中根寺は慶長18(1613)年開基(御本尊は薬師如来)ですから、一茶もこのお寺に何度も参詣したに違いありません。
中根寺については、イチョウの黄葉を報告した際、詳しく述べました(記事はこちら)ので、ここでは省略します。
旧水戸街道に戻り、歩を進めますと、T字路があります。下は、T字路から西を見た写真ですが、商店街が続く突き当りがJR馬橋駅です。
「裸の大将」で有名な山下清画伯は、昭和15年から21年にかけて馬橋に住んでいました。この商店街の途中に加藤商店という魚屋がありましたが、そこで働いているときにも、しばしばふらりといなくなったそうです。
(追記)魚屋の位置が判明しました。写真の商店街ではなく、中根寺の入り口、1階に学習塾が入居するビルのところにあったそうです(浅間山さん情報)。
T字路過ぎて、右手に魚屋さん(稔鮮魚)がありますが、その向かい側の深野家には北辰一刀流の道場がありました。千葉周作から免許皆伝を受けた深野新太郎の自宅にあたり、深野家には免許皆伝が残されていると言います。時代的には一茶が死んだずっと後のことです。
棟門の柱にヒイラギとイワシの頭が飾られていました。旧家では節分の行事も手を抜きませんね。
北辰一刀流の道場として使われた建物は現存するそうです。馬橋小学校創立百年記念誌に深野家の配置図が収録されています(左下)が、門の奥、正面ですから、右下の写真に写っている建物が道場のようです(現在は物置らしい)。
余談ですが、馬橋小学校は妻と息子たちが卒業した学校です。

配置図の左上に、陸前浜街道と書かれています。これは現在の国道6号線のうち、東京都荒川区から宮城県岩沼市までの区間について、明治期に付けられた名称です。そのうち、水戸までが水戸街道、その先は磐城街道となります。
深野家の右隣の大川家ですが、一尺はあろうかという太い柱の冠木門が立派です。大川五兵衛と書かれた表札がかかっています。馬橋村歴代村長の中に同名の方がおられる(昭和14~15)ので、多分その方の家だったのでしょう。
大川家の右、1本路地を挟んで、隣が萬満寺になります。
(つづく)
この記事へのコメント
nobara
奥様も根っからの地元の方なんですね~
~という事は?長さんもですか?
幼なじみということなのかな~(余計な事?
節分の行事など、成る程と頷けます。
祝日には旗日として翻るんでしょうね~
街道を行く!って感じですね~
長さん
hanasaku
まるで一緒に歩いているような錯覚が…でもすぐ迷っちゃうんです!
柊と鰯は東京でも飾るお宅あります!干からびてました…何故飾るんでしょうね。豆まきの方が効果あると思うのに!
長さん
道に迷いやすいんですか?それは難儀ですね。
鰯と柊は、節分の際、魔除けとしたようです。鰯の頭は邪気がその匂いを嫌うから、柊の葉のトゲトゲが邪気を刺して侵入を防ぐということだそうです。
なおさん
旧家のお屋敷も立派で、伝統を重んじているようですね。
ヒイラギとイワシの魔よけの飾りは、日暮里かいわいでもところどころでみかけました。
ケン坊
節分の儀式(先人達の智恵)も最近では少なくなりましたよね。新興住宅では皆無でしょうね。
我が家も、今年は鰯の頭まで食べちゃって...飾れなくなっちゃった>笑<
寿々木
鰯の頭も信心からと申しますが、実物画像を見たのは初めてです。
無門
街道をゆく
地元ならではの
発見の数々
楽しいですね
123
が見られないようですが消去されたのでしょうか。
123
長さん
今回改めて旧水戸街道筋の歴史を調べたんですが、実際に歩いてみると意外なことが分かったりして面白いです。
ヒイラギとイワシ、都内でも見られますか。
あいべん
馬橋に山下清が住んで居たのですか。
加藤商店のお魚屋さん今は無いのでしょうね。
もし有れば長さん写真写してますよね。
一茶の歩いた路色々調べての散策なんですね。
一茶の道や滞在先色々有りますが身近な
場所での長さんの散策ですね。
長さん
西国八十八か所めぐりは遠くで行けないので、近くのお寺に当てはめたんでしょうね。山下清が松戸にゆかりがあるとは知っていたんですが、働いていた場所まで特定できたのは収穫でした。
今年はイワシの頭まで食べちゃいましたか。
長さん
何故こんなところに剣道場が?とお思いでしょうね。幕末は治安が悪く、農家の人も剣術を身に着けて防衛する必要性にかられたようです。
イワシの頭とヒイラギの葉、初めて見ました。マメ科の実のようなものも一緒に飾られていました。
長さん
こうして歩いてみると、無門さんの横道歩きの楽しさが分かりますね。歩いた後、図書館で歴史の本を借りてきましたよ。
長さん
山下清画伯は駅に向かう商店街の途中、左側らしいのですが、もう魚屋さんはありません。生け花の師匠宅にもいたことがあるらしいのですが、こちらは全く不明です。
近いものですから、一度歩いて歩いて歴史を調べ、また歩いたりなんかしています。
ekomountain
イワシの頭とヒイラギの魔よけ、話には聞いていますが、初めて見ました。
ひとつ気になったことが、馬橋駅へ続く商店街、シャッターがしまっているお店がありますが、昨今はやはり人通りが少なくなっているのでしょうか。
shuuter
面白い伝統ですね、続いてくれるといいですね。
長さん
見て歩いて、調べて、また歩いて…すると、色々分かってきます。いつも歩いている道なのにね。
鰯と柊、このようにして飾るんですね。門のない家は玄関の上に飾るようです。
シャッターが閉まっているのは、この角の店だけですが、駐車場や駐輪場になったりで、次第に少なくなる傾向はありますね。
長さん
鰯に柊、私も初めて見ました。でも、ガムテープで止めてあるのが現代的ですね。
古くからの慣習、その意味も知られなくなっていますね。
浅間山
長さん
加藤魚店は学習塾のある場所でしたか。母上のご記憶なら正確ですね。ライフのある場所とさるHPに出ていたんですが、半信半疑でした。