一茶の通った小金道…その3 栢日庵立砂の居宅跡

 馬橋から80mほどで、国道6号線(水戸街道)から分かれてきた道と合流し、旧水戸街道は左奥(北)へと続きます。
 中央やや左の青い看板(TOKYO BAY SHINKINと書いてある)の真下に、細い標柱が建っているのが見えますか?
画像

 上の写真の右側から見える民家です。今は少なくなった本格的な日本建築です。
画像

 東京ベイ信用金庫馬橋支店前ですが、ここに、一茶が20歳の頃から奉公したと伝えられる油屋大川平右衛門(俳号栢日庵立砂=はくじつあんりゅうさ)の居宅がありました。それを示す松戸市教育委員会の案内標柱が青い看板の支柱と電柱の間に立っています。一茶は江戸へ戻った後もここをよく訪れ、立砂亡き後も、息子の斗囿(とゆう)を訪ねています。
 余談ですが、左側の高いビルの2~3階に私たち夫婦が通うスポーツクラブがあります。
画像

 松戸市教育委員会の案内標柱です。
画像

 馬橋の油屋平右衛門こと栢日庵立砂( ~1799年)東葛地方の俳諧人として有名でした。親子ほど歳の差があった一茶から翁と慕われ彼のよき理解者であり、また庇護者でもありました。 (松戸市教育委員会の案内標柱)

 標柱を見て左手に向かいます。旧水戸街道が真っ直ぐ進む正面に水戸街道一の古刹萬満寺が見えます。
画像

 上の写真の左端に瓦屋根の平屋が立っています。それが下の写真です。馬橋地区の旧水戸街道沿いでは一番古い建物です。おそらく昭和初期の建物でしょうか、前を通りがかったお婆ちゃんの方が先に生まれたかもしれません。廃屋となり、荒れるに任せているようですが、こういう古い家を修復して保存してもらいたいものです。所有者も松戸市もそんな資金を出すつもりはないようです。
画像画像

 廃屋の少し手前に大川という米店がありましたが、今はマンションになっています。大川米店は大川油屋の分家だそうです。
 (つづく)

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

 近所でフリージア(アヤメ科フリージア属)が咲き始めました。
画像

画像

この記事へのコメント

  • なおさん

    お近くのところでも、いろいろ調べて歩いてみると、興味深いことがいろいろわかるもので楽しいですね。あたらしい建物のなかにも歴史を感じさせる古い造りの家がまだあるのですね。

     川越もいろいろ歴史があるのですが、僕もあまりよく知らないので、郷土史などの本を読むのも面白そうです。

     フリージアが咲きだしてきましたか。香りもいいですね。
    2012年02月16日 04:40
  • ケン坊

    懐かしい日本建築も保存が大変でしょうね。市としても税金を注ぎ込んで良いものか悩ましい...
    (必ず反対する人もいるからね)
    フリージアが咲き出しましたか? 早いですね。
    2012年02月16日 06:46
  • 長さん

    なおさん、コメントありがとうございます。
    自分の住む町の歴史を知りたいと思うようになったのは、やはり定年後のことです。それまでは、どちらかというと会社人間でしたから、そんな余裕がなかったのです。
    見たり、調べたりすると、色々面白いこともわかってきます。
    2012年02月16日 07:57
  • 寿々木

    フリージアがもう咲きましたか、当方昨年秋20球ほど植えたのですが、葉が霜焼けで黒くなってきました。
    2012年02月16日 07:58
  • 長さん

    ケン坊さん、コメントありがとうございます。
    松戸市は文化財の保存にはあまり熱心ではないようです。
    得てしてこういう古い家をお持ちの方はご高齢で、私財で維持保存していくには相当困難が伴いますね。
    2012年02月16日 08:00
  • 無門

    こんにちは

    伝統的な日本建築は
    かっこいいですね
    新興住宅地のわが町も
    先住の人たちは
    土地もお金もあるようで
    結構こういう家を建てますよ
    もちろん我が家は
    門も無い小さな家です
    2012年02月16日 08:06
  • nobara

    長さんの散歩道の界隈にあたるのですね~
    他の看板に隠れて、なんとぉー密やかな~(^O^)
    うっかりすると見逃してしまいそうですね。
    本格的な瓦の家、地震も大丈夫でしたか?
    こちらも市街地を離れると昔ながらの
    格式のありそうなお宅が結構見られます。
    ハウスメーカーの近代的なのより
    そちらの方を所望する方も多いのでしょうね。

    フリージア、咲き始め、佳い香りが漂ってきそう
    紫っぽいの佳い色ですね~(^-^)
    2012年02月16日 08:43
  • hanasaku

    お早うございます
    一茶の辿った道の特集ですね。以前藤沢周平氏の一茶を読んでから一茶のイメージがだいぶ違ってしまったのですがあの時代は現代と違って生きていく上で色々苦労があったのだと今は思えるようになりました。でも俳句のイメージからかけ離れた貪欲に生きた人だったような気もします。
    最後のフリージアが春を感じさせてくれてほっとできました。
    ありがとうございます。
    2012年02月16日 09:15
  • コスモス

    住んでいる町の歴史を調べようと思った矢先に引っ越してしまったので、これから横浜(鶴見区)の歴史を調べてみようかなと思います。
    花屋さん以外で咲いているフリージアをあまり見たことがないので、とても新鮮な感じがします。
    春の香りがするような気がします。
    2012年02月16日 09:56
  • 長さん

    無門さん、コメントありがとうございます。
    この2階建て日本建築の家は、古くからここにお住まいのようで、田畑用の土地が沢山あったように見受けられます。本建築でこんな家を建てられるのは羨ましいですよ。
    2012年02月16日 10:25
  • 長さん

    nobaraさん、コメントありがとうございます。
    この案内標柱、松戸市民でも気づかない人が多いようです。
    この本建築の家、大震災でも瓦の被害がなかったようですから、しっかり作られているんでしょうね。
    黄色のフリージアは良く目にしますが、こんな色のフリージアも良いですね。
    2012年02月16日 10:30
  • 長さん

    寿々木さん、コメントありがとうございます。
    レスが前後して申し訳ありません。
    フリージアを20球買われましたか。この冬は寒かったから、植物たちも難儀しているようです。立ち直って咲いてくれると良いですね。
    2012年02月16日 10:32
  • 長さん

    hanasakuさん、コメントありがとうございます。
    一茶の年譜を見ると、俳句から感じるイメージと、実際の生き方とは、ギャップを感じる面がありますね。64歳の時、32歳の宮下なおと3度目の結婚をしたというのにもびっくりでした。
    2012年02月16日 10:41
  • 長さん

    コスモスさん、コメントありがとうございます。
    鶴見区あたりも色々な歴史がありそうですね。調べて発表してください。
    先月、南房総で温室もののフリージアを買ってきましたが、路地植えのようには匂いませんでした。
    2012年02月16日 10:44
  • バク

    古民家
    残したい!
    テナント募集されたら、、、
    2012年02月16日 11:05
  • shuuter

    何処の自治体も財政難 どこに金使うかは市民が決められるといいですね。

    フリージア が咲き出しましたね、可愛いですね。
    2012年02月16日 12:38
  • あいべん

    今年は花が少ないので一茶シリーズですか。
    まじめが服を着てる様な長さんらしいコメント
    頂き少し笑いがこみ上げて来ました。
    長さんの通うジム立派な建物ですね。
    長さんは多分真面目に週何回かトレーニングしてる
    のでしょうね。
    風呂ジム人間とは大分違いそうですが案外
    サウナ、フロだけの利用者多いですよ~。
    私もですが・・・。
    一茶シリーズでもさすが長さん最後は花で
    締めましたね。
    2012年02月16日 15:05
  • 長さん

    バクさん、コメントありがとうございます。
    残してもらいたいですね、こういう古民家。しかし、いずこも同様、さびれた旧街道ですから、借り手もいないでしょうねー。
    2012年02月16日 15:24
  • 長さん

    shuuterさん、コメントありがとうございます。
    今松戸市は市民病院の建て替え問題で四苦八苦している状態ですから、とてもじゃないけれど、こういう予算は付かないでしょう。
    2012年02月16日 15:26
  • 長さん

    あいべんさん、コメントありがとうございます。
    まー、周りと比べると少し真面目かなという気がしますよ。しかし、思われているほど真面目ではないんです。
    今日も、ジムに出かけようとしたら雪がちらついてきまして、サボってしまいました。
    風呂ジム人間ですか。いますね、我がスポーツクラブにも。銭湯が420円ですから、毎日通えば、月会費の方がはるかに安いですからねー。
    2012年02月16日 15:33
  • tomi

    長さん; こんばんは。
    良い景色ですね、一茶 が通ったと聞きますと何か今の世が タイムスリップしたみたいですが、楽しくなります。
    一茶は色々と物語になって居ますが 本当はどの様な人でしたのでしょかね、私は 田辺聖子著 の 「泣き虫一茶」が本当と思います。
    2012年02月16日 16:06
  • ekomountain

    格式ある日本建築の家、いいですね。
    でも実際建てるとなると相当費用が高くなりますよ。
    昔ながらの家の保存、やってほしい気もしますが、資金難の折、無理でしょうね。家も住む人がいなくなると傷みが早いです。
    もう、フリージャーが咲いているんですね。
    我が家のは、葉っぱだけで花芽はまだついていません。
    2012年02月16日 17:31
  • 長さん

    tomiさん、コメントありがとうございます。
    一茶の一生は波乱に富んだものだったようです。そんなことを感じさせない作句が多いようです。
    馬橋の立砂父子、流山の双樹という、長年にわたるスポンサーを得たということは人当たりの良い人だったのかもしれません。
    2012年02月16日 22:28
  • 長さん

    ekomountainさん、コメントありがとうございます。
    本建築の家、高いでしょうね。こういう家を建てられるのは土地持ちのお宅が多いようです。
    でも、切り売りする土地もなくなり、子供たちも独立して住む人がいなくなった家も多いのです。只古いだけの家では保存も無理でしょう。
    2012年02月16日 22:33

この記事へのトラックバック