スミレの種の写真です。スミレを育てておられる方は先刻ご存知のことですが、初めて目にしました。
3つに割れた鞘に1mmほどの小さな種が30粒以上並んでいます。このほかに、まばらに種がついているものもあります(中央上)。
角度を変えて、アップにしました。
その2日後、鞘はぴったりと閉じ、ほとんどの種はどこかへ消えてしまいました。
更に2日後、鞘はまた開きました。これは、1枚目の中央上の鞘の状態と同じですね。
このスミレ(ビオラソロリア・スノープリンセス)は、この春、町内のTさんから鉢ごといただいたもので、4月下旬に一輪だけ純白の花を咲かせました。それなのに、こんなに何本も種ができるのは何故なのでしょうか。
調べてみると、スミレは花の咲く時期以外は、閉鎖花をたくさん作るのだそうです。
株もとにうつむいたつぼみをたくさんつけ(下の写真の紫色のもの)、それが成長するに従い上を向きます(中央の緑色のもの)。上の写真のスミレとは別の鉢です。
さらに、表面が薄茶色に変わり(下の写真)、これが三裂するようです。
やがて、1~2枚目の状態になります。そして、鞘(殻?)が乾燥してぴったりと閉じ、その圧力で種が飛び出すというメカニズムだということが分かりました。その圧力はかなり強く、種は平均数mも飛んでいくのだそうです。
種を飛ばした後の鞘はまた開き、2度と閉じることはないようです。
種を遠くへ飛ばしたり、種の付け根にアリが好む成分をつけたりするのは、スミレの生存戦略なんだそうです。↓のHPが大変参考になりました。
http://homepage2.nifty.com/tnt-lab/s/nat/sumire/sumire.htm
最後に、4月下旬に咲いたスノープリンセスの花を貼り付けておきます。
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この記事へのコメント
shuuter
観察が細かいですね。
菫の種はまだみたこともありません。
というより関心がなかったようです。
菫を鉢植えにしておられるので 気が付くのですね。
一つ注意点が増えました。
長さん
可愛いスミレだって花の時期以外は誰も注目しないですよね。自宅に鉢があって、週に何度も水遣りしているのに、今頃になってから気づいたのです。
ミキ
詳しい観察画像と説明でよく解かりました。
ありがとうございます。3つに割れた種子は
ときどき見かけます。こんなにたくさんの種子
ですから、スミレって殖えるのですね。
なおさん
この頃殖えたツマグロヒョウモンはスミレ類が食草ですので、紅と黒の幼虫を見ることもありますね。
ケン坊
それを捉える長さんの観察力も素晴らしいですが...平均数メートルも飛ばすとは驚きです。
ゆいはな
スミレの花は、うちでも冬の寒い花の少ない間、花壇を彩って楽しませてくれます。
が、知りませんでした。種子がこんなふうにつくなんて…
最も、花壇を手入れしているのは父ですが…
また、訪問させて頂きたいです。
私のブログにもお越し頂ければ幸いです
無門
開花する方はほとんど実をつけず
閉鎖花の方に実を付けるなんて
菫にも何か事情があったんでしょうね
他にもお馴染みのキツリフネなんかも
そうだと知ってびっくりです
行き当たりばったり
長さん
種を遠くまで飛ばして、自分に適した土に届くようにしているなんで、すごい知恵ですね。
種を飛ばす場面を見たいのですが、余程の根気が必要ですね。
長さん
ははー、弾ける前の種を採取ですか。そうでもしないと、一旦飛んでいった種を集めるのは大変なことですものね。
我が家のスミレはまだ2鉢、もう少し増えたらツマグロヒョウモンが来てくれるでしょうか。
長さん
種を遠くに飛ばすだけでなく、飛ばした後、蟻の好物を与える代わりに更に遠くまで運んでもらうなんて、高等な生存戦略ですね。
長さん
スミレの種飛ばし作戦、面白いですね。雑草と間違って抜かれてしまう前に種を遠くまで飛ばすんですね。
ゆいはなさんのブログへも早速お尋ねしますね。
長さん
自分に適した土で子孫を残そうという高等戦略なんですね。ビックリです。
キツリフネも種を飛ばしますか。ホウセンカなどもそうですね。
長さん
スミレの繁殖力の秘密が分かりましたよ。2階のバルコニーですから、庭に飛んだ種が芽を出すかもしれませんね。
菜の花
すみれの種子を飛ばす力も素晴らしいですよね。上を向いた鞘を採取し蓋をしないビンに入れておきましたら種子が部屋中に散らばってしまった事があります。はじける音もしました。
寿々木
信徳
長さん
花後の姿に如何に関心がなかったのかの証明ですね。けがの功名といったところでしょうか。
弾ける音もしましたか。かなり強い力で収縮するんですね。
長さん
窓際に置いている鉢をぼーっと眺めていたら気づいたんですよ。面白いですね。
長さん
台湾からお帰りですね。スミレの生命力というか種の保存能力にびっくりです。今晩から寒くなりそうです。ご自愛ください。
あいべん
出すのでしょうか?
違いますよね、あんなに種子が有り全部
芽を出せばたちまちスミレの群生地(?)
に庭がなりますから。
それにしても細かく観察しますね。
長さん
一つの閉鎖花から30粒ほどの種が周囲に飛び散ります。そのうち、スミレの気に入った土に落ちて芽を出すのはどのくらいの確立なんでしょうね。数打ちゃ当たる式ですか(笑)。
nobara
この時期のスミレの類は閉鎖花が(の方が)多いですよね~、不思議なシステムに驚かされます。マルバツユクサも閉鎖花が多いんだそうです。花も咲かないのに種が出来る不思議に。面白いですよね。スノープリンセスもあったのにいつしか逃げ出してしまいました。
長さん
nobaraさん宅では、閉鎖花なのに何を間違えたのか普通の花になってしまったのですよね。
閉鎖花ができ、種を飛ばすシステムと言い、閉鎖花が開花することと言い、スミレは不思議な植物ですね。どうぶつの世界と全く違うのですから…。
kaze・・・
をスミレのしゅ と読んでしまい、
新種のスミレのことかと思ってしまい
ました(汗)。
スミレのシステム、びっくりです。
hanasaku
あんなに可憐な顔をしているのに逞しい!!だからお花は女性に例えられるんだと納得しました。
長さん
新種のスミレと期待させちゃいましたか。でも、スミレの生存戦略、面白かったでしょ。
長さん
二重、三重の生き残り戦略、逞しいですね。hanasakuさんも逞しいんですか(笑)。
hiro
来年は庭のあちこちに目を出すことでしょう。楽しみですね。うちでは増えすぎて開く前に閉鎖花を摘んでいますよ。
長さん
スミレが増えるのは楽しみです。でも、増えすぎるのも困りものですね。なるほど、閉鎖花のうちに摘んでしまいますか。