21年目の8月12日に思うこと

 御巣鷹山の大事故から21年目の8月12日を迎えた。トラブル続きで安全性の低下が指摘される中、お家騒動を繰り広げたJALは、西松体制になって立ち直ったのだろうか?

画像 幸いなことに、この4月以降はトラブルが発生していないようだが、これだけでは安全性が向上したとは言えない。御巣鷹山事故後に伊藤副社長(後に会長)を迎え、「絶対安全」を目標に、社内も安全確立に向けた体制が強められた。しかし、現在ではその殆どが改悪された。

 航空機の整備は「自社で」が基本だ。ところが、重整備は海外の整備会社に委託、国内整備は全て子会社に委託する方向だ。共に、労働条件が悪く、技術の伝承もままならない。海外重整備から戻った機体は、2~3日かけて再整備しないと運航に供せないといわれる。

 昨日の記者会見で、西松社長は「安全への投資は聖域で、メスは入れない」と強調したそうだが、委託整備を続けている限り、「空念仏」としか受け取れない。私が在職していたときもそうだったが、「空念仏」と「精神論」は歴代日航経営者のお得意とするところ。「西松さん、あなたもか?」と言われないよう、行動で示してください。安全への投資は少なすぎると言うのが在職中からの私の見解だ。「少ないからメスを入れたくても入れられない」というのが本音じゃないでしょうね、西松さん?。

 安全性の低下はボクシングのボディブローのようだ。見た目では分からなくとも、徐々に、しかも、重く、深く利いてくる。そして、決して強いとも言えないようなパンチを食らっただけでもダウンしてしまう。昨年の連続トラブルによる安全性低下と信用失墜、客離れ、経営悪化、・・・という一連の事態は、残念ながら、ボクシングの例えがピッタリだ。格闘技は嫌いだが、選手たちは日ごろから厳しい練習で自分自身を鍛え、力をつけてリンクに登る。安全性の確立も、委託に頼らず「自分自身の手で」掴み取るべきだと思うし、委託による安全にかかわるコスト削減は、安全性の削減につながると認識すべきである。
 
 写真は、日航自己啓発センター(羽田整備場内)に展示された123便犠牲者の遺書(8月11日NHKニュースウオッチ9のTV画面から)

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