね。
長さん
このところ、鳥インフルエンザのニュースを聞きませんね。
ここは県内ではよく知られている飛来地なんです。
毎日えさを与えているようですが、問題はなさそうです。
hanasaku
凄い風の音でした!
寒かったのではありませんか?
最初は6羽だったのですね。
それが1000羽越えるまでに増えたって凄いです。
水の回りの棒は何かなと思っていたら児童さん達が書かれたのですね。
何て書いてあるのかな?
きっと可愛い事が書いてあるのでしょうね!
自然との共存が実現したのですね。
ケン坊
ハクチョウの飛来地...しかも1300羽以上とは凄いですね。この池は個人所有の池なんですか?
ムービー見ましたよ。その場に居るような雰囲気になっちゃいますね。ハクチョウの着水シーンが見事です。
それにしても迫力ある数ですね。
長さん
寒かったです。風速1mで1℃体感温度が下がると言われていますので、完全に氷点下です。
竹の杭には「ゆっくり休んでいってね」とか「えさを食べてげんきにしてね」など、近くに小学生の思いが書かれていました。
長さん
ここは個人所有の田んぼです。この時期だけ水を張って白鳥のねぐらにしているんです。
日中はあちこちにえさを探しに行っており、3時過ぎから続々と帰ってきます。5時過ぎなら壮観でしょうが、辛抱できませんでした。
あいべん
渡り鳥自然環境の急激な変化で人間が
手を差し伸べないと飛来しにくい状態が
全国各地で起きていますね。
こうして飛来数が増えるのはやはり何らかの
努力で食料(餌さ)が確保できてるからですね。
野鳥撮影APS-サイスでも500mm欲しいでしょう。
長さん
田んぼや浅い沼地がどんどん減って、渡り鳥が寝ることができる環境が激減しているそうですね。
ここは守る会が組織され、餌調達のための資金集めをしています。
250mmまでのズームを持って行きましたが、ちょっと不足しますね。