小石川七福神巡り(10) 源覚寺(毘沙門天)

 伝通院から東へ400数十m、広い通り(えんま通りと言うそうな)を後楽園ドームを目指して200mほど歩くと、右手に毘沙門天を祀る源覚寺(文京区小石川2-23-14)があります。
 こんにゃくゑんまと朱書きされた石柱が立っており、正面に閻魔堂がありました。
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 常光山向西院源覚寺は寛永元年(1624)開創されました。本尊は阿弥陀三尊(阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩)。特に徳川秀忠、徳川家光から信仰を得ていたそうです。
 写真は閻魔様の座像です。
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こんにゃく閻魔のいわれ>(源覚寺のHPから)
 源覚寺の閻魔さまの右目部分は割れて黄色く濁っています。それにはこんな言い伝えがあります。
 宝暦年代のころ(1751年〜1764年)、眼病を患った老婆が閻魔大王に21日間の祈願を行ったところ、夢の中に大王が現れ「願掛けの満願成就の暁には、私の両目の内、ひとつを貴方に差し上げよう」と言われたそうです。
 満願の日に、老婆の目は治りました。以来、大王の右目は盲目となりました。 老婆は感謝のしるしとして好物の「こんにゃく」を断ち、それを供えつづけたということです。
 このことから、源覚寺の閻魔さまは「こんにゃく閻魔」と呼ばれるようになり、眼病治癒の閻魔さまとして人々の信仰を集めています。

 焔魔堂の右手奥に毘沙門堂が立っており、木彫りの毘沙門天が鎮座していました。
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 毘沙門堂の左手奥には、源覚寺が開創される前からあったという塩地蔵尊が祀られています。治したい部分に塩につけるとご利益があるそうで、半ば塩に埋もれています。右下は、お札所で御朱印を貰っているところです。
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 左下は、戦前にサイパン島に渡り、テキサス州で発見されたという汎太平洋の鐘。境内にカクレミノの木がありました。若木は葉の形に変化が多いことで知られています。
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 次回は、後楽園にある福禄寿です。
 1月9日撮影。
 (つづく)


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永井画廊

画像 1月19日に銀座で開かれていた「第67回JOGA洋らん展」(1/20まで)を妻と見に行ったのですが、会場に入る前に腹ごしらえ。「中華じゃいやだ」というので、ビルが建ち並ぶ中、ちょっと時代から取り残されたようなお寿司屋さんに飛び込みました。
 それが右の写真の二葉鮨さん。美味しい握りをつまみながら女将さんに伺うと、昭和26年の建築だとのこと。すると築60年以上!中の造作もそのままに、丁寧にお使いのようでした。
画像 カウンターの左側に並んだ3人のお客さんのうち、一番手前の方に見覚えがあります。3人さんが帰られた後、伺うと、やはり・・・。「開運!なんでも鑑定団」で西洋画や彫刻の鑑定を担当されている永井龍之介さんでした。
 よく来店されるのかと伺うと、「うちの裏が画廊だからね」とのこと。
 洋らん展の帰りに永井画廊を撮ってきました。

この記事へのコメント

  • なおさん

    今回は毘沙門さまですね。こんにゃくゑんまの話は聞いたことがあるのですが、お参りしたことはないのです。目の病に御利益があるのですね。川越の時の鐘の下にも目に御利益のあるちいさなお社があります。
     塩に埋もれかけたお地蔵様も面白いです。こちらも御利益があるのでしょうね。

     銀座にラン展を見にお出かけされましたか。いいですねえ。昔の趣のお寿司屋さんもいいですが、銀座ときくと、回転していないお寿司屋さんは小心者??ですので、なかなか入れません。
     永井画廊も見て来られましたか。
    2013年01月21日 05:43
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    毘沙門天はやはり、甲冑を着ていました。同じく固いイメージの閻魔大王とこんにゃくが結びつかなかったのですが、お婆ちゃんの大好物だったとはね。
    塩地蔵とは変わったお地蔵さんです。塩が袋のままお供えしてあるのが面白いです。
    銀座のお寿司屋さん、値段表が無いので、入ってから恐る恐る一人前の金額を聞いちゃいましたよ。
    2013年01月21日 08:30
  • 寿々木

    源覚寺にカクレミノがございましたか、幼木からは想像出来ない葉の形ですね。簑の格好をした葉もありますね。
    2013年01月21日 08:58
  • 信徳

    越後の魚沼地方は大きな毘沙門堂が沢山あって毘沙門天が鎮座していました。上杉謙信の関係です。それだけに毘沙門天を見ると子供の頃が懐かしく思い出されます。
    2013年01月21日 09:22
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    狼煙山でご覧になったカクレミノの幼木は深く3~5裂した葉でしたね。この位の木になると浅い3裂か全縁になっていました。
    2013年01月21日 10:04
  • 長さん

    信徳さん、コメントありがとうございます。
    上杉謙信は、自分のことを毘沙門天の生まれ変わりだと信じていたそうで、旗印にも毘の字が使われていますね。
    2013年01月21日 10:06
  • nobara

    お目目も治して欲しいけれど大好きな蒟蒻を断つなんてできません。蒟蒻、今夜喰わなくても大好き。
    閻魔さまはこころやさしい方だったのですね。
    銀座のお鮨屋さん、よくぞご無事で~(^o^)丿
    かなり若い頃、友人たちとコンサートの帰り小腹がすいたね~で軽い気持ちで銀座のお鮨屋さんに入りました。なんだか高そうでお腹いっぱいは食べなかったのにお支払いの時、みんなの有り金集めてやっと支払いました(汗~)荻窪に帰る電車賃とあと少ししか残りませんでした。荻窪に帰って丸福のラーメンを食べてホッとしたのを覚えています。以来、時価のお店には要心するようになりました。明朗会計の所もありますけれどね~その時の思い出がトラウマになっております(笑)
    2013年01月21日 11:15
  • shuuter

    閻魔様の逸話を聴いていると 目が悪くなったら
    お参りしてみたくなりますね。

    建築模型拝見いたしました。
    精密に制作されるのですね、これ見ていると取材に取り組まれる姿勢もにかっよっています。
    私には向きませんです。
    2013年01月21日 11:54
  • あいべん

    私にはできない七福神巡りの説明・・。
    資料を片手に回り編集後にまた調べる。
    人それぞれの得意分野?
    これも一種の才能ですね。
    今日も変なコメントですね(笑)。
    2013年01月21日 16:52
  • ケン坊

    こんばんは。
    七福神”毘沙門天”を読んでるつもりが、何時の間にか”こんにゃく閻魔”にのめり込んで...>笑<
    何でも鑑定団は時間の許す範囲で見てますが、あの永井氏がお隣に? 
    長さん家には何か”お宝”があるのでは?
    2013年01月21日 18:48
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    こんにゃく、大好きですか。是非、今夜喰ってください(もう夕食は終わりましたか)。
    銀座の寿司屋さんも夜でなければそう高いこともなかろうと思いました。二人で片手ちょっとでしたのでご安心を(笑)。
    2013年01月21日 19:04
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    眼病にはどこの閻魔様でも言う訳でもなさそうですよ。やはり眼科医がよろしいようで(笑)。
    昔から工作なんかは得意だったのです。1軒作るのに2週間くらいかかりました。
    2013年01月21日 19:08
  • 長さん

    あいべんさん、コメントありがとうございます。
    記事を書くために資料をあさるなんて、才能ではないと思いますが、こんな仕事?が向いているとは言えますね。
    2013年01月21日 19:12
  • 長さん

    ケン坊さん、コメントありがとうございます。
    確かに、こんにゃく閻魔のほうがブログネタ向きですね。
    横顔ですが、どうも見たことがあると思って確認したんですよ。
    我が家のお宝ですか?柿右衛門があるんですよ。古道具屋さんから「ああ柿右衛門窯ですね」と馬鹿にされた壺ですが。
    2013年01月21日 19:20
  • hanasaku

    こんばんは
    閻魔様ってあの地獄の閻魔様ですよね。
    でも本当は優しいのが分かってホッです。
    右目あげちゃうなんて凄い。
    好物がこんにゃくだなんて・・・
    ステーキとかお刺身だったら分かるけど。
    こんにゃくの代わりに目?
    う~ん、あれ毘沙門天でした。
    閻魔様に見惚れちゃいました!
    2013年01月21日 19:51
  • eko

    ここの閻魔様は優しいですね。目の悪い老婆に自分の目を交換するなんて、地獄の閻魔様とは別人ですか?やはり閻魔大王様の像は迫力あります。
    毘沙門天像が閻魔像の迫力に押されてしまっています。
    塩地蔵様、面白いですね。塩に囲まれて凄いことになっていますが、御利益がそれだけあるということでしょうね。
    2013年01月21日 20:11
  • 無門

    こんにちは

    閻魔さまは地獄だけでなく
    現世までも守ってくれるのですね
    ありがたや
    2013年01月21日 20:55
  • 長さん

    hanasakuさん、コメントありがとうございます。
    あの閻魔様ですよ。江戸時代にはステーキなんかありませんでしたからねー。閻魔様は自分の眼を犠牲にして、嘘つきから巻き上げた舌で眼を再生させたって話・・・嘘です。閻魔様に舌を抜かれるかな(笑)。
    2013年01月21日 21:40
  • 長さん

    ekoさん、コメントありがとうございます。
    地獄の閻魔様と同一人物、じゃなかった同一神ですよね。閻魔様はこんにゃくが大好物らしく、各地でこんにゃく炊きの行事があるらしいです。
    塩まみれのお地蔵さんも珍しいですね。
    2013年01月21日 21:45
  • ポン太

    こんにゃく閻魔さん智目の悪い老婆の話、いいですね。庶民の信仰の姿が現れています。老婆の一番の好物がこんにゃくだなんて、、。閻魔さんも嘘つかない人には自分の目もあげちゃうのですね。
    2013年01月21日 21:48
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    地獄の主の閻魔様でも金次第だそうですが、上質のこんにゃく次第という言い伝えはないんですかねー。
    2013年01月21日 21:48
  • 長さん

    ポン太さん、コメントありがとうございます。
    閻魔様はこんにゃくが好物という言い伝えがあるらしいです。閻魔様も大好きなこんにゃくを絶ったのですから、気の毒に思ったのですかねー。
    2013年01月21日 21:50
  • あうら

    こんばんは☆
    閻魔大王って…とても恐いイメージがあったのですが、優しい閻魔さまもいらっしゃるのですね。
    云われがわかると、写真を見る見方も変わります。
    2013年01月21日 22:03
  • 長さん

    あうらさん、コメントありがとうございます。
    地獄の沙汰も金次第と言いますから、閻魔様は話の分かる神様なんですね、きっと。
    2013年01月21日 22:22
  • りりい

    源覚寺のこんにゃく閻魔様、覚えておいて、次回東京に行く機会があったら、ぜひお参りしたいと思います。自分を含めて家族みんな目が弱いので。でもそのおばあさんのように、好きなものを絶ってお参りを続けるぐらいのことをしないと願掛けも届かないかも。中途半端なお参りしかできない自分が情けない。
    2013年01月23日 08:51
  • 長さん

    りりいさん、コメントありがとうございます。
    後楽園ドームから近いので、寄ってみてください。
    私は無神論者なので、お参りすることにあまり興味はないのですが、信じる心を持つことは否定しません。
    2013年01月23日 09:47

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