昇魂之碑の前でセレモニーを終えた一行は、碑の左側から尾根筋を登ります。
すぐに、遭難者遺品埋没の場所に到達します(左下の写真の手前部分)。ここには身元不明の遺品が数多く収納されています。碑文は、事故当時村長であった黒沢丈夫氏によるものです。その上には、航空安全祈念像と鎮魂の鐘、更にその上、尾根の祭壇(木造の小屋)が見えます。
土が雨で流されると、いまだに機体の破片が出てくるといいます。一般の方たちが拾われた破片が尾根の祭壇に置かれていました(写真右下)。
更に、その右手に遭難者のお名前を刻んだ碑が建てられました(写真右)。
遭難者のお名前は、上野村にあるの慰霊の園にも刻まれていますが、当時、お名前の表示を拒まれた方がおられます。その後、この碑を立てるに当たって、新たにご同意されたご遺族もいらっしゃるとのことでした。
尾根を更に登ると、いまだに炭化したままの大木が残っていました(写真左下)。更に上に登ります。登山道や参拝道のあちこちに、右下の写真のような案内標識が建てられています。
尾根筋の最上部に近づくと、白ペンキでXと書かれた岩があります。案内標識に記された記号番号は、このX岩を基準に警察が15m間隔にふったもので、捜索の際の区分に使われました。現在は日本航空がご遺体発見場所の近くに建てた名標(お墓ではないので、墓標とは言いません)の位置を知るために使われています。
山はかなりガスがかかっています。晴れていれば、赤や黄に変わり始めた紅葉がきれいだったでしょうに(写真右下)。
< 続く >
この記事へのコメント
OSAMI
長さん
東京電力の発電所建設や堰堤工事用の道路が完成したので、登山口駐車場までのアクセスも改善されました。ぜひ一度慰霊登山にお出かけください。地元の人に伺うと、今年の紅葉は、夏の水不足で色が良くないのではないかとのことです。
ケン坊
ああー水不足か。そうですね。確かに下界でもコスモス畑が水不足の煽りを受けて感じですものね。
長さん
今年は水不足で紅葉が期待薄かもしれませんが、上野村には見どころもありますので、一度いかがですか。見どころの一部をこのシリーズで報告予定です。
なおさん
10月となり、山々も紅葉しはじめてきていますね。
上野村の見どころも出るということで、楽しみですね。
長さん
金属の破片は地中にめり込んでいるものが沢山あり、まだまだ出てくることでしょうね。
上野村は秋もよいですが、春夏の山野草を探すのも良いかもしれません。
tomi
御巣鷹山に行かれたのですね、標高はどの位なのでしょうか、これからご遺族の中には高齢になられて登山は無理な方も多くなるでしょうね。
この事故は24年前ですが その時私達はメキシコの
グワダラハラの空港に降りた時でした、タクシーの運転手が 「あんた達は日本人かい」と聞きますので そうだ と答えたら たった今日本でジャンボ機が墜落して多数の人が亡くなったと教えてくれました。
グワダラハ は アカプルコの直ぐ北です と 最初に教えてくれたのが メキシコ人で何時までも印象に残っています。
長さん
歴史的にも最悪の事故ですから記憶されている方が多いですね。当日の思い出も一緒に記憶に残るんですね。
登山道入り口の標高は約1360m、昇魂之碑は標高1600m程度です。この間800mほどの距離です。