飛騨古川の弐之町を南東の方向に歩きます。
左下は、明治41年創業の井乃廣製菓舗。手焼きの味噌煎餅が評判、
飛騨古川には、新築なのに在来様式の家屋が目立ちます。そうした家屋には、表札と並んで「古川町景観デザイン賞」の札がかけられていました。
「古川町景観デザイン賞」は、1985年、旧古川町観光協会(1965年に全世帯が加入)により創設された。古川らしい町並みや自然に調和した建物を表彰する制度で、これまでに180以上の物件が受賞している。基本的に新築物件を対象としているため、建て替えのときに在来工法の家を選択する動機付けとなり、結果的に整然とした町並みの維持にもつながり、この制度は飛騨市観光協会にも引き継がれている。
古川町景観デザイン賞の札。自販機も景観を損ねないようにしてある。
こちらは旅館の建物です。
左下、飛騨古川で最古(天保12年=1841年に完成)の祭屋台・金亀台の収蔵庫。右下、染め物ときものの三伊。
飛騨古川で古い洋館は珍しい。ここ、旧河合療院の建物は昭和3年の建築。今年、国の登録有形文化財に答申された。合わせて、河合家別邸(先回紹介した由布衣工房の建物)も有形文化財に答申されている。
旧河合療院のあたりを歩く一行。 右下は洋品店。SALEの文字は建物にそぐわないが、仕方がないか。
弐之町の突き当たりは「三寺まいり」の寺の一つ、本光寺。天文元年(1532)に親鸞聖人によって開基された。現在の建物は大正2年(1913)に再建。
本光寺に向かって右手、荒城川にかかる霞橋。橋の先の建物は国登録有形文化財の八ツ三館という旅館。
三之町を歩いて、車に戻ります。
(つづく)
この記事へのコメント
あいべん
やはり田舎の都会(?)の雰囲気が有りますね。
京都もそうですが景観町並み指定など受けると
大変なんですね。
京都では外装は規制が厳しく古い町家は不便でも
内装の一部しか手を加えられない所も有ります。
いずれにしろ生活してる人には町並み保存も
大変な事ですね。
hanasaku
自販機もエアコンの室外機も木目調になっているのにびっくりです。
旧河合療院は治療はまさかですよね・・・
ここまで景観大切にしてあるのに電柱をなんとかならないものでしょうかって考えてしまいます。
なおさん
川越の蔵造りのまちでも、新しく作る家や店はさまざまの規制があるようで、伝統にふさわしいものでないとダメなようです。コンビニなども蔵造り風の外観になっていますので面白いものです。
ケン坊
景観を維持保存するということは簡単ではないですよね。しかも生活しながらですから...
多分、想像を絶する苦労があるんでしょうね~
病院や自販機までが景観保存に協力だなんて凄い!
それにしても、ご一行様は長さんのブログで旅を二度も三度も楽しめていいですね。
ここまで詳細に描写したログなら、何年後に見ても当時のことが鮮明に思い出されるでしょうね。ご苦労様です。
長さん
地方都市に限らず、景観保存の意識が高まったとはいえ、それ以前に建てた家を建替えたくても先立つものがなければ仕方がないことです。しかし、何とか調和を保とうとする努力が窺えるのは嬉しいことです。
長さん
エアコンの室外機の色にも気付かれましたか。以前、石見銀山の町並みで自販機を木枠で覆うという手法を見たことがありますが、この町では徹底していますね。
旧河合療院の三代目さんは、向かい側に医院を開業しておられます。
確かに電柱も何とかしたいですが、電灯線の地下埋設は町並み保存より大変なことなのでしょうね。
長さん
ここ飛騨古川に限らず、川越、京都、旧宿場町、などなど、それぞれの地域で町並み保存に取り組んでおられますが、現に居住しているとなると、住民のご苦労はいかばかりでしょうね。ここは、景観デザイン賞を創設して、モチベーションを高めているようです。
長さん
景観保護を住民の総意としてまとめ上げた熱意にも拍手を送りたいです。住民も良く協力していますね。
同行者にはブログで二度楽しんでいただき、更に、私の時間があるときに限りますすが、ブログ記事を焼き直した旅行記をCD-Rにしてプレゼントしています。まあ、好きでなければ出来ませんよね。
shuuter
私の知る古川は 駅からスキー場までですので のんびり街を見学したこともなかったと思います。
古い街並みが整然と保存され 観光客には喜ばれるでしょうね。
長さん
古川のスキー場へはバスだったんでしょうね。そうすると、今回紹介している町並みは、バスが通れるような道ではないので、多分通過していないのではないかと思います。
eko
長さん
景観デザイン賞は良いアイディアですね。こうした賞も住民の意識改革に寄与しているのでしょう。
エアコン、室外機、ここまで徹底すると気持ちが良いですね。
ポン太
住みながら古い町並み保存はいろいろ大変でしょうが、こういう制度があって住民の意識も高まっていくのでしょうね。
本当に町が落ち着いた感じで整然としていますね。
無門
ある時代で止まった風景が
なぜノスタルジーを感じるのか
ちょっと不思議な感じですね
揃っていることが
一つの美かもしれませんね
西欧の古い街並みも
NYの摩天楼も
長さん
景観デザイン賞、新築したいお宅も建築家も励みになる賞ですね。多分、リフォームするお宅も景観の統一を意識していると思いますよ。
長さん
景観維持という意味合いは、在来からのデザインに統一するということも含んでいるのでしょうね。
中世ヨーロッパの様式を残した町並みが美しいのもそういうことなんですね。
信徳
fujisan
nobara
それでもこうやって営んでいらっしゃるのですねー
頭が下がります。実際に生活があるんですものね。
自販機ひとつにしてもーしかり、ですね。
こういうところをもっともっと前向きに紹介して
たくさんの方が訪れられるようにしたいです。
長さん、目線が感じられます☆
長さん
世界遺産にしてあげたいですが、それには厳しい条件があるようですね。
長さん
現代の家屋は耐震性がかなり優先されますから、ツーバイフォーが増えましたね。我が家もその口です。伝統的な在来工法にするとコストが高いんですよね。ですから、古川の皆さんもご苦労があると思いますよ。
長さん
自販機はレンタルでしょうが、冷房の室外機の色は特注なんでしょうね。
住民が一致団結して環境保全に取り組んでおられることをもっと知ってもらいたいです。どうしても高山に目が行ってしまいますが、古川にも行ってもらいたいですよ。
shizuo
長さん、ごゆっくり^^。
長さん
本日、無事帰国しました。